プロローグ
─────目が覚めたら、そこは真っ白な世界でした…………。
って、そんなことありなのですかっ!?
わたしは、目にはいってきた見覚えのない光景に、思わず卒倒しかけてしまいました。
「えぇっと、落ち着いて。落ち着くのです茉莉亜!?わたしは…………帰宅して、マリと戯れて、お酒のんで寝たはずっ!!ってことは、夢?あぁ、夢。なぁーんだ、夢ぇ。寝ましょ」
そして、自分が寝ぼけているのに気づきます。
わたしは、高宮 茉莉亜。実家暮らしの二十二歳です。
そう、こんな真っ白の世界には縁もゆかりもないです!!
さっさと寝ましょう。
夢のなかでも寝る。不思議な体験ですね。
ひっそり笑って、わたしは目を閉じました。
「起きて~!起きて下さ~い!!茉莉亜さ~ん」
──────どこからか、声が聞こえます。
だけども、眠い…………。
「お~い!いい加減に起きて~!」
「煩いです、よ…………も、朝?って誰!?なぜわたしはまだここにいるんです?」
「あー、起きましたね?」
「だから誰!?」
不思議と響く声に、わたしはぽっかり目を覚ましました。って、まだ白い世界です。
そして今気づきました、わたし、白いワンピースをなぜか着ています。パジャマはどこへ?
「私は死神協会の死神見習いで、ノワールといいます。貴女は、たいへん言いにくいのですが…………先程お亡くなりになりました。はい、まさかの手違いで」
───────────は?
「し、しんだぁぁぁぁぁあ!?」
しかも手違いって言いました?言いましたよね?
わぉ……………………夢デスヨネ?これ。お願い夢だと言って!!目の前には、鎌持った美少年いますよ?金髪碧眼ですよ!!
「はい、お亡くなりになりました。貴女の愛犬の代わりに…………なぜ、愛犬と同じ名前なんですか…?『茉莉亜』と『マリア』なんて間違えますって。神様に大目玉くらいましたよ。死神協会会長には、減俸されました」
「……………げ、現実─────!?」
「はい、現実です」
いぃやぁぁぁぁあああ!!マジですか?マジですね!?その影のある表情!!黄昏ないでぇぇ
「で、貴女には第二の輝ける人生をお贈りします。えっと…………………魔界ですね。ヴァンパイアの姫として、第二の人生を謳歌してください!!神様の采配なので、あしからずっ!私を恨まないでくださいねっと」
「ヘ?」
死神な美少年は、そう言って苦笑いしたかと思うと、いきなり鎌を降り下ろしました。
ヒュンっと、風を切る音がすぐそばで聞こえます。
「頑張って…………くださいね」
──────最後にそんな声を聞きながら、わたしは意識を手放しました。