スキルを増やそう(増えるとは言ってない)
( ̄^ ̄)スキル無双って良いよね
人間は昔、他の動物の食べ残しを食べて高い知能を得たと言われているらしい
脊髄を摂取する事で高いエネルギーを得ることに成功して高い知能を得ていたらしい
つまり何が言いたいかというと辺りを散策していたら他の生き物の食べ残しを見つけた。
内臓を全部食べ尽くされた黒い毛並みの大型の犬のモンスター…なんでモンスターかというと額から突き出るように出てる200mmくらいのナイフみたいに鋭いツノ、自分の知ってる犬にこんな奴はいないはずだ。
人間だった頃だったら多分気持ち悪くて触りたくもなかったと思うがゴブリンになったからか全然平気だ…まぁ多分そうだったんだろうなってだけで実際はわからないが。
まぁそんなことよりこの遺体をどうするかというと勿論食べる。
さっき毒キノコを食べてスキルが増えた事から察するに俺は食べる事でスキルが増えるんじゃないかと考えたのだ。
つまりモンスターを食べれば食べる程にスキルが増えて強くなるんじゃないか。
…火なんてないから生で食べる事になるけどこの際贅沢は言えない、早速…いただきまーす。
ムシャムシャ…なにこれ不味い。
血の味しかしないし口に広がる獣臭と生臭さが更に食欲を無くしていく。
だがそれを乗り越えた先にスキルという恩恵があるのだ。
さぁこい新たなスキル!思念伝達とか威圧とか!ここから俺の最強伝説が始まるのだ!
…シーンという音が聞こえそうなくらい静かな時間が過ぎる。
あれ?そろそろスキルを獲得しましたとか言ってもいいのよ?
それとも食べた量が少なかった?これ全部食べないとスキル獲得しないとか?
「ギギィ…ギギィ(マジか…だが新しいスキルの為だから仕方ないか)」
クソ不味い肉を我慢して食べていく、わざわざ川まで運んで打製石器を作り苦労しながら皮を剥いでおそらく食べれる場所は全部食べたはず。
「ギギィ…ギギッ…ギギィ(なんでスキルが増えないんだ…ウプッ…気持ち悪い…)」
どうしてなんだ…転生したスライムだってスキルが増えていただろ、ゴブリンだって同じ雑魚モンスターの代表みたいなポジションなんだから少しくらい優遇したっていいじゃないか。
まぁこの毛皮と骨は使えそうだからいいけど。
とりあえずツノの周りの骨を棍棒で砕く、念の為に握る部分を石に擦り付けて刃潰しをして紐状に割いた毛皮ん巻き付ける、簡易ナイフの出来上がりである。
素人が作った打製石器より遥かに使いやすそうだ。
ついでに皮を使って前掛けもどきと鞘っぽい物を作る。
…なんか俺、カッコ良くない?なんかこのゴワゴワした前掛けとか骨のナイフとか野生児みたいでワイルドだろ?
なんかテンションが上がって来た。
気分が盛り上がってなんとなく狩りをしたい気分になって来て森の中を探すと小さな猪を見つけた。
「ギギィ?(そういえばステータスって自分にしか使えないんか?)」
草に隠れながら猪を見つめながら試しにステータスを使ってみる。
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名前、無し
種族、リトルボア
レベル、1
HP、10
MP、0
ちから、6
ぼうぎょ、6
かしこさ、2
すばやさ、4
スキル
***
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あれ?ステータスが見れた…何が自己診断魔法だよ他の奴のステータスも分かるじゃねぇか。
でもスキルだけ文字化けしてて全然わからねぇな…。
でもこれはチャンスかもしれない、リトルボアはこっちの存在にまだ気付いてない…奇襲を仕掛けるならこれ以上いい状況はないだろう。
ステータスも俺と差はほとんどないし先制攻撃を出来る分こちらが圧倒的に有利。
…よし、逃げよう!
ここまで好条件が揃ってるのに戦わないのかって?無理無理!
小さいって言っても中型犬と小型犬の中間くらいの大きさがあるしそんなのの突進を受けたら大怪我しちゃうじゃん!
変なテンションになって狩りがしたいとか馬鹿なの?アホなの?
こんな所に居られるか、俺は1人でも逃げるぞ!
パキッ
後ろに踏み出すと小枝でも踏んだのか乾いた音がする。
俺のお馬鹿ー!フラグ回収してる場合じゃねぇだろ!
しかもリトルボアはこっちを向きながら力を貯めるように地面にを何度も蹴ってる、見逃してくれるようには見えない。
ジリッと地面を踏み締める音を聞いて嫌な予感が頭を過ぎり咄嗟に横に飛ぶ。
すくそばをリトルボアが通り過ぎる、内心冷や汗が止まらない。
振り返ったリトルボアが再び突進の構えを取る、幸い突進以外の攻撃方法は無いようだし速度も思ったより速くない。
避けるだけなら何とかなりそうだ。
「ギギィ(とりあえず疲れるまで避けてその後逃げよう)」
再び力を溜めたリトルボアが突進したのでまた横に飛ぶと後ろの木に突っ込んで木を揺らす。
マジで当たったら洒落にならないかもしれない。
…あっ、少しダメージが入ってるし少し身体がよろけてる…自傷ダメージありなんだな。
「ギギィ〜ギッギィ〜(今がチャンスだ〜ひゃっは〜)」
よろけてるリトルボアを必死になって棍棒で殴りかかる。
はぁ…はぁ…ようやく倒せた。
てか棍棒より自傷ダメージの方が強いってどういう事だよ…。
これからこのウリ坊と戦う時は自傷ダメージ狙いでやろう…二度と戦わないと思うけど。
『レベルが上がりました、成長ポイントが入りました』
「ギギィ?ギギィ?(成長ポイント?何だそりゃ?)」
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名前、無し
種族、ゴブリン
レベル、2
HP、13(+1)
MP、0(+0)
ちから、6(+1)
ぼうぎょ、4(+0)
かしこさ、5(+3)
すばやさ、7(+2)
スキル
「森の賢者」レベル1
「愚者」レベル1
「毒性食物耐性」
成長ポイント1
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おぉ!?かしこさがめっちゃ上がってる、なんかちょいちょい上がってないのがあるけど気にしない。
っとそうじゃなくて「森の賢者」と「愚者」が点滅してるけどこれはこの二つのレベルのどちらかを上げられるって事かな?
なら森の賢者一択だよね、悪いな愚者、これは1人用なんだ。
「さて早速…あれ?」
いつの間にか普通に喋れてるぞ!?かしこさが上がったからか!?
「ギギィ!ギギィ!?(凄え、俺喋れてる!ってまたゴブリン語に!?)」
ん〜早口になるとまたゴブリン語に戻っちゃうみたいだ、話すって難しいな。
まぁそれはそれとして早くスキルを成長させなきゃだな〜。
あれ?なんか鼻がムズムズして…やばいクシャミ出そう。
「ギギィッ!(ぶえっくしょん!)」
ポチ
森の賢者に伸ばした指がクシャミのせいで愚者の方に向かっていた。
『愚者のレベルアップに成功しました、愚者レベル1から愚者レベル2になりました。』
やっちまったぁぁぁっ!
「ギギィ!ギギィ!(いや待て!まだ慌てる時間じゃない!)」
一見何の役にも立たないスキルが成長したらめっちゃ使えるとか転生モノではよくある…たまにあるパターンだ!
まずはスキルの詳細を調べて…。
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愚者レベル2…常識知らずの愚か者。
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クソがぁぁぁっ!全く変わって無いじゃないか!
やり直し!やり直しを要求する!ノーカウント!ノーカウント!ノーカウントなんだ!
「…帰ろう」
リトルボアのお肉も手に入れたし川で水洗いすれば多分美味しいだろう…食べれるよね?
川で水洗いした肉を少し食べたが獣臭くてあまり美味しくなかった…洗いが足りなかったのだろうか?
(´;Д;`)美味いお肉食べたいっ!