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『こちら側』の概念

今回は転移した世界の説明のため長くなっています(汗)

『こちら側』の景色に慣れてきた頃、俺はひとまず山の麓に見える村に向かうことにした。


『こちら側』に来て初めての一歩は今までに感じたことのない感触だった。

今流行りのスクイーズの感触によく似ている。

(わからない方は某人気動画サイトのカリスマの動画を見てくれ。 )


見たことない生物に驚きながらも村の近くにまで来ることが出来た。

まずはここに人が住んでいるか確認するため辺りを見回した。


山頂から見るこの村は『向こう側』の村をイメージしてもらっては困る。

規模が村程度の大きさであって、村の家屋は『向こう側』の古民家のような木材建築の見た目ではない。


赤や青、黄色や緑などの様々な色の煉瓦を使った二階建て家屋である。さらに村人が住んでいるであろう家屋は一定の間隔を空けて建てられている。

その間隔はまるで一つの範囲こそ共存しているものの、家同士が孤立しているようにも見える。

なぜだか分からないが俺はひとまず人探しを再開した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「どなたかいらっしゃいませんか〜困っているので助けてください」


なるべく大きな声で叫んだつもりだが普段大きな声を出さない俺は思いっきり裏返ってしまった。


「それは『人助け』ということでよろしいですか?」


どこからか女性の声がした。

俺は「はい」と返事をして声の場所を探した。

すると少し離れた水色の家屋からひとりの若い女性が出てきた。


「わかりました、『人助け』としてあなたを助けます」


何のことだかさっぱりだがその女性は話を続けた。


「あなたは『向こう側』から来たばかりでしょう、まずあなたに伝えなければならないことが三つあります」


彼女は続けた。


「一つ目、この世界では『人助け』という行為は基本的に禁止です。

しかしこの世界に来て5回限りは助けてもらうことができます。」


「じゃあもし5回助けてもらった人は誰からも助けられないということですか?」


「いいえ、もちろん回数を増やす方法もあります。

それは相手が合意の上であなたが相手を助けた場合に1回増やす事が出来ます。

しかし相手が『人助け』の回数、ここでは『ヘルプ数』と言いましょう。

ヘルプ数が0の相手はたとえ手を差し伸べれば死ななくてすむ状況でも助けることはできません。」


「二つ目、異性と結婚をすれば何度でも助け合うことができます。それは子供や親でも同様です。」


「三つ目、この概念を受け入れることが出来ず5回の規則を破った場合は悲惨なことが起こります。ここではあえて言いませんが。」


質問はあるかと尋ねられたので尋ねた。


「じゃあさっき俺はあなたに助けを求め、俺の合意の上であなたは俺を助けた。つまり俺はヘルプ数を1回失いあなたは増えたということですか。」


彼女は頷き自分の役目が終わったかのようにその場を立ち去った。

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