Episode5 束の間の戦隊ヒーロー 2
「四にゃん衆みーんな、サトルのこと待ってたみたいだねー。サトル大人気」
シロの言葉にサトルは嬉しそうにへへっと笑った。
「それにしても、いつも思うんだけどさー。あともう一匹いれば、戦隊ものっぽくなったのにねー。“あか”、“あお”、“きい”、“もも”、あとは――」
(みどり、とか?)
「うん、そぉそぉ」
白崎姉弟のやり取りを聞いていたサトルがぽつりと呟く。
「シロならいるけどね」
「いや、それただのあだ名だから!」
武瑠がツッコむとサトルはまた「うるさい、武瑠のくせに」と言って、武瑠を睨んだ。
「だから、その武瑠のくせにって何なんだよ。お前、それ言っときゃいいみたいに思ってるだろ」
そんなことない、とサトルはそっぽを向く。
「んで、今日は何かあったのか?」
いつもは母親と一緒に来るか、武瑠達に迎えに来てもらうかするサトルだったが、今日は一人でここまで来た。ということは、来る予定はなかったが、急遽来なければならない事情ができたという事だ。
「トモダチを……助けてほしい」
サトルの言うトモダチとは、人間ではない。相変わらず、「人間なんて嫌いだ」と言い続けているサトルがトモダチと呼ぶのは人間ではなく、100%、いや、200%動物なのである。
「トモダチをどう、助けてほしいんだ?」
武瑠はサトルが話しやすいように、サトルの言葉を繰り返して事情を聞く。
「まだ、心しか聞いたことがない子なんだけど……、タスケテって言ってるんだ。美代ちゃん、タスケテって」
「美代ちゃんねぇ……」
「ずっと前から一緒にいたケンゾーが四角いモノの中で喋らなくなってからは、話し相手は美代ちゃんしかいなくて、美代ちゃんにもみどりちゃんしかいないんだって言ってた。ねぇ、武瑠。オマエだったら助けられる? オレ、みどりちゃんのこと助けてあげたいんだ」
「みどりちゃんっていうのはだーれー?」
新たに出てきた名前についてシロが問う。
「みどりちゃんはオレのトモダチだ。インコのみどりちゃんって言ってたぞ」
会ったこともないインコのみどりちゃんとオトモダチか。本当に人間以外のやつとは、すぐにオトモダチになるっていうのに……。
武瑠はサトルの頭に手を乗せた。
「んじゃ、すぐ行くぞ!」
「ほぇっ?! いーの?」
「いいも何もサトルが俺達のこと頼ってきてくれたんだ。手を貸さない理由がないだろ」
「そーだよ、僕達オトモダチでしょ?」
(こくり)
サトルは頬を染め、ぷいっと顔を背けた。
「うるさい、武瑠のくせに」
「やっぱり、武瑠にだけ反抗的だね」
(素直じゃないところも可愛い)
「武瑠!」
舞花とシロの言葉に照れたのか、武瑠を睨むサトル。
「いやいや、今俺何も言ってないし」
武瑠は苦笑いをしながら、サトルの手を握る。
「それより、ほら早く行くぞ。タスケテって言ってたんなら早くしねーと」
武瑠達は店を出てサトルが心を聞いた場所へと向かった。




