軍人の覚悟
翌日の練習は皆暗い気持ちのなか迎えた。会員は言わずもがは昨日の一件である。
命の儚さを知った、ただそれだけでは言い表せないものがある。特に秀は一度死を覚悟した。
そんな彼らが前向きにいられるはずがなく、どんよりとした空気に見舞われていた。これはフィーネも例外でなく助けられなかったことに負い目を感じているのかどこか暗い様子だった。
しかしそれは過去の話、そう言って切り捨てるべきではあるが分かっていてもできる人など、ここにはいないようであった。
「時には他人を見捨てることも厭わない覚悟も必要だ。」
かの老人が言っていた言葉がよく分からなかった。
しかし軍人としては助からない味方を見捨てて、よりたくさんの味方を連れて帰還することが定石であると講義でも聞いた。
秀の頭はまだどうするべきか決めかねていた。
そんな心持ちのなかその日の訓練は進んでいった。
その日は運が良かったのか、それとも昨日が悪かったのか強い魔物とは遭遇しなかった。
「これで今日の訓練を終わります。」
フィーネがそんな空気を払拭するように元気な口調で言う。
「軍隊で誰かが死ぬことが多々あります。軍とはそういう所なのです。すみません、私も日が浅くて自覚がなくて………。
でもこの空気のまま明日を迎えるのは危険です。
明日から元通りの空気でがんばりましょう。」
先ほどと変わって少し暗い口調であった。
しかし言われたことは皆が分かっているものの、解りきってはいないことだった。
その後、皆は終始無口であった。皆がそれぞれ自分の片付けだけ終わらせて帰っていった。
後拝読有り難うございました。
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過去の作品も改稿しましたので目を通して頂けると幸いです。
次話の更新は2月4日22時です。




