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怠惰は罪ーやる気無しのやり直しー  作者: 味ノ素 味格
6/11

初の戦闘

「っくぁー!きちー!」

あれから3日アキトは魔力を使う練習を続けていた。


森の中で朝起きて果物を食い、川で顔を洗い果物や他に食べれる物が無いか探しながら魔力を使う練習や、木の棒を拾って剣道の素振りの様な真似をしたり筋トレを繰り返していった。


その間小動物は見かけるが、人や大型の動物等には出会わなかった。


「鑑定!」

名前: アキト

種族: 人間

年齢: 15歳

クラス: 無

Lv1

HP:20

MP:18

スタミナ:52

筋力:18

敏捷:20

魔力:16

知力:12

運 : 2


スキル

剣術 Lv1

体術 Lv1

魔力操作 Lv1

鑑定 Lv2



固有スキル

世界案内アーカイブLv1


「レベルが上がらなくてもステータスって上がるんだなぁ。」


簡単なトレーニングを繰り返すだけでステータスが上昇したり、新しいスキルも獲得できた。


「あとはやっぱり魔法も使ってみたいなー。呪文がわからんが。あと果物以外も食いたい………」


この3日間アキトは果物か木の実しか食べていない。

川には魚がいるが、全然捕まえられないので30分で諦めてしまった。


「とりあえず今日もステータス上げるか。行ったことないとこにも行ってみよ。」


アキトは魔力操作の練習をしながら、行ったことの無い方向へ歩き出した。


魔力操作はスキルが獲得できただけあって以前よりスムーズに腕全体に纏わせる事ができるようになった。

まだ体全体を素早く覆う事はできていない。


「ソフィア。魔力ってなんだ?」


「魔力とはこの世界の空気中に存在し、それを体に取り込む事で体内に魔力を蓄える事ができます。」


つまり魔力量は空気中に存在する魔力を体内に取り込ませる速さや量で、MPはそれを蓄える事ができる器のようなものなのかな?


「ソフィア。気って存在する?」


「存在します。」


となると気ってのは常に体内にある、魔力のように外から取り込む力とはまた別の力か。


「気の使い方は?」


「鍛錬に鍛錬を重ねた熟練の闘士が使用する事ができる力です。」


うん。使い方わかんね!


まぁとりあえずはやっぱりステータス上げるしかねーな。


そうこうしている間に前から何かやってくる。


アキトは何かを確認する前に即座に引き木の裏に隠れた。


息を潜め最小限の動きでゆっくりと覗く。


そこには灰色の毛並みで大人のゴールデンレトリバーよりも大きい狼がいた。


アキトは小さな声で


「鑑定」


種族: インフィアリィアロボ

ランク:E

Lv7

HP:35

MP:4

スタミナ:60

筋力:20

敏捷:26

魔力:3

知力:5

運 : 6


スキル

夜目 Lv1

嗅覚上昇 Lv1

忍耐 Lv2




いやいやいやいや!

強くね!?こんなステータスで、でけぇ狼で勝てるわけないじゃん!


ただアキトはステータスを見てから逃げる気はなかった。

正確には逃げたくても逃げられない事を悟っていた。


レベル差、ステータスの差は歴然。

逃げらんねぇよなぁ。


「ふぅー………」

アキトは大きく深呼吸した。


先手必勝!!


アキトは手に持つ木の棒で狼の顔を狙う。

腕に魔力を集中して突きの形で目の辺りを狙う。

突きではなく面で狙った方が良いのはアキトも理解しているが、明らかなステータスの差を埋める為にリスクを取って目を狙った。


「グァウ!!」

狼は突然の攻撃に反応が遅れたが、咄嗟に反応し目は避けた。

だがその攻撃は狼の頬を擦り左側面の胴に当たる。


棒が刺さる事はなかったが、受けた衝撃で狼は吹っ飛び木に衝突する。


すぐさまアキトは追撃に出る。


狼が衝突している間に距離を詰め横振りで顔面を狙う。

顔に当たり更に上段から下に振り下ろす。


だが狼が横へ大きく跳び回避されてしまった。


アキトは更に回避した先へ距離を詰める。


HP、スタミナ、敏捷、ステータスはほぼ向こうが上………かろうじてスタミナだけが同じくらいなら攻めて攻めて相手に反撃させるタイミングを奪うしかない。

こっちは手数でダメージを与えて、スタミナが切れる前に止めの一撃を入れる!


アキトは狼に棒を振り続けた。

致命打にはならないが、確実にダメージは入っている。

だが段々と息切れしていく


はぁ…はぁ…止めは突きで確実に頭か心臓付近に刺し込むしかないな。


相手も避けようと必死なので狙いが定まらず、面で打撃を与えるしかない。


どのタイミングで突きを繰り出すか考えていると


「くそっ!」


狼が打撃を受けながらアキトに噛み付いて来た。

咄嗟に魔力を通した左腕でガードするが、噛みつかれる。


「つっ……くそが!」


アキトは狼の横腹を棒で刺す。

今度はしっかりと刺せたが、狼は腕から牙を離さない。


「うぉぉぉぉ!!!!」


アキトは何度も何度も刺し抜きする。


すると狼の目から生気が消え噛み付く力が弱まった。


なんとか勝てたアキトは腕から牙を抜く。


「くっそいてーー!!」


アキトの左腕からは血が滴り落ちている。


すぐに服の袖を破き止血する。


「魔物がいる世界だとは思ったけど、初回がこんなのかよ!ランクEでこの強さってヤバすぎだろ。」


アキトは警戒を怠らずに木にもたれかかった。


「とりあえずおめでとう俺。」

初の魔物との戦闘はアキトにこの世界は全然楽じゃないという現実を知らしめた。



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