転生したらゴブリンだった
(゜∀゜)転生してやった、後悔はしていない
俺は森新一、理由はともかく死んだらしい。
らしいというのは女神に言われたからそうなんだろうと思っただけで詳しいことはわからない。
そして理由はわからないが異世界とやらに転生する事になった。
「では祝福を授けます、自己診断魔法のステータス…これを使えば自身の取得してるスキルなどの確認が出来ます」
異世界ものによくある魔法だな、まぁ情報は多いに越したことはない。
「それと言葉や文字など前世同様に分かるようにしました、あちらの世界で意思疎通の面で困ることはないと思います」
それは助かる、正直頭はそれほど良くないから一から文字や言葉を覚えるなんて面倒くさい。
「では転生させます、あちらの世界でも頑張って下さいね」
…は?それだけ?祝福少なくない?
ていうか段々意識が遠のいてきた!おい待てちょっとこっちの話を…
・・・・
そんなこんなで異世界に転生したのである…まぁ転生したらゴブリンになっていたのは予想外だった。
「…ギギィ(何でこんな事になってんだか)」
周りを見ても緑が生い茂る森の中、まぁゴブリンなんて森の中にいるイメージだもんな…多分。
「ギギィ…ギギ(とりあえずアレを使うか…ステータス)」
自己診断魔法「ステータス」を使うと目の前にゲームでよくあるようなウィンド画面が現れて自分の情報が書かれてある。
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名前、無し
種族、ゴブリン
レベル、1
HP、12
MP、0
ちから、5
ぼうぎょ、4
かしこさ、2
すばやさ、5
スキル
「森の賢者」レベル1
「愚者」レベル1
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このステータスって低いのか高いのかよくわからん。
まぁ絶対にかしこさは前世の頭の悪さが影響してるんだろうな…なんか悲しい。
「ギィ?ギギィ?(なんだこれ?森の賢者?)」
森の賢者の欄を指でタッチすると詳しい情報が表示される。
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「森の賢者」…ゴブリン保有のスキル、森の生活に必要な知識を持っている
一度食べた植物が有毒かどうかを忘れない
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「ギギィ?(それだけ?)」
森の生活に必要な知識って…一度食べた物が食えるかどうかが分かるだけのスキルって…マジでいらねぇ。
「ギィィ…ギィ?ギギ?(次は賢者…あれ?愚者?)」
見間違えかと思い目を擦ってからもう一度スキルの欄を確認する…やはりそこには愚者と書かれている。
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「愚者」…常識知らずの愚か者
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「ギギィィ!(やかましいんだゴルァ!)」
愚者のスキルを調べてそこに書かれている詳細を見て感じた理不尽な感情を地面に落ちていた枝を地面に叩きつけて発散する。
本当にどのスキルも使いもんにならない!異世界転生は俺Tueeeがお約束って奴じゃないのか!
「…ギィギィ(…とりあえず腹が減ったな)」
転生直後だからかなんか妙な空腹を感じて辺りを見回す。
よくわからない草やキノコや木の実や果物…いきなりよくわからん草やキノコを口にする度胸は俺にはない。
木の実も稀に有毒な物があるから少し不安だしな…果物なら少なくとも俺の知る限り有毒の物は無かったはず。
木を登って明るい紫色のブドウのような果物を毟り取り地面に降りる。
「…ギィィ?(…食えるよな?)」
前世の常識がここでも通用するのかわからないがそんなこと言ったら何も食べれない。
房から一粒取って一思いに食べる。
「…ギィィ(…美味い)」
前世で食べたブドウより甘みが強くて噛むと果汁が溢れ出る、皮も飴みたいに口の中で直ぐに溶けて全然気にならない。
だが果物を食べたせいか余計にお腹が減ったような気がする。
「ギギィ…ギギィ(とりあえず地味な色のキノコなら無毒だろう…派手な色のキノコは毒らしいからな)」
倒木を調べてると何種類かのキノコを見つける。
「ギギィ(生で食べるのは嫌だけど仕方ねぇよな)」
適当な奴を手に取って端っこだけ少しだけ食べる…途端にお腹がギュルルという音とズキズキとお腹が痛くなる。
これはダメなんかよ!
お腹を抱えて転げ回る、開きっぱなしのウィンドウのHPの数字が減っていくのが見える。
『毒の抵抗に成功しました、毒性食物耐性のスキルを獲得しました』
このままじゃヤバイと思ってると頭に機械音声のような声がしてHPの減少が止まる。
「ギギィィ…(残り体力6ってヤバかった…)」
まだ少し痛むお腹を抑えながら立ち上がりスキルの欄を見るとそこには「毒性食物耐性」の文字が追加されていた。
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「毒性食物耐性」…毒性のある食物に対しての絶対耐性を持つ
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また使えるか使えないか分からんスキルが増えた…まぁこれからは内心ビクビクしながら食べ物を食べる必要はなくなったのは大きいか。
流石に今の状態のままキノコ類を食べる勇気は無く確実に食べれるブドウのような果実を食べて少しでも腹を満たす。
HPを確認するとゆっくりだが数値が回復してきてる。
「ギギィ…ギギィ(腹が満たされると回復するのか…ただの自然回復か)」
完全回復してからまた同じキノコを端っこだけ食べる…今度は何の問題もなく食べられた。
苦味の中にキノコ特有の味と香りが口の中に広がる…やはりキノコは生で食べても美味しくないな。
俺もあの有名な配管工のキャラクターのように生のキノコを美味そうに食べれるほどのキノコ好きなら良かったのに…。
採取したキノコが食用かそうでないかを知るために全種類食べる…三分の一しか食用のキノコが無かったけど悲しくなんてないもん。
愚者とか酷い…(´;ω;`)