学園都市は、都市でした。
じわじわ進みます。
クロコに少しフガフガしてもらいながら、エンカさんに教室の周りの施設をあんないしてもらいます。
今日は学園長さんが慣れるために転移はなるべく使わずに、とおっしゃっていたので徒歩でまわっていきます。
学園都市は、真ん中に資料棟があり、それぞれの分野をまとめられてドーナツ型に建っていて、囲まれた穴の真ん中には私たちの教室がある建物と庭園?のような土地があります。
そこから蜘蛛の巣か雪の結晶のように各分野の建物や土地があるわけですが、今日はエンカさんのよく行く剣術・戦闘鍛練所と、武器防具の製作研究所の一部をみせてもらいました。
クロコが作り出した護身用魔道具とかもありましたね?使うんでしょうか?
「大抵は騎士や冒険者ギルドの幹部候補を目指すやつがいるのが大半だな。あとは単純に強さや技を極めたり制御したりする方法を学ぶために来てる。
ちなみに俺も、どちらかと言えば後者だな。」
「ブハッ!…ちなみにエンカさん、失礼かもですがそれって脳筋の集まりではないですよね?念のため…お嬢様のご友人(お相手)に脳筋はいらないですよ、脳筋は。」
案内を一段落して、今は先生からの連絡待ちで中庭でお茶をしています。
保存バックから取り出したお茶と軽食をいただいていました。ちなみにエンカさんはお肉入りがやはり好きだそうです。尻尾がご機嫌ですね?
沈黙から復活したクロコが大変失礼なことを言っていますが。また黙りますか?
視線を向けたら何故かおとなしくしてくれましたが。
「う~ん、まぁクロコが心配してる脳筋てのは、強かったり強くなりたいだけで、頭が足りないヤツってことだろう?
そうならないで鍛えるために学園にきてる奴等ばかりだから、ミリィに影響はないと思うぞ?そんな奴が居るとこなら、案内をしないしな。」
エンカさんとは自己紹介も終わったので、お友達ということで名前呼びです。
そういえば、はじめてのお友達ですね!(←お嬢様エ)
学園は一部が学園都市以外にも大国の全体に解放されることもあり、外部からの利用者もたまにいらっしゃるそうです。
中にはまぁ…クロコいわく、いわゆるお決まりな威圧的な方や脳筋の方も来るのだそうです。
エンカさんの所属するクラスにはそのまま学園都市の治安を担う方もいるそうで、それは安心しろといわれました。
ちなみになんと、エンカさんと、まだお会いしてないホウエイ先生は、別枠クラスでの私の護衛役件、案内人だといわれました。
ありがたいです。
私とクロコは、大国の他にもいろいろな方に知識と、身柄を狙われたりしましたからね。クロコが撃退してはきましたが。
そう、少し面倒だと…思っていた学園都市入りでしたが、ここにいれば大国に守られつつクロコも好きに行動できますし、出入りも自由にできますね。
エンカさんのような友人もできましたし、なんだか学園都市での生活が楽しみになってきました。
(コソコソ)「その調子ですよお嬢様!そのまま会話で仲良くしてください!」
ガッツ!とポーズですが、何がしたいんですクロコ?
ピリリリーン♪
エンカさんの携帯が鳴りました。
「あ、もしもしー?僕だけどさ、ねぇ何美味しそうなものたべてるのエンカ?」
一人でずるいよー、という声が私にも聞こえるんですが……
周りをみると、建物から透き通るピンクの色彩をもつ方が現れましたね?
地毛ですか?
ピンクでもオネエなかたではないです。髪と目がピンク。