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僕の愛した女性は、実の母親だった。

作者: 七瀬
掲載日:2021/01/20






僕は、孤児院で育った。

赤ちゃんの時に、孤児院の前に捨てられていたんだ。

僕には、最初から母親も父親もいない。

ここに居る、みんなが僕の家族だ。


僕が、18歳の時にここを出た。

孤児院には、18歳までしか居る事が出来ないからだ。

僕は、おんぼろアパートで、一人暮らしを始める。

仕事も、孤児院の先生が見つけてくれた。

僕にとって、この先生は? “母親”のような存在のひと。

いつも、僕の事を気にかけてくれた。

一人暮らしを始めた僕の事も、ちょくちょく先生とは連絡を

取る仲なんだ。



『マナブ! ちゃんと、ご飯食べてる? 体調はいいの?』

『先生! お母さんみたいだよ! 僕は大丈夫! 元気にしてるよ。』

『今度! ご飯作りに行くから、マナブは、何が食べたい?』

『ハンバーグがいいよ!』

『分かったわ! 楽しみにしててね!』

『うん!』




・・・何度、先生が僕の母親だったらいいかと思った事か?

でも? 先生が僕の本当の母親だったら? 

僕を捨てたりしないよね。

それも、分かってる事だけど?

やっぱり、僕は先生が母親だったらいいなと考える。

本当に、優しくて素敵な女性ひとなんだ。

先生の名前は、森川 聡子 52歳 バツイチ。

先生にも、別れた旦那さんとの間に一人娘がいたらしい。

だけど? まだ赤ちゃんの時に病気にかかって亡くなった。

産まれて3ヶ月ほどだったらしい。

先生は、相当ショックだったらしく、旦那さんとは別れてしまった。

先生は知り合いの紹介で、ここの孤児院の仕事に就いて。

僕と出会ったんだ。

僕は、先生と会えた事は幸せだったと思う。

それほど僕は、寂しい想いをした記憶がないからだ。

きっと、他の子達も僕と同じ気持ちだと思う。

何度も言うけど、僕は先生が母親だったらいいなと今も思う。





 *



今の仕事も、先生が紹介してくれた所だ。

町工場で、小さなところだけど凄く人情味がありいい人ばかり。

僕は、ここの仕事が好きだ。

社長は、僕を本当の息子のように可愛がってくれる。

職場の人も、本当にいい人ばかりで僕の事をいつも気にかけてくれる。



『おい、マナブ! 昼飯、奢ってやるから一緒に行くか?』

『・・・あぁ、はい!』 




僕を連れていってくれたお店は、、、?

商店街の中にある一軒のお店、洋食屋さん。

昔ながらのお店で、常連さんが多いらしい。

僕を連れて来てくれた人も、ココのお店の常連さんだ。



『さあさあ、マナブ! 何でも、頼んでいいぞ!』

『本当にいいんですか?』

『ココのお店の料理は? なんでも旨いだよな~! なあ、マスター!』

『坊主! 好きな物、選んでいいぞ! 俺が旨い飯作ってやるから!』

『ハイ! ありがとうございます。』

『鉄一さん! いい子が入ってきたな~』

『まあ、まだまだ仕事は未熟者ですよ。』

『これからですよ! なあ、坊主!』

『ハイ!』




僕は、直ぐにこのお店が気に入った。

気さくなマスター、人情味がある鉄一さん。

それと? お店の奥から一人の女性ひとが出てきたんだ。

僕は、一瞬で彼女に恋に落ちてしまった。

歳は? 先生と同じぐらい。

どうやら、マスターの奥さんらしい。

僕は、そうだと分かっても! 彼女を好きになってしまう。

この日から、僕はこのお店に頻繁に来るようになったんだ。



『マナブ君は? 今日は、何を食べるの?』

『・・・ぼ、僕は、詩乃さんが食べたい物が食べたいです。』

『えぇ!? 私の食べたい物?』

『・・・あぁ、スミマセン。ハンバーグで!』

『マナブ君は、ハンバーグが好きなのね?』

『あぁ、はい! よく先生が僕の為に作ってくれたので!』

『“先生?”』

『僕、孤児院で育ったので、親がいなんです!』

『・・・そう、』

『マナブ君は、今! いくつなの?』

『18歳です。』

『もし? マナブ君がよければ、何処の孤児院か聞いていいかしら?』

『・・・えぇ、粕丘孤児院です。』

『・・・・・・』

『どうしたんですか? 詩乃さん?』

『・・・な、なんでもないわ、』

『・・・・・・』





・・・何か? 詩乃さんは動揺しているように見えたけど?

僕は、あまり気にしていなかった。






 



 *






・・・まさかね?

私はひょっとしてと思い、粕丘孤児院を訪ねてみたの。

そしたら、やっぱり! マナブ君は? 

“私の実の息子”だった! こんな偶然って? 本当あるのね?

マナブが、私のお腹を痛めて産んだ子よ。

これから、私はどうしたらマナブに本当の事を言えるのかしら?










僕は、詩乃さんに僕の気持ちを伝えようと思う!

例え? 旦那さんがいても、僕の気持ちを、、、!



『詩乃さん! 僕はあなたを心から愛しています。』





最後までお読みいただきありがとうございます。

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