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転生

 ……なんだ? ……目が、見にくい? と言うか、瞼が重いな。……寝落ち、してたのか。……まぁ、あんなパッケージ詐欺のクソみたいなゲームをしてたんだ。寝落ちくらいするか。……一応、クリアはしたんだがな。


「■◽︎■■■◽︎■■■■■」


 そう考えていると、男の声が聞こえてきた。

 ……? なんだ、この声。……と言うか、どこの言語だよ。

 

「あぅあぅ! あぁぁぅぅ!?」


 どこの言語とは思ったが、そもそも、ここは俺の家のはずで、知らない奴が居る事自体が意味がわからなくて、咄嗟に、俺は「警察を呼ぶぞ」的なことを言おうとしたのに、何故かそんな赤ちゃん用語みたいな言葉が出てきた。

 

「■◽︎■◽︎■■■■◽︎■■■」


 そして、目が慣れてきたのか、目を開けるようになったので、俺は目を開けた。

 その瞬間、美人な女の人が見えて、俺に何かを言いながら、俺の体を持ち上げてきた。


「あぅ! ぁぅぁ!」


 いくら美人とはいえ、知らない人だし、俺にそんな趣味は無いと思って、抵抗をしようと女の人の手の中で暴れた事で、気がついた。

 ……体が小さい? 手も、小さいし、よく見たら、なんだこの女の人は……デカすぎるだろ。……巨人? いや、俺の体が小さい? ……は? いや、俺が赤ん坊になってるのか!?

 

 そこまで考えたところで、俺はゆっくりと自分の現状を理解していった。

 あ、あれか? 最近流行りの、異世界転生ってやつか!?

 そして、直ぐにそんな考えに至った。

 異世界と考えたのは単純で、知らない言語だったし、今俺を抱き抱えてる女の人の髪の毛が金色という単純な理由だ。


「■■◽︎◽︎◽︎◽︎■◽︎■■■」

「■■◽︎◽︎◽︎◽︎■◽︎■◽︎■■」

 

 そんなことを考えていると、何かを男の人と女の人……多分、この世界の俺の母親と父親で何かを喋ってから、母親が急に胸を出して、俺をそこまで持ち上げてくれた。

 ……待って、俺、これ飲まなきゃだめなのか!? いや、確かに、美人だとは思うぞ? でも、中身何歳だと思ってんだよ!? 俺に赤ちゃんプレイなんて性癖はねぇよ! 


「あぅあぅあぅ! あぁあぅ!」


 俺は呂律の回らない舌で何とか抵抗の意志を表すためにそう言いながら暴れるが、何かを言いながらあやされ、次第に俺の赤ん坊としての本能に逆らえず、胸を口にくわえてしまった。


 ……あぁ、死にたい。

 ……赤ん坊にこんなストレス、よくないと思うんですよ。ミルクとか、作って欲しい。

 そんな現実逃避をしながらも、俺は一生懸命に乳から出てくるミルクを飲んだ。


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