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ここどこ…

私生活を送っている中でたまにこんな字あったかなとか何故ここに自分がいるんだろうとか、家族や友達と一緒にいてもなぜこの人達といるんだろうと疑問に思ってしまうことがある。


そう感じる一瞬の間、俺は違う世界にいる感覚に陥る。この感覚は小学校から感じ始め最近はその頻度が多くなった。

初めは疲れからかと思っていたが心も成長し記憶力もしっかりとしている今ならわかる。


あれはたぶん絶対に異世界だ。

根拠も確証もないが異世界であって欲しい。

しかし、こんな生活から逃げたいと思いつつも本当に異世界に行くことを考えると怖くて行けない。


あーなんてチキン野郎なんだ、いやいっそのことチキンになって美女に食べられるなら本望……。


「まさ起きなさい!今日も学校行かないの!」

あーでた母だこれ完全に母だ。確かに三日も休んだら行かないとだな。今日と明日行ったらまた休み、頑張れ俺。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


俺の家から学校までの時間はGRの電車に乗って30分、そこからとんでもなく急な壁を登ること10分。

そこに自称進学校「私立花園楽園高校」略して「花楽高校」がある。ツッコミどころの多い学校名だが校風は悪くない。


花楽高校は難関・スーパー特進・特進・準特進・進学・スポーツ科と6つのコースにわけられ、一学年600人のマンモス校だ。

もちろん俺は進学コース。

1年の頃は準特進コースだったがなんとなく過ごした結果今に至る。


人が多いだけあって安定した友達ができにくい。俺みたいなコミュ症野郎は見向きもされない。だから学校を1週間休もうと誰も心配しない。学校の居場所も定まっていない俺が片道40分もかけて学校に行くのが馬鹿らしくなる。

1分でも早く家に帰りたい早くベッドに潜ってアニメを見たい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


学校が終わり速攻走ってホームに来ていた俺は余裕を持って乗車できた。

しかしここで花楽高校名物『マンモス帰宅ラッシュ』に捕まった。


GRの中は都内の通勤ラッシュを彷彿させるような勢いで人が乗ってくる。息ができない、苦しい…。

やっとの思いで最寄り駅に着いた俺は早歩きで家に帰った。


日課のゲームアプリのすべてのログインを終え、今期のアニメを一通り見終えた俺は小腹が空いたので近くのスーパーに行くことにした。


スーパーで俺はいつものアイスとお菓子を買い、いつもの帰り道を歩き、いつものように家に帰ろうとした。

しかしこの日のいつも通りは何かが違った。

いつも通っているはずの道なのに少し違う気がする、確かに見たことのある景色、街並みもおかしくない、俺の育った俺の街だ。


確かにさっきまでスーパーにいた、そしていつもの帰り道を歩いていた。

なのに違う、ここはいつも通りの帰り道じゃない。

あれおかしい、自分がわからなくなる。

なんで俺はここにいるんだ。

なんだこれ。

ここは、どこなんだ……。


今までにないぐらい短時間で頭を使った俺は目の前が徐々に暗くなっていくことを理解しつつも抵抗することもなく、自然に身を任せた。


きっとなんとかなる。なんとか……なる。

完全に俺の意識はどこかに消えた。

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