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つい先日高校に入学したと思ったら、もう、中間テストになった。入学してすぐに復習テストがあり、そして、再々小テストがある。高校に入学してからは、テストばかりやっているような気になっていた。そんな中間テストも明日で最後だ。
「はるちゃん、明日の漢文なんだけど、何か問題を解くコツってない?」
夕食後のひと時、俺たちはリビングに集まって勉強していた。
「漢文ですか?古典と漢文は雰囲気とニュアンス、それから、イマジネーションで大体解けますよ?」
「それが、わからないから、聞いてるじゃん」
葉那はむくれて見せる。はるの成績は俺よりいい。俺もそうだが、勉強に関してはみんなはるを頼るようになっていた。
「そうですね。おそらく、問題集からそのまま出ると思いますので、問題集をよく解いて、解説を読み込むことが一番の近道だと思います。あとは選択問題は、否定的な表現は間違いなので、文末から読むことを勧めますね。あと、これが参考になりますよ」
そういってはるが手に持っていた参考書を見せる。それは、教科書と同じ内容の参考書だった。教科書と違うのは、詳しい解説が載っているということ。そして、自分で引いたのであろう、マーカーでカラフルになっている。
「これ、わかりやすいな」
「そうなんです。これなら、教科書を理解しやすい内容になっていますし、何より、ノートと照らし合わせてマーカを引くだけで、一日の復習が完了するんですよ。軽く読んでおくだけで、予習にもなりますし、重宝しているんです」
はるはこの家での仕事として、俺たちの夕食を作っている。いつも、量も多くしっかりとした食事で、満足の内容だ。食事のあとは、交代しながら片づけをして、ブレイクタイム。そんな中、成績を維持するためにいつ勉強しているのか不思議だった。こんな裏技があるなんて。
「これ、マーカーの色に意味があるのか?」
皐月がじっと、参考書を見ている。
「はい。黄色はこの参考書が重要視しているところ、反対に、ピンクは先生が重要視したところ、オレンジが参考書も先生も重要視したところ、マーカーとは別に赤ラインが引いてあるのは、先生が何度も説明したところですよ」
皐月がニヤリと笑った。
「これがあれば、山掛けできるってわけだ」
「皐月、自分ばかりずるいぞ」
唯もその参考書に顔を近づけた。
「……。さすがに、量が半端ないぞ……」
解説が詳しいだけあって、ページ数も半端ないそれは、赤ラインだけでも膨大な量があった。
「山掛けするのは簡単ですけど、それなら、テストの意味ないじゃないですか。それはお貸ししますので、どうぞ、しっかり勉強なさってください」
はるはきれいに笑った。こうして夜は更けていく。




