表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴブリン転生  作者: 鈍足草亀
6/8

コノ、ウミ!フカイ!

(゜∀゜)魔法の杖を作ると言ったな?あれは嘘だ

川を下って約半日、夕日が沈む始めた頃にようやく海にたどり着いた。


「ゴブリンファイヤー」


適当に付けた魔法名を言いながらナイフの先端を組んだ枯れ木に向ける火を放出し続ける。


歩きながら色々試してみたところなんとなく使い方がわかってきたような気がする。


一気に短く放出すれば弾丸みたいになるがゆっくり長くやれば火炎放射器みたいに放出し続けることが出来るみたいだ。


「よし、焚き火が完成」


くっくっくっ、俺は魔法の真の使い方をマスターしてしまったようだな。



なろう系主人公はどいつもこいつも魔法を戦う事にしか使わないとは野蛮な戦闘民族どもめ。


本来魔法とはこのように生活を豊かにする為に使うべき素晴らしい力なのだよ、偉い人にはそれがわからんのです。


まだ日が落ちるまで時間があるし少し辺りを探索すると鍋に使えそうな大きさとそこの深さがある亀の甲羅を見つける。


…結構デカイよな?甲羅だけで一人鍋用の土鍋くらいあるんじゃないか?


この辺りにそんなサイズの亀がいるとか笑えないよな…まぁ草食だと思うし平気だろ…多分。


焚き火の近くに石を組んで簡易かまどを作って海水を組んだ亀の甲羅を上に乗せる。


なんかもっと色々しなきゃダメだった気がするけどそんな知識が俺にあるはずがない。


水かさが減ってきたら甲羅を持ち帰る途中で見つけたココナッツの殻みたいな物に海水を入れて来て甲羅に入れる。


塩田って言うのかな?なんかこうして海水の塩分濃度を濃くすると塩の結晶が出来るらしい。


日が沈む頃には濃くなった塩水がプクプクとしてきた、後はじっくりと蒸発させればいいはずだ。


脱いだ腰巻をキッチンミトン代わりにして焚き火の横に置く、これで焦げ付く事はないだろう…多分。


干し肉を火で炙って食べて今日は休む事にした。


・・・

・・


日の出と共に目がさめる、今日も朝日を拝めて良かった。


昨日の塩水は…おぉ、まだ湿っぽいが初めてにしては良い感じじゃないか?


これはそろそろ何か入れ物でも見繕わないと新たな塩を生産出来ないな、辺りが明るくなってきたし海岸を少し探すとするか。


「やっぱりあったな」


昨日行った場所の近くを探すとココナッツのような物がなっている木を見つける。


思ったより木が太くて黄色い実と緑色の実がある。


木に登り黄色と緑色の実を両方一つ落とす、落とした黄色の実を振ってみるが何も音がしない。


この世界のココナッツって中が液体じゃないのかもしれないナイフで片手が入るくらい切ってから身を切り出して食べてみる。


「…なんも味しねぇ」


パサパサしてるしもしかしたら食用じゃないのかもしれない。


身を全部取り出して次は緑色の方を持つ、チャプンと音がしたような気がした。


「ん?これはまさか…」


ナイフで穴を開けて傾けると中から透明な液体が出てくる。


「おぉ、こっちには入ってるんだな」


さっそく口を付けて飲んでみる。


「びゃぁぁっ、うみゃいっ!」


見た目に反して蜂蜜を混ぜ込んだミルクのように甘い味と金木犀のような良い香りが口から鼻腔に抜けていく。


夢中で飲んでたらすぐに無くなってしまった…残念だが欲しいものは手に入った。


身が詰まっていた黄色の実は塩を入れる容器にして緑色の実は水筒にしよう、これでいちいち川に水を飲みに行かなくて良くなる。


塩を入れる方の蓋と容器に二箇所づつ穴を開けてそこそこの長さの茎を通して縛る、雑だけどこれで蓋が出来た。


…あとで長いつる性植物を見つけないと持ち運びに苦労するな。


戻るついでに薪になりそうな物を持ち帰る頃には塩が良い感じに乾いていた、容器に移してまた塩作りに取り掛かる。


塩はいくらあっても困らない、調味料としては勿論だが食べ物を塩漬けにすれば長期保存も出来る。


となると長期的にここにいる方が何かと便利なのは確かである。


海岸の岩場を探して約30分、そこそこの大きさの洞窟を見つける、入り口は波の影響か少し海水が入ってきてるが奥に行けば満ち潮になっても大丈夫だろう。


ここを拠点にしよう、前の拠点より広いし快適だし…とりあえず塩を沢山手に入るまではここにいよう。


拠点になりそうな場所も見つかったしとりあえずさっきの場所に戻る、火が弱くなっていた。


「前から思ってたが…塩を作ってると飯の調達出とか他の作業がやり辛いんだよな…」



ちゃんと火を見てないとこうして消えかけちゃう。


「ほいゴブリンファイヤー」


新しい薪をくべて火をつける、今日はこれを濃い塩水にしたら終わりにしよう。



大体3時間くらい塩作りをしてある程度出来たら早速食料調達を始める。


流石に海に潜って魚を捕るとか多分無理だからもっと簡単に取れるものにする。


「おっ、見っけ♪」


浅瀬の岩場にカメノテによく似たものを見つける。


一個握り拳くらいの大きさがあるけど…大丈夫だよね?


三つほどナイフで根元から切り離して持ち帰る、反撃されるんじゃないかとヒヤヒヤしていたけど平気みたいだ。


鍋にある塩を容器に移し替えて海水を汲む、焚き火で沸騰してきたら採ってきた巨大カメノテを中に入れて30分くらい煮込む。


「…というかコレ煮込むついでに塩を作ればよかったんじゃね?」


深く考えないようにしよう、なんとなく精神衛生上よろしくない。


取り出したカメノテの皮を剥いで身を食べる、美味い。


デカイから味が多少悪くても我慢しようと考えていたけど溢れ出る汁からカニとエビの中間のような味がして煮込んだ塩水のおかげか程よい塩加減になっている。


巨大カメノテをおにぎりを貪るような感覚で3つとも完食する、あ〜スゲェ満足感…刺身を塩でたべたいと思って海に来たけどその前にこれで満たされちゃったよ。


『レベルが上がりました、成長ポイントを獲得しました』


「えっ?」


特に戦った覚えが無いのにレベルが上がってしまった、もしかしてこのカメノテってモンスター?確かに滅茶苦茶デカイけどこんなのでレベルが上がるもんなのか?


「まぁいいや、さてとどう変化したのかな?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前、無し

種族、ゴブリン

レベル、3

HP、13(+0)

MP、13(+3)

ちから、7(+1)

ぼうぎょ、4(+0)

かしこさ、8(+3)

すばやさ、7(+0)


スキル

「森の賢者」レベル1

「愚者」レベル2

「初級魔術」レベル1

「毒性食物耐性」

「寄生生物耐性」


成長ポイント、1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ん〜何個か成長が悪いのがあるな…いまいちこのステータスの上がり方の法則がわからない。


まぁいい、本命は成長ポイントの方だ…くしゃみは出ないか?よし!鼻はムズムズしてないか?よし!オールグリーン!


前回のようにならないように気を使って森の賢者をタッチする。


『森の賢者のレベルアップに成功しました、森の賢者レベル1から森の賢者レベル2に上がりました』


レベルが上がった瞬間に頭の中に森の植物の場所、知識が一気に流れ込んでくる。


「すげぇ…これがスキルの成長…」


初めてのスキルの成長に感動を覚える、愚者?そんなハズレスキルなんて知らん!時代は森の賢者様なんだよ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

森の賢者レベル2…ゴブリン保有のスキル、森の生活に必要な知識を持っている。


森に自生する植物の知識が増える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ん〜まぁレベルが低いうちはこんなもんだろう、だがそれでも森に入ればどこにどんな植物があるか手に取るようにわかる。


勿論欲しかったつる性植物の場所も。


よし、早速材料調達に出かけるか、今日は忙しくなるぞ。

(゜∀゜)カメノテ、ウマー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ