狩り開始!
更新遅くなりました。
ブゥン!ブゥン!
「よし。問題ないな。」
狼の戦闘から数日がたった。
アキトは回復に専念し、薬草探しと魔力の練習だけの日々を送っていた。
「回復したし探索を再開するかなー。」
アキトは回復中に暇なので石をひたすら研いでいた。
木の棒の先端に蔓で研いだ石を括り付ける。
簡易的な槍を作った。
「本当は剣が欲しいけど、まぁ無理だわなぁ。」
アキトは狼と戦闘した場所まで戻ってきた。
「さてとこっからどっちにいきますかねー。」
アキトは目を閉じて集中する。
回復期間中に気配察知のスキルか、もしくは魔力を使って探知することができないか試行錯誤していた。
思いついたのがこれ
魔力を両の掌に集め、勢い良く手を合わせる。
バチィィィン!!
波紋のように魔力が広がる。
集中して、生物が範囲内にいるか探る。
「っ!!いた?」
練習はしたが、実際に鳥や魚などの小動物しか感知したことがなかったので、今引っかかったのが本当に生物なのか曖昧だ。
「不安だからもう2回くらいやっとこ。」
バチィィィン!バチィィィン!
「人間より小さめのが2体と、あとは犬っぽいのが1体、これは狼だな。」
アキトは反応のあった方へと走り出す。
相手に感づかれない程度の距離まで近づき様子を見る。
狼と子供ぐらいの身長の2体が戦っている。
「なんだあれ?鑑定。」
種族: ゴブリン
ランク:G
Lv6
HP:21
MP:2
スタミナ:32
筋力:12
敏捷:13
魔力:1
知力:2
運 : 1
スキル
繁殖Lv1
「これがゴブリンかぁー。漫画とかでよく見るけど、実物はもっと不細工だな。」
レベルが6と5のゴブリン2体と先日戦った狼より弱い固体が1体
このまま持久戦だと普通にゴブリンが死ぬだろう。
すでにゴブリンの体力は削れている。
このまま待って勝った方を漁夫で奇襲するのが定石だが、アキトは魔力を集中し出す。
魔力を右腕に集め近くにあった石を広い、勢いよく狼に向け投げつける。
狼の胴体に当たった。
狼は何が起こったかわからず混乱している。防御もとれなかったので、結構ダメージが入っている。
ゴブリン達も驚いていたが、知能が低いからかチャンスと思い狼に襲い掛かる。
その間にアキトはまた右腕に魔力を集中する。
今度は腕だけでなく、拾った石にも魔力を覆うイメージで集中する。
数秒で準備が完了しまたも狼に向け投げる。
ゴブリンの攻撃に意識を集中している狼の頭に当たる。
「ゴツッ!!」
当たった瞬間狼の頭部が無くなった。
「マジか!!やっぱり魔力で覆った方が威力が出るなー。」
そう言いながらアキトはすぐさま距離を詰める。
目の前で頭部が爆ぜた狼を見て驚いているゴブリンの1体の顔面に槍を突き刺す。
そのゴブリンの絶命を確認する前に、もう一体のゴブリンに魔力を集中した蹴りを入れる。
ゴブリンを吹っ飛び、木に激突する。
アキトは槍を引き抜き、絶命を確認し吹っ飛んだゴブリンに止めを刺そうとしたが、木に激突したゴブリンは絶命していた。
「魔力すげー。やっぱ魔力を鍛えるのが正解だったな。」
魔力で覆う威力に驚きながらも、自分の選択が間違ってなかったアキトは満足していた。
「てかゴブリンの血って気持ち悪いなぁ。触りたくねぇー。」
ゴブリンの血は紫色で槍の先端にべったりと付いていた。
「ソフィア。魔物って倒した後剥ぎ取りとかした方が良いの?」
「魔物の体内には魔核がある場合があります。高レベルな魔物、高ランクな魔物からは高確率であります。その他にも、魔物には討伐部位や素材になる部分があります。」
「ゴブリンと狼の討伐部位と素材は?」
「ゴブリンの討伐部位は右耳です。素材になる部分はありません。インフィアリィアロボの討伐部位は牙です。素材になるのは毛皮です。」
なるほどなぁー。まぁ魔核は多分ないだろうから解体はしないな。
てか気持ち悪いから高レベ以外は絶対に嫌だ!
狼は毛皮はなんとなくわかってたけど嵩張るし、そもそもナイフが無いからうまく剥ぎ取れないんだよな。
アキトは取り合えず各討伐部位を剥ぎ取り、丈夫な葉と蔓で作った簡易的な袋に入れた。
ついでにゴブリンが所持していた棍棒みたいなのも1つ持った。
「さてと、運良く楽に勝てたからもうチョイ戦闘しようかな。」
MPにもまだ余裕があるので、次の獲物を探し出す。
反応が2つ。この感覚だとまたもゴブリンだ。
アキトは反応があった方に駆け出し、20秒程で見つける。
すぐさまアキトは魔力を通した棍棒を投げつける。
距離を詰めもう一体のゴブリンに槍を突き刺す。
「このぐらいのゴブリンならさくさく倒せるな!」
更に探索し、ゴブリンと狼を次々狩っていく。
2時間くらい探索と戦闘を繰り返し。
「MPも減ってきたし、狼の肉だけ取って帰りますか。」
油断せずに魔力を通した投擲からの槍での攻撃で難なくこなせるようになった。
「さてと、しばらくはレベル上げかな。」
アキトは肉を剥ぎ取り拠点に帰って行った。