私が見かけた子犬
とりあえず書きたくなって書いてみました。
ほのぼのしてもらえるとうれしいですっ。
今年の2月中旬ごろのこと。 私はきらしたおやつや飲み物を買いに近所の99円ショップに来ていた。 自転車を駐輪スペースにとめると、ふと隣の赤い自転車の前輪カゴに生後一年ぐらいのビーグル犬がいた。まだ寒さのこたえる夜7時だし、1人で留守番をするのは子どもの彼には厳しいのだろう、くんくんと寂しそうに鳴いていた。
とりあえず買い物するために店に入る。あたりを見回しても飼い主らしい人はいなかった。
商品の会計を済ませて、駐輪スペースの自転車カゴに荷物をのせる。
相変わらず子犬は寒さと心細さでクーン、クーンと鳴いている。
私は家庭の事情でペットを飼ったことがあるのはインコや金魚などの小動物で、犬猫はない。 だからだろうか、どこかで本当は飼いたいのかもしれない。
そんなわけで、隣の自転車カゴを見ると子犬のそばに炒めもの用の具材入り調味料にマカロニなどがビニール袋に入っている。
たぶん子犬の飼い主は女性で自炊生活をしていて、仕事か用事で彼を迎えに来れるのはもう少し時間がかかるけど、歩ける範囲内にいるはず。
まじめな性格で笑顔で彼をかまいながら夕食を作ったり、子犬のエサも用意する。
そんな気がする。たぶん安心させれば子犬は落ちつくはずだけど、荷物はカゴいっぱいに買って重いのでこのままにしたい。
少し考えて買い物バッグを空けると子犬の鼻先に近づけた。
くんくん匂いをかいだ彼は落ちついたようで私は「もう少ししたら、あんたの飼い主がくるはずだよ」と言った。
さすがにもうそろそろ帰ろうと自転車のペダルを漕ぎだすと、犬を見るともう鳴き声をあげずに自転車のカゴにたたずんでいる。ただそれだけのことだけど。なぜかやけに印象に残っている。
終わり