コント「鹿様」
場所……公園
ボケ「ありがとお~。ありがとお~」
つっこみ「……」
ボケ「ありがとお。ありがとお。ありがとお~」
つっこみ「……」
ボケ「なぁ? 知ってるか?」
つっこみ「スマップ?」
ボケ「いや、ボンジョビ」
つっこみ「いや、知るかよ!……それより何でシカに挨拶してんの?」
ボケ「はぁ? じゃあ、シカトしろっていうのかよ! ありがとうございます。ありがとうございます」
つっこみ「シカだけにね?」
ボケ「違うわ! ありがとうございます。ありがとうございます。鹿せんべいありがとうございます」
つっこみ「って、シカからおこぼれ貰ってる! いつからお前は、鹿せんべい食べてるんだよ」
ボケ「シカだけにね?」
つっこみ「四番サード中谷」
ボケ「皆様知っているでしょうか? 奈良公園のシカは鹿せんべい売り場の鹿せんべいには絶対手を出さないんです」
つっこみ「シカトするなよ!」
ボケ「ちゃんとお金出して買った人から貰うんだぞ!」
つっこみ「まぁ、いいや」
ボケ「しかもあいつらこちらが礼すると礼返すんだぞ!」
つっこみ「奈良シカにく、詳しいね」
ボケ「それなのに最近の若い奴らは挨拶もしない! なんじゃこりゃ?」
つっこみ「え? 何が?」
ボケ「くしゃみ出たわ」
つっこみ「紛らわしいくしゃみするな……。そう言えば、奈良公園のシカって夜はどうしてるのかな?」
ボケ「知らんがな!」
つっこみ「こりゃーなんかやばい薬やってるなぁー」
ボケ「実は奈良公園の関係者達もよく把握していないらしいぜ」
つっこみ「間違いない! お巡りさーん! こっちでーす! ……それよりあの鹿大丈夫か? 様子がおかしいよ?」
ボケ「本当だ! 兄さんどうしたんですか? こんなにやせ細って!」
つっこみ「え? 兄さん? よく話が見えないよ?」
ボケ「兄さん! 兄さん!」
つっこみ「どうみてもただの鹿だね……」
ボケ「ただの鹿だって! なんて事言うんだ! お前シカ様にそんな事言うなんてそれでも同じ哺乳類か!」
つっこみ「いやー大きく括るね? それよりその兄さんが何か言いたそうだよ?」
ボケ「五番ショート宮内」
つっこみ「ここは直球ストレート勝負か?」
ボケ「え! 何だって! 二十年勤めた会社をクビになったんですか!」
つっこみ「シカって二十年生きるんだね」
ボケ「なんて会社だ! 社会はいつもそうだ! みんなをゴミの様に扱って! 必要なくなったら切る! そんな事が許されていいのか! フォエバー!」
つっこみ「俺もフォエバー」
ボケ「俺も行きます! お前もついてきてくれるよな?」
つっこみ「俺も? 一体どこに? その前になんだったんだよ! フォエバー」
ボケ「そんなの決まってるだろ! 兄さんの勤めていた鹿せんべい売り場だよ!」
つっこみ「ブラックだな!」
ボケ「何だい兄さん? え、やめてくれだって? 鹿せんべい売り場のお兄さんも家族がいるって? 兄さん! なんていい哺乳類なんだ!」
涙を流す。
つっこみ「兄さん、兄さんって、なんだかよく分からないけどシカも結構大変なんだな……」
ボケ「でも、兄さん! そしたら将来を約束した婚約者はどうするんですか?」
つっこみ「俺もまだいないのに婚約者がいるのかよ! だんだん泣きたくなってきた」
ボケ「今も兄さんの帰りを待っているんでしょ?」
つっこみ「少しくらい俺の話も聞けよ……」
ボケ「え! ジュリエットはもういないだって! なんで!」
つっこみ「ジュリエットって誰だよ! まさかの外国人?」
ボケ「兄さんの事を見限った……? そんな馬鹿な……? そんな馬鹿なことがあってたまるか!」
つっこみ「そりゃー仕事を失ったんだからシカとはいえ仕方ないよな……って何言ってんだ俺?」
ボケ「嘘だ嘘だ嘘だ! ジュリエット姉さんがロミオ兄さんを裏切る訳ない!」
つっこみ「兄さん、ロミオって言うんだ……」
ボケ「そうだ! きっと訳があるんだ! 例えばロミオ兄さんの足かせになりたくないとか! きっとそうだ! そうに違いない! そうじゃなかったらあんなに優しかったジュリエット姉さんがロミオ兄さんを見捨てる訳がない!」
つっこみ「いつまでやるんだろ……?」
ボケ「ロミオ兄さん! 一緒にジュリエット姉さんを探しに行こう!」
つっこみ「それよりどんどんお前が持っている鹿せんべいに他のシカも群がってきてるぞ?」
ボケ「あ! ほら! ジュリエット姉さんだ! やっぱりジュリエット姉さんが帰ってきた!」
つっこみ「よく区別できるな……俺にはよく分からないよ」
ボケ「何言ってるんだ! 俺がジュリエット姉さんが分からない訳ないだろ? なぁ、ロミオ兄さん?」
つっこみ「ちょっと待て……」
ボケ「何だ?」
つっこみ「それ別の鹿……。ロミオ兄さんはあっちでおしっこしてるよ……」
ボケ「代打植松~」
つっこみ「もういいよ」
おわり
場所……公園
ボケ「ありがとうございます。ありがとうございます」
つっこみ「……」
ボケ「ありがとうございます。ありがとうございます」
つっこみ「……」
ボケ「お前もボーっとしてないで皆様に挨拶くらいしたらどうだ?」
つっこみ「え……何で奈良公園のシカに挨拶してるんの?」
ボケ「はぁ? それは奈良シカ様なんだから当然だろうが! ありがとうございます。ありがとうございます」
つっこみ「シカに様付けかよ! どんだけ崇めてるんだ!」
ボケ「ありがとうございます。ありがとうございます。鹿せんべいありがとうございます」
つっこみ「って、シカから鹿せんべい貰ってる! シカに同情されてるの?」
ボケ「美味しいよ。美味しいよ」
つっこみ「泣く程かよ!」
ボケ「皆様知っているでしょうか? 奈良公園のシカは鹿せんべい売り場の鹿せんべいには絶対手を出さないんです」
つっこみ「え? いきなりどうした?」
ボケ「ちゃんとお金出して買った人から貰うんだぞ!」
つっこみ「す、凄いね……」
ボケ「しかもあいつらこちらが礼すると礼返すんだぞ!」
つっこみ「く、詳しいね……」
ボケ「それなのに最近の若い奴らは挨拶もしない! 少しはシカ様を見習ってほしいな!」
つっこみ「はぁ……」
ボケ「ありがとうございます。ありがとうございます」
つっこみ「そう言えば、奈良公園のシカって夜はどうしてるのかな? どこで寝てるんだろ?」
ボケ「知らんがな!」
つっこみ「え……? お前に乗っかったのにそんな返しある……?」
ボケ「実は奈良公園の関係者達もよく把握していないらしいぜ」
つっこみ「ツンデレかよ! それよりあの鹿大丈夫か? 様子がおかしいよ?」
ボケ「本当だ! 兄さんどうしたんですか? こんなにやせ細って!」
つっこみ「え? 兄さん? よく話が見えないな?」
ボケ「兄さん! 兄さん!」
つっこみ「どうみてもただの鹿だけどね……」
ボケ「ただの鹿だって! なんて事言うんだ! お前シカ様にそんな事言うなんてそれでも同じ哺乳類か!」
つっこみ「いやー大きく括るね? それよりその兄さんが何か言いたそうだよ?」
ボケ「兄さん! え! 何だって! 四十年勤めた会社をクビになったんですか!」
つっこみ「え? シカって四十年も生きるの?」
ボケ「なんて会社だ! 社会はいつもそうだ! みんなをゴミの様に扱って! 必要なくなったら切る! そんな事が許されていいのか! フォエバー!」
つっこみ「何がフォエバー?」
ボケ「俺も行きます! お前もついてきてくれるよな?」
つっこみ「俺も? 一体どこに?」
ボケ「そんなの決まってるだろ! 兄さんの勤めていた鹿せんべい売り場だよ!」
つっこみ「鹿せんべい売り場ブラックだな!」
ボケ「何だい兄さん? え、やめてくれだって? 鹿せんべい売り場のお兄さんも家族がいるって? 兄さん! なんていい人なんだ!」
涙を流す。
つっこみ「兄さん、兄さんって、なんだかよく分からないけどシカも結構大変なんだな……」
ボケ「でも、兄さん! そしたら将来を約束した婚約者はどうするんですか?」
つっこみ「俺もまだいないのに婚約者がいるのかよ! なんだか俺が泣きたくなってきた」
ボケ「今も兄さんの帰りを待っているんでしょ?」
つっこみ「少しくらい俺の話も聞けよ……」
ボケ「え! ジュリエットはもういないだって! なんで!」
つっこみ「ジュリエットって誰だよ! まさかの外国人?」
ボケ「兄さんの事を見限った……? そんな馬鹿な……? そんな馬鹿なことがあってたまるか!」
つっこみ「そりゃー仕事を失ったんだからシカとはいえ仕方ないよな……って何言ってんだ俺?」
ボケ「嘘だ嘘だ嘘だ! ジュリエット姉さんがロミオ兄さんを裏切る訳ない!」
つっこみ「兄さん、ロミオって言うんだ……」
ボケ「そうだ! きっと訳があるんだ! 例えばロミオ兄さんの足かせになりたくないとか! きっとそうだ! そうに違いない! そうじゃなかったらあんなに優しかったジュリエット姉さんがロミオ兄さんを見捨てる訳がない! ロミオ兄さん!」
つっこみ「いつまでやるんだろ……?」
ボケ「一緒にジュリエット姉さんを探しに行こう!」
つっこみ「それよりどんどんお前が持っている鹿せんべいに他のシカも群がってきてるぞ?」
ボケ「あ! ほら! ジュリエット姉さんだ! やっぱりジュリエット姉さんが帰ってきた!」
つっこみ「よく区別できるな……俺にはよく分からないよ」
ボケ「何言ってるんだ! 俺がジュリエット姉さんが分からない訳ないだろ? なぁ、ロミオ兄さん?」
つっこみ「一つ言っていいか?」
ボケ「何だ?」
つっこみ「それ別の鹿……。ロミオ兄さんはあっちでおしっこしてるよ……」
ボケ「……」
おわり