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夜営地での夜

 夕方になるとオレ達の馬車は、なんとか今夜の野営地に辿り着くことが出来ていた。


 流石にワイバーンは一度きりだったが、熊の魔物やロックゴーレムは何度か出てきていて、やはり危険なんだと痛感している。


  野営地は山の中腹にある開けた場所にあった。


 見晴らしがいいことと近くに湧き水の流れる小川があることから、このルートの山越えの夜営地になってるらしく他にも馬車や旅人が結構居る。


「そういえばこういう場所で泊まるの初めてなんだよね」


 全部で五十人は居るだろうか?


 オレ達と伯爵様に冒険者で二十人は居るので、他はそう大人数の人達は居ないらしいが、商隊を組む人達の馬車と護衛がほとんどみたいだ。


「馬車は固めるのですね」


「ええ。今回のような野営地で一緒になった場合は、出来る限り協力する事が多いようです。もちろん身元の怪しい人は別ですが」


 オレ達の馬車を含めて十台ほどある馬車は、一ヶ所に固められて護衛の冒険者達が協力して守るのがルールらしい。


 下手にバラバラに護衛して魔物に襲われて、連携が取れずに殺られると言うことが最悪なのだろう。


 まあ最悪は馬車を捨てて逃げるらしいので、馬車は進路を塞がぬようにとも纏められるようだが。


「ねえ! なんで中が広くなったの!?」


「この馬車は元々野営用にと改良した物ですので」


 ただオレ達のキャンピング馬車はやはりこの辺りでは珍しいらしく、クリスティーナ様は魔法でも使ったのかと思った程に驚いていた。


 他にも周りの馬車の人達がいきなり横に広がった馬車に、目を白黒させていたのが面白い。


 まあ伯爵様の馬車だと他の人は思ったようで、今回は深く追求なんかはされなかったけどね。


 オレ達も馬を休ませて水や飼い葉を与えて夕食の支度をすることにして、野営地のあちこちからは食事の支度をする煙が上がるのを見ながら兵士達と協力して準備をする。


 他の人達は夜が怖いようでもあるけど、不謹慎ながらオレは若干キャンプにでも来たような気分になっちゃうよ。


 夕食は途中で冒険者の人達が仕留めた鹿の魔物の肉をスープや焼いて食べるようだけど、冒険者の人達の中にはやはり干し肉とパンで終わる人も少なくないみたい。





「明るいわ。本当に凄い馬車」


 食事は手早く済ませて兵士達は地面に厚手の布を布団代わりに寝るようで、伯爵様は自身の馬車だけどクリスティーナ様とメアリーさんはうちの馬車で寝るみたい。


 本当は寝るには狭いので伯爵様の馬車に行くつもりだったみたいだけど、広げると少し密着すれば普通に大人六人に子供一人は寝られるんだよね。


「あの、私が床で寝ますから」


「いえ私が」


「オレでいいって」


「あんた達。別にみんなで寝ればいいじゃない」


「私もそう思う」


「そうね。メアリー。みんなで寝ればいいわ」


 ただ夜になり問題になったのは誰が何処で寝るかだった。


 ベッドは大きなソファーベッドが一つしかないのでみんなで寝られるんだけど、メアリーさんが自分は床でいいと言い出すとエルもならば自分がって言い始めちゃって。


 オレも女性を床で寝せるなら自分がベッドで寝るのは気が引けるので、そこに加わるとジュリアとケティとクリスティーナ様に呆れたように止められたよ。


 結局みんなで密着してベッドで寝ることにした。


 うちのアンドロイド達はみんな寝相がいいから問題ないんだよね。


 多少オレの精神が消耗するかもしれないけど。



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