魔力を使ってみた
「火ってどうやったら簡単に起こせるんだ?」
現在アキトは火起こしと格闘中。
寝床を見つけ夜に備えて火を起こそうとしている。
「前の世界じゃ火起こしなんてしたことないしなー。ライター無いの?ライター」
とりあえず木の板と丁度良い木の棒を見つけたので、枝を下に押し付けながら思いっきり回転させてみた。
「え?」
力を込めて思いっきり回転させると、板の中間ぐらいまでめり込み煙が上がる。
「もしかして前の世界より力強くなってる?」
すかさず木屑や枯葉を被せる。
火がついてきたので、木を重ねていく
「うーん。筋力13で前の自分より力強かったら、前の世界の俺は戦闘力5ぐらいなのか?」
この世界にスカ○ターが無いからなんともいえない。
とりあえず火は点いたので、消えないように様子を見ながら魔力について考えてみる。
「せっかく魔法が使える世界に転生したんだから、やっぱり使ってみたいよなー。」
手に力を込めてみる。何も起こらない。
さらに踏ん張ってみる。何も起こらない。
「これ以上踏ん張ると何か違うのが出そうだな。」
汚い。
「う~ん。なんか呪文を唱えないと発動しないんかなぁ?」
そう言いながら手を見てみる。
目を凝らしてもっとよく見てみる。
ん?なんだ?
見ると手の周りにうっすらと靄のようなものが見える。
集中してもっと見ようとしたら消えてしまった。
「これか、これが魔力か。なにか掴めそうな気がする。」
もう一度集中して見てみる。
しばらくしたらまた靄が出てきた。
今度はこの靄を動かしてみる。
手から徐々に腕まで伸ばしてみる。
すごくゆっくりだが伸びてきた。肘まで伸びてきた所で消えてしまった。
「うわっ………これすげー疲れる。鑑定。」
ステータスを見てみる。
名前: アキト
種族: 人間
年齢: 15歳
クラス: 無
Lv1
HP:20
MP:2
スタミナ:30
筋力:13
敏捷:18
魔力:10
知力:12
運 : 2
スキル
鑑定 Lv1
固有スキル
世界案内アーカイブLv1
MPが減っている。
「なるほどね。とりあえずこれをMPがなくなるまでずっと繰り返していこう。」
その日はMPを使い果たし、そのまま木のくぼみに座って寝ることにした。
「強くなるのは楽じゃないなぁ」