おおかみさんと、仲間(かぞく)。
ええ、結論からいいます。…私、エンカさんの攻撃をすべて跳ね返せました。
天井に穴もいくつか開いてしまいました。
あとで直せますが、ホウエイ先生にはお昼に謝らないとですね…。
と言いながらじつは引きこもり中なのです。わたし。
本気の(ハイな)オオカミさんは、ある意味とても怖かったです…。
獣化をしてから少しして、エンカさん様子が変わっていったんです。
その金と銀の瞳が、赤みがかったそれになりながら笑みを浮かべるのを見たら…
全力で球状に防御壁を創りながら、壁の回りを魔力で覆って閉じ籠りました。
攻撃が通じないことに、むしろ愉しげに吠えるオオカミさん。
舞い上がる砂煙と、爪と牙の直の攻撃。
しまいには炎の竜と、風のサイクロンを出してくるなんて…
こわいですからっ
ひどいですからーっ!
一瞬、魔物化したのかとおもったくらいです………
『おーい』と声がしますが。もうすこし閉じ籠ってて良いですか?
エンカさんは今、正気にもどられたみたいで、見ていたクロコと壁の側にいるのですが。
…………まだすこし震えがきてるのです。
閉じ籠るわたしに、エンカさんは謝ってくださいます…。
『ヒトガタでの攻撃も魔術も効かないとは思わなかったから…なんか嬉しくなって久しぶりについ獣化して本気だした…。
興奮してタガが外れたの久しぶりなんだよ。まさか普段はしない暴走化までするとは思わなくて……
すまない…。』
たしかに途中から興奮状態でしたが。
…さすがにすぐには出る気になれませんが。…壁の隙間から、こっそりエンカさんの様子をのぞいてみます。
ほんとに正気にもどりましたか?
「…せめていきなりでなく、心構えできる時間がほしかったです。
攻撃されたの……だいぶ久しぶりでしたし……」
怪我もしませんでしたし。無意識には手加減されたんでしょうが…
いきなりは、ひどいですよ…。わたしは素人です。
そう伝えると、エンカさんはウグッ!と唸って
『…!!。そうだよな、俺が今まで相手してたのはいつも同族か学園の人間の男だったけど…おまえ女だもんな…闘いに慣れてないのにいきなり無茶しすぎたよ…。悪かったから…
なぁ?まだ出てこないか?そんなに怖かったか?』
暴走したから、まだしばらくはヒトガタに戻れないしなぁ…
と言いながら、こちらをうかがってきます。
うぅ…お耳をぺたーんっとして、キューンっ↓てしょんぼりした声を出されましても、
怖かったんです。そんなに怖かったんですよ…バーサク化したエンカさん。
『あー…っと、あれだ。言い訳するとだな……俺みたいに狼獣人の輩はみんな本能で強いやつに対して血が騒ぐんだよ…
さっきも獣化したから余計にお前の強さに血が騒いでだな?普段は暴走しないからーー
………って!これも獣化したの自分だし!だからぜんぶ俺が悪いんだけどさぁ?!』
たしーん、たしーん、と尻尾を地面に叩きつけながら
頭を振って『あー!もぅ!どうしたら…』といっています。
ヒトガタだったら頭をかきむしっていそうです。
…なんだか、本当に反省してらっしゃるようなので、謝らせている状況なのが申し訳なくなってきました。
それにエンカさんの様子を見ていたら、もう先程の事は良いかなぁと思いはじめてきたのですが…
どうしましょう。なんだか言い出しにくいです。…どうしましょう。
「あの…『そんなにお嬢様にすまないと思うのなら、以降、ちゃんと態度と行動で反省の意をしめしてもらいましょうか!!』……って、ええクロコ??なにいうの!」
あわてて声をかけますが、クロコはとまりませんでした。
「いいですかっ?!」とエンカさんに言い続けます。
「対抗手段をもっていた状態のお嬢様だからこそ、怪我をしなかったものの、女性に無理やり(攻撃を)仕掛けたんです。男なら、きちんと責任とってしかるべきですよ!」
そうでなきゃあなたは脳筋以下です!!とエンカさんに指を指していきなりクロコが言いはじめました。
クロコそれなにか違うわ!なにか言い方がちがうわよ?!
エンカさんはきちんと謝ってくれているのだから、犯罪者みたいにいわないでちょうだいっ?!
『男なら……か……………
確かに。な。』
ってエンカさんも真面目にとらえてますし!
「そうですよ?ここは今後お互いの付き合いに禍根の残らぬように、エンカさんはせめて『攻撃しない補償』と『相手に対する誠意』をみせるべきです!
(…出逢ったばかりで恋愛・攻略対象外になるようなへまはしていただきたくないですからねー。お嬢様もふもふ属性派みたいですし。)」
心のなかでクロコがなにか考えていそうですが、それに気付かずいわれた方は、
『よし!そうだよな?』『うーん…ならあれにするか!』
と、何かを決めてしまったようです。
『ミリアム。でてきてくれないか?』
そういわれて、ようやく防御の土壁を消して中から出ると、エンカさんは真剣な目でこちらをみていました。
「…わたし、たしかに攻撃や暴走したエンカさんは怖かったですけど、エンカさん自身は怖くないですよ?いまもちゃんと謝ってくれましたし…
だから、何かしていただかなくても、大丈夫ですよ?」
そう伝えましたが、エンカさんは首を振って
『いや…おれが、お前の…ミリィの気持ちのことを考えないで危険な目にあわせたのは確かだから。
とはいっても、俺は強そうなやつだとおもったら、またさっきみたいに暴走して攻撃するかもしれないから…
だから…………。』
エンカさんはいいながら、近づいてきたかとおもうと…
突然わたしの額に、ヒンヤリとしたその鼻をちょこんとくっつけ、
なにか短い…けれと魔力のこもった詠唱をしました。
『よし!できたっ!』
鼻先を話すと詠唱も終わったようです
……?いったいなんですか???
『「守護の印」を付けたんだ。』
少しホワホワとした感覚があるので額をさわってみると、「俺のた一族の印なんだ」とエンカさんは説明してくださいました。
ちなみに普段は目に見えないそうです。
『この印を持ってるやつは、俺の一族の仲間だからな?
仲間に攻撃する獣人族は暴走してようと、いない!
だから、これからはもう絶対に、さっきみたいにお前に攻撃したりしないから。…印はその証明だ。』
そう言うと、
エンカさんはオオカミのすがたのまま、とても素敵な笑顔で宣言をしました。
『俺がミリィに力を使うのは護るためだけにするからな!だからこれからは安心してくれ?印があるかぎり、お前は俺の大切な仲間だ!!
…だから、もう、俺のこと怖がらなくて、いいからな?』
真剣な、でもとても嬉しそうな表情でほほえまれ、なんだか顔があかくなってしまうミリアムと、
それをみて『あれ?』っと自分も顔が熱くなるエンカをみて……………
「なんかそれって、『お前は俺のもの』っていってるみたいですがー……。
まさか、もう交際宣言ですか?」
お二人とも?とツッコミをいれるメイド(クロコ)は。
ミリィ・エンカ「『へ……っ?なんで?(だ?)』」
……………途中から完全に空気と化していた。
「この、天然ガスたちが……(ぼそり。)」
クロコ「それはマーキングとも言います。」
エンカ『「守護の印」だって!!//////』
……微恋愛。かなぁ?
じゃ、作者は休暇たのしんできます。(-_-)ノシ




