小鬼の塩!
(°▽°)こ・お・に・の・塩っ!(伯方の塩風)
食事を終え、早速森に入りつる性植物を採取すると水筒の飲み口の近くに二箇所穴を開けてツルで通して肩から下げられるようにする。
これで持ち運びが楽になった。
「いや〜それにしても森の賢者様様だな、食用の植物がどこにあるかも毒性の植物がどこにあるかもわかるなんてな」
まぁ美味いかどうかもどんな毒かもわからないのが残念だけど高望みをするのはダメだろう
「でもやっぱり1人だと色々とやり辛いよな…」
1人だとせいぜい二つの作業を並列してやるのが限界なんだよな…。
多分前世からそんな効率良く仕事出来なかったんだろうけど今そんなこと言っても仕方ないし…前世の記憶なんて殆ど無いけど。
それにずっと1人だと無性に人肌が恋しくなってくる…くそっ!異世界ものだと今頃は可愛い女の子が側にいるのが王道って奴だろ!うぅ…目から海水が…。
さっさと戻って本で勉強するか…まだ全部読んでないし。
そろそろ釣りとかして食材を豊かにしたいな〜暇な時に釣り糸を海に垂らすか〜。
そんな事考えながら浜辺に行きもはや日課になりつつある塩作りをしているとなんか暗くなった。
「あれ?急に天気が悪く…あれ?」
暗くなっているのは自分と鍋の近くだけであたりは全然明るい、まさかと思い振り返ると筋肉隆々の大男が後ろに立っている。
「ギギィィィッ!?(ぎょぇぇぇっ!?)」
怖い!思わずゴブリン語が出るくらい怖い!ただでさえ自分の5倍くらいデカくて怖いのに逆光のせいで更に怖さが倍!いや3倍増しになっている。
すいません!ごめんなさい!土下座しますからどうか命と塩と尻の貞操だけは勘弁して下さい!何でもはしないけど!ていうか何にも出来ないけど!
「ゴブリンが喋るとは珍しいな、それにそれは塩を作ってんのか?」
土下座してる俺を他所に大男は鍋に出来た塩を少し指につけて舐める。
「…こりゃダメだな、質が悪すぎて使いもんにならないな」
ムッカー!失礼な男だ!この近海産ゴブリン塩の味に文句を言うとは一言文句を言ってやる!
「…」
顔を上げて無言で俺を見下ろす大男を見て心が折れる。
無理!こんな棍棒片手にウホウホしてそうなマッチョマンに文句を言う?そんな事してたら命がいくらあっても足りないね!
弱虫とでもヘタレとでもなんとでも言うが良い!命あっての物種だ!勝算のない戦をするのは間抜けだと古文にも記されているんだ!…多分。
「…ほれ」
大男が布袋を差し出す、中にある真っ白な粉は…もしかして塩か?
「少し舐めてみろよ」
大男に言われて恐る恐る指に塩を付けて舐める。
「…ウマーッ」
思わず間抜けな顔で言う、この塩めっちゃ美味い!この塩に比べたらこのゴブリン塩なんてクソだ、苦味がある塩っぽい何かだ!
今確信する、臭い肉とか食べ過ぎて死にかけていた俺の味覚が今息を吹き返したんだ!
「そうかそうか、お前にもこの塩の旨さがわかるか」
大男がしゃがみこむ、逆光のせいでよくわからなかったが意外にも親しげの持てる優しげな顔だった。
「興味があるなら塩の作り方を教えてやるよ」
「ギギィィ!?じゃなくてマジで!?」
「まじで?よくわからんが本当だ」
「うひょー、あざぁす師匠!」
「最近のゴブリンは変な言葉を使うんだな…まぁいい、ついてこい」
こうしてよくわからないおっさ…お兄さんについていく事にした、魔法の練習?知らんな。
(゜∀゜)進みが遅くて…本当に申し訳ない