No1 分析の天才 柊冬弥
たまにこういった物語を出します。
あきたら辞めます。
とある県にある進学校。
偏差値は70以上。学費無償。入学条件は推薦のみ。
そのためここに通う生徒は皆才能を持っている。
校則はなく、自由な学生生活を送ることができるが、如何せん自由であれば生徒間との問題が生じるため、相談室が設けられている。
私はそこに勤める数学教師であり、相談役だ。
まあ青春を謳歌する若人の楽しみを削るほど人の情は捨てていない。
現在時刻午後4時。下校時間であるが、そこに1人の生徒が入ってくる。
「すみません。相談いいですか。」
私は入ってくる男子生徒に席を提示し、座らせるよう指示をする。
歯向かわず応えてくれて助かる。たまにイラついているのか反抗するものも僅かにいる。
「名前は。」
私はマニュアルのように彼に聞いた。
「2年1組。柊冬弥と言います。」
「冬弥くんね。」
私は学生名簿を開き名前を探す。
柊冬弥。分析の才能か。
彼はデータ解析が比較的に優れている。父親の会社の業績を一目で見て、的確に判断した。
その結果今や日本を代表するトップの企業となっている。彼も今トレーダーとして収益を得ていると聞いているな。
「それで、相談事とは。」
「はい。先生は、うんこ味のカレーかカレー味のうんこと言われたら、どう答えますか。」
さて。備考欄にはこう書いておこう。
〈柊冬弥〉備考:小学生
天は二物を与えずと云う。だから神様は人間を作る時に才能ともうひとつ引けをとらないデメリットを与えるそうだ。
「それで先生はどうお考えですか。やっぱりうんこ味のカレーですよね。」
「先生はお前のような脳が成長していない人間を天才と称することに違和感を感じているよ。お前おっぱいとおちんちんで笑うやつだろ。」
「ちょ。先生下ネタはやめてください。」
柊はそれがツボなのか、結構笑っている。それは卒業して欲しかった。
「いや僕成長してますから。今高二ですよ高二。」
「進化しても成長しないだろ、お前ポケモンやってるなら何体かいるだろ。フライゴンとか。」
「いや進化したら強くなるじゃないですか。というかこの前俺のポケモンネット対戦でボコボコにされたんですよ。どうして俺のオオスバメはサンダースよりも遅いんですか。」
「すばやさ種族値見直してこい。」
「・・・・先生種族値ってなんですか。」
追加の備考 多分小学生以下
「ってそんなことはどうだっていいんです。先生はどっちがいいんですか。うんこ味かカレー味か。」
「先生それ言われてもカレー味しか選択肢にないんだが。」
「間違えました。うんこ味のカレーかカレー味のうんこかどっちかで。ちなみに俺はうんこを選びます。カレー味のね。」
自信満々に言うね君は。
「というよりそれをアンケートとして取ったら。お前の才能なら傾向を見つけて理論解がでるだろ。」
「いや調べたら女子にグーパンされました。」
追加の備考:怖いもの知らず(バカ)
「まあその答えを聞いてどうする。というかうんこ食うのかお前は?」
「当たり前です。だってカレーですよ。カレーは好きな食べ物ランキングに上位に食い込むんですから。」
「なんで外見じゃなく味からなんだ。」
「先生・・。世の中見た目だけじゃないんです。外見だけで判断するルッキズムな世の中はいずれ廃れていくのです。大事なのはその内面ではないでしょうか。」
「そっから高尚な話に持っていけるだけお前は凄いよ。」
ただ彼の発言に対して私はある考えを思いつく。
「・・・ちなみにそれは味がわかっている場合の話だよな。もし味その物が分からない場合はどっちを選ぶ。」
「それはカレーです。当たり前じゃないですか。」
「お前さっきルッキズムどうこうとか言ってたな。中身が大切といった割にえらく外見で物を言ったな。」
その言葉を聞いたのか、柊は口をつむぐ。そして数分の思考の後こう返す。
「先生は結局どっちなんですか。」
多分図星だったんだな。
「先生はうんこかうんこ味かどっちなんですか。先生は例えカレーでも味がうんこだったら嫌ですよね。だったらうんこだけどいざ食べてみたら実はカレーだったというギャップがある訳ですよ。つまりたとえ外見がうんこだとしてもそれがうんこの味じゃなくカレーだったら美味しい思いができるんですよ。その代わりカレーだとしてもそれが食べてみたらうんこだったら・・・」
「うるせー。」
扉が勢いよく開き、そこに堂々とたたずみ、そして1歩1歩重い効果音がなるように強く踏み出した女子高生がいた。
確か数学の成績が学年1の。そういえば柊と同じクラスだったような。
「鳥神さん。うんち味のカレーとカレー味のうんち、どっちがいいです」
その言葉を言い切る前に鳥神は既に膝蹴りを柊の腹にぶち当てていた。
ゴフッ。という彼の発した声と共に床に倒れる。
「二度と聞くんじゃねえぞ。」
唾を吐きかけた後、彼女はその場から去った。
鳥神雫 備考:暴力女
「せん・・せい・・・。俺もう帰ります。相談ありがとうございます。」
「おう。気おつけて帰れよ。」
柊はダメージを負った箇所を手で押さえながらこの場を去った。
「はあ。今日の夕飯はシチューだな。」
もともとカレーの気分だったがなんか嫌になった。
そういえば私について紹介していない。
私は七伏透。数学教師であり、不老不死である。
柊冬弥
父親が柊食品グループの社長であり、加工肉を主に取り扱っている。
好きな物はハンバーグ、オムライス
嫌いなものはピーマン、人参、ゴーヤ、円安




