終焉へのトリガー
「俺が生きる意義は
俺にしか見つけられない
それを見つける旅が俺の人生である。」
稲原秀 「回顧録」
いつも通りの部活後の帰り道。過去の夕暮れは闇を呼び、闇は深闇を呼ぶ。この闇夜の中に堂々と光る信号機の青。それを眩しく照らす長月の十三夜月。信号機は部活で疲れた体を労りその色を黄、そして赤へと変えていく。
自転車を止めた少年――稲原秀は文武共に平均的なありふれた高校2年生。田舎出身であることが災いして毎日長時間の登下校を強いられている。
信号の色が青になり、自転車をこぎ出す姿は一枚の絵画のようであった。その先には一つのトンネル。トンネルは光を書き消し闇を奥へと誘う。街頭が無いのが効果して辺りはいっそう不気味さを増す。秀はその闇のなかを頼りない自転車のライトを頼りに進む。すると突然闇とは相極の光が差し込んだ。その光は一瞬で秀を飲み込む。秀は突然の出来事に頭が真っ白になったが、その白さえも光が消してしまった。
「ここは……
何処だ。」
気づいたら道の真ん中に立っていた。
ここは今までいたトンネルではない。
秀が知っている通学路でもない。
秀の知っている日本ではない。
目の前に広がるのは……なんと言うか……中世の西洋のような風景である。
「ここは……何処なんだ。」
完全に情報が追い付かない。秀の脳内は今、数えきれないほどの?で埋め尽くされている。そんな秀に今出来ることなど立ち尽くすことしかない。冷静に周囲を見れば通りすがる人々が奇妙そうな目で秀を見ているが今の秀にはそんなことに気づく余裕すらない。
「…キミ…
ねぇ君。」
意識が脳に収まった秀の前方に一人の少女が立っていた。
秀は声のする方向へと体を向ける。
「いや……
なんだか君が
立ち尽くしているように見えて……。」
現にその通りであったため何も言い返せない秀。そんな秀に少女滝のようには質問を浴びせる。
……「珍しい格好だね。その服は何なの?」
「見かけない顔だけど、何処出身なの?」……
この世界の空気からはみ出している秀への質問は止まることを知らない。
秀はまともに答えても信じてもらえないことを悟った。
ようやく秀の頭の中の?が片付き始めた。そして情報の処理を終えた脳が導きだした結論はただ一つ…
異世界召喚だ!
後拝読有り難うございます。趣味でラノベを書きはじめてみました。まだまだ作者として未熟な所も多いですが温かく見守って頂けると幸いです。
次話の更新は12月31日22時を予定しております。




