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新たなる旅立ち

「本当に何もないわね。私達も飛んでいかない?」


 ジョニーさんとオレ達はビックリするくらい多くの町の人達に見送られての出発だった。


 ありがとうとお礼を言われるばかりか、また来てと言われ涙ぐむ人も居たほどの出発にはオレ達もジョニーさんも少し驚いた程だ。


 町が見えなくなるとジョニーさんはシューティングスター号で空の彼方へと消えていき、オレ達の目の前に広がったのは何処までも続くような大自然。


 ジョニーさんからヴェネーゼに来るまでの話としていろいろ聞いていたが、本当に人の領域と敵性生命体の領域の狭間なんだと思い知らされる。


 馬車は馬も普通の馬ではない有機アンドロイドなため賢く轍のある街道沿いに進むように頼むと御者も必要ないほどだ。


 まあ街道と言っても馬車が走った轍に人が踏み締めただけの道なので気を付けないと迷子になりそうな程だし、恐らく普通の馬車ならばデコボコとした道の揺れで座ってるのも大変なのかもしれないがそこはSF技術のスーパー馬車なだけにオレ達は快適だった。


 尤もジュリアは早くも暇を持て余し始めているが。


「ゆっくり行こうよ。ゆっくり」


「そうよ。ジュリア」


 オレは暇なこともあり先程からカレーを作り煮込んでいるしエルは先日買った本を読んでいて、ケティは要塞シルバーンから新しいこの惑星の薬の作り方を取り寄せて薬を作っている。


 ある意味じっとしてるのが苦手なジュリアだけが手持ち無沙汰なようだった。


「魔物でも出ないかねぇ」


「魔物で思い出したけどこの惑星にレベルとスキルなんて概念まであるとはね」


 ジュリアは暇潰しに敵性生命体でも出ないかとぼやく程暇なようだが、そんなジュリアの言葉にオレはアンドロイド達が集めた惑星の最新情報を思い出す。


 実はここの人々にはレベルとスキルという概念があり、それを測るマジックアイテムまであるらしい。


 流石に敵性生命体たる魔物を倒すだけで自動でレベルが上がり強くなる訳ではないようだが、調査研究部の研究では魔物の持つマイナス因子の力をこの惑星の知的生命体は自らに取り込みプラス因子の力に変換することで人の肉体を超える強さを得る下地が出来るようだと報告があった。


 実際に強くなるには訓練や実戦経験での地道な積み重ねが必要だが、敵性生命体を倒さねば人の限界などたかが知れてるので敵性生命体を倒してプラス因子の力を手に入れなくてはならないらしい。


 スキルに関してはその生命体の技能を測るようであるが、こちらも敵性生命体を倒して限界値や才能を上げているのではとも推測される。


 調査研究部の報告で衝撃だったのは、恐らくオレやアンドロイドもプラス因子の力を手に入れればより強くなれる可能性もあるとの報告もありジュリアやジョニーさんはちょっと興奮してたっけ?


「アタシのレベルは幾つかね? 次の町で調べて貰おうかしら?」


「問題なのはそのマジックアイテム一般には売ってないんだよな。貴族と教会と各ギルドくらいしか持ってないんだってさ。権力のある人が独占してる。ジュリアの力なんか知られたら厄介事が増えそうで困るよ」


 アンドロイド達はレベルとスキルを調べるマジックアイテムの入手を考えているが、問題なのは一般には販売されてないことでまさか盗む訳にもいかないので現段階では手に入れてない。


 高価で一般には必要ないとも言えるし力や才能がある人を権力者が把握することも目的なんだろうし、他の一般人が力や才能ある人材を集めることも警戒しているのかもしれない。


「もしかしたらアタシ達の前にも他の世界から来た奴居るんじゃないの?」


「そうかもな。王様にでもなった奴の一人や二人は居そうだな」


 まるでゲームみたいな便利なマジックアイテムにジュリアはオレ達以外の他の世界から来た存在について指摘したが、それは十分あり得ることだし探してみたら案外痕跡くらいは見つけられるかもしれない。


 ただ貴族や王様にはオレは頼まれても御免だけどね。




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