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ファンタジー世界に宇宙要塞でやって来ました  作者: 横蛍・戦国要塞、10巻まで発売中です!
馬車の旅(仮)

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 宴は村の中央広場で行われていた。


 中央には大きなたき火が焚かれていてその炎を明かりにしての宴だ。


 肉は昼に狩った魔物の群れの動物型の魔物のもので伯爵様は全て村に提供したので、ついさっきまで村では魔物の解体が村人総出で行われていたほどだ。


 干し肉にしたりもしたようだが討伐隊が散り散りになった魔物の群れの掃討で狩った肉も追加され始めると、量が量だけに処理しきれないほどで伯爵様とオレ達にせめてものお礼として村人が開いてくれた宴だった。


 討伐隊の方も一部は見張り要員として酒は禁じられたが肉はみんなに振る舞われることになり、村の中央広場は肉と人で溢れている。


「何の肉か分からないけど美味しいじゃない」


 たき火や村長さんの家の台所で次々に焼かれては運ばれてくる肉は瞬く間に宴に参加してる人々の胃袋に消えていき、オーガ討伐と村が助かった喜びに酔いしれる。


 味付けはシンプルに塩と何かの香草が少しかかった物だが香ばしい焼き目に肉のうま味があればそれだけで十分美味い。


 なんとなく日本の焼き鳥を思い出すような味でシンプルだが止まらない味と言える。


 食べなれた肉の味もあれば初めての味もあるが不思議と肉の焼けた匂いと噛むと口の中に広がる食感やうま味に塩分は飽きることなく食が進む。


 酒はワインに蜂蜜酒とエールがあるが一番美味いというかオレに合うのはワインかもしれない。


  エールは少し温いし蜂蜜酒は甘いので少し肉の油が残る口の中を中和するような赤ワインが一番合う気がするね。


 アルコールの酔いも心地よく満腹感を感じてもまだ飲みたくなり食べたくなるのは久々だ。


「お姉ちゃん達! 村をありがとう!」


「オレ大きくなったらお姉ちゃん達みたいに強くなるんだ!」


 これほどの肉は村ではご馳走なんだろう。


 嬉しそうに我先にと肉にかぶり付く子供達の姿は伯爵様や冒険者にオレ達の元へと行ったり来たりしながら騒いでるが、特に人気なのは伯爵様とジュリアだ。


 伯爵様は雷撃の槍でオーガを倒した姿が村長さんの家の窓から見えたようだし、ジュリアはオーガの足を切り落としたり昼間の襲撃の時に人並み外れたスピードで走り出した姿が村人にも見えていたからだろうね。


 魔物の群れと村はまだそれなりに距離があったので戦った姿は見られてないけど、見られていたらジュリアは新たな勇者にでもされていた気がするよ。




「クリスティーナ様。大丈夫ですか?」


「だいじょうぶですわ! 私はもうりっぱなれでぃなのれすもの!」


 そしてオレ達の隣で肉を食べて蜂蜜酒を飲んでいたクリスティーナ様は最初こそ優雅に食べていたが、蜂蜜酒の酔いが回ったのか次第に肉にかぶり付くようになると何故か村人や冒険者達を喜ばせた。


 伯爵様は少し困った様子ながらも止めぬところを見ると素はこっちなのかもしれない。


 実際伯爵様も肉はかぶり付いているし討伐隊の責任者として来た領主の三男という男性も同様だ。


 この国の貴族がどうなっているのか知らないが、案外領主一家も領地の祭りや今回のような宴には一緒に参加して楽しむような身近な貴族も結構いるのかもしれないな。



「そうですね。立派なレディならばこそ子供の模範になる為に飲みすぎはいけませんよ」


 流石に飲みすぎで呂律が回らなくなり始めてるクリスティーナ様を心配して、上手く言いくるめて何杯目か分からぬ蜂蜜酒を取り上げることに成功する。


 あまり人付き合いは得意ではなかったけど子供は嫌いじゃないんだよね。


 同時に幼い頃に両親に妹が欲しいとワガママを言ったことをふと思い出してしまったせいか、クリスティーナ様を少し妹のように扱ってしまい気が付くと周りから視線を集めてしまったが。


 少し恥ずかしくなり酔い醒ましを兼ねてロボとブランカの顔を見に村長さんの家に来たけど、月明かりが差し込む部屋でまだ寝てる二匹を眺めながら外の賑わいを聞いているのも悪くはない。


 ずっとこんな日々が続けばいいなと願いながらしばらく眠る二匹を眺めていた。



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