Episode5 束の間の戦隊ヒーロー 1
どうも、ももです。私は最近、“もも”という名前を貰いました。優しいオトモダチが温かい居場所を作ってくれて、オトモダチのオトモダチがモフモフの毛布と美味しいごはんを用意してくれるのです。ここはとても快適で、オトモダチも前ほど会う機会は減りましたが、それでも遊びに来てくれます。オトモダチのオトモダチは、私の子ども達にも名前をくれました。
“あか”、“あお”、“きい”。
甘えたで遊ぶのが大好きな“あか”。
人見知りで大人しい性格の“あお”。
いつでも元気いっぱい走り回っている“きい”。
オトモダチは、それぞれ名前に因んだ色のリボンを首につけてくれました。私達は色というものをあまり判別してはいませんが、オトモダチがプレゼントしてくれたこのリボンがとてもお気に入りなのです。
オトモダチのオトモダチは、私達のことを“看板四にゃん衆”と呼びます。
カランカラン――。
ああ、今日もオトモダチのオトモダチが来たようです。次はいつオトモダチは来てくれるのでしょうか。そんなことを思いながらも、オトモダチのオトモダチの膝の上で私は今日も寛ぐことにします。
「おー、もも。今日も俺んとこでいいのか? 舞花とシロもいるのに」
武瑠は膝の上で丸くなっているももの背中を撫でながら、話しかける。
(わざとらしい)
「いいのかとか聞きながら、顔ニヤケてるしー」
いつものメンツが、今日も古びた喫茶店に集まっていた。
「武瑠なんて、サトルが店に来れば簡単にフラれちゃうんだからねー」
(私の膝の上にだって、ももは座りにくるし)
「おーおー、言ってろ、言ってろ。何言われても負け惜しみにしか聞こえねーな」
武瑠は白崎姉弟に向かってしたり顔。
(なんかムカつく)
「その顔ムカつくから止めて」
今はこの姉弟にいくら睨まれたって屁でもなかった。だって、ももが武瑠の膝の上を選んだ、それは変えようのない事実だからだ。
カランカラン――。
来客を知らせるベルの音と共にももはむくりと起き上がり、武瑠の膝の上からぴょこんッと降りた。
テッテッテッテッテ――――。とリズミカルに近づいていき、甘えるように今しがた来た人物にすり寄る。隅っこの方で遊んでいた三にゃん子達も素早い反応でサッと近づき、遊ぼう遊ぼうと群がる。
「ほら、やっぱり。武瑠、即フラれてるしー」
(この子達にとっては、サトルが一番なのよ)
四にゃん衆は待ってましたとばかりに、サトルにジャレついている。
「よー、サトル。暫くぶりじゃん。元気してたかー?」
武瑠は白崎姉弟の言葉なんて気にすることなく、サトルに話し掛ける。
「コイツらが会いたがってると思って。別に、武瑠に会いに来たわけじゃないからな」
プイッと顔を背けるサトル。
「相変わらず、お前素直じゃないのな」
サトルのツンデレっぷりに武瑠はふっと笑みを溢した。
「うるさい、武瑠のくせに」
「やっぱり、それも言うのな」
いつもの二人のやり取りを舞花もシロも微笑ましく見ている。




