反逆と静寂
本日二作目です。
前作を読んでいない方はそちらからどうぞ。
その日は皮肉にも静寂の似合う模様であった。秀たちはいつも通りに訓練に励んでいた。この日の訓練場所は裏山であった。
「エアーズカット」
最近は鍛練のお陰もあって秀の魔法でも止めをさせるようになっていた。
最近ではゴブリン程度の魔物であれば十数匹なら余裕で相手にできる。秀でもゴブリン2体を同時に相手にできる。
もうこの班にとって裏山の魔物は弱すぎた。恐らく今ならアルフィウスを殺したあの魔物、ベアルフも普通に倒せる気がした。
カン カン カーン
王都に警鐘が鳴り響く。裏山に告死鳥の群れが舞い至る。裏山から俯瞰的に眺める秀たちからはあちらこちらで火の手が上がっているのが窺える。
「王都で何か起こっているみたいなので援護に駆けつけるわよ。」
フィーネの指示に無論、反論はない。
ここからは今までよりも命の危険に晒される。
命と命の駆け引きである。
皆それぞれ風系統の魔法を自分の背中に当て魔法をも利用した超猛ダッシュで裏山を駆け下りた。
そこに広がっていたのは無意味なまでの静寂と凄惨を極めた荒野であった。恐らくここが町だったなんて誰もが信じないであろう。
既に訓練学校も落とされていた。今の防衛軍の最前線は王都防衛の限界である。
ここには秀たちの五つの影を除いて他に影はない。
他の訓練生たちがどうなったかなんて分かるわけがない。たかが五人で何ができる。加勢したくても十分に戦力になれない。しかし彼らに動かないという選択肢はない。戦いを基軸とし、戦果により己を在現する軍隊にとって何時も妥協は許されない。第一苦しんでいる人を見捨てるなど彼らの良心が許さないであろう。
五人は互いを見て静かに頷く。
そして戦場へと駆けて行った。
後拝読有り難うございました。
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次話の更新は2月11日22時です。




