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騒乱の後に

 オレ達が帝都に到着すると、帝都は大騒ぎになっていた。


 すでに帝都は皇帝の元に掌握されていて、幾つもの貴族が捕らえられたらしいけど、オレ達にはあまり関係ない。


「母上ー!」


「よく無事に戻りましたね。ミレーユ」


 サミラス艦隊は帝都にある軍の基地に着陸すると、ジョニーさん率いる近衛兵に迎えられた。というかあのジョニーさんが、大将軍なんて役職になってて笑えたね。


「それにしても、まさか戦場に連れてきてたなんて。君達大胆だね」


「手元に置くのが一番安全だと判断したんですよ。殿下。勇者様の船ですからね」


 ただ帝国軍が総力を上げて探していたミレーユ様が、サミラス皇子と共に現れた影響は大きい。


 サミラス皇子自身ですら驚いていたが、周りはミレーユ様を守り匿っていたのはサミラス皇子だと判断したようで、それを利用して公式発表にするらしい。


 病で床にふせっていた皇帝が復権してバルバドス皇子とその支持者が捕らえられたのは、長い帝国の歴史でも稀な事件として歴史に残るみたい。


 オレ達は流されるまま皇宮まで来ちゃったけど、来る意味あったのかね?


 ミレーユ様は今までは寂しさや涙を見せなかったけど、やはり母親に会いたかったのだろう。再会すると涙ながらに抱き合い喜んでる。


「そなたがもう一人の強き光を持つ者か?」


「はい?」


「ミレーユの母のマリオンは、人に見えぬモノが見えるのだ。勇者と共にありミレーユを守ってくれたこと深く感謝する」


 まだ一件落着とはいかないけど、ミレーユ様を両親に会わせたことで、オレ達のミッションは終わりだと思う。


 面倒な事に巻き込まれる前に帰ろうかと考えてたら、皇帝から声を掛けられた。


 そういやジョニーさんにもそんな事言ってたね。そもそも強き光って何なのさ。


「強き光とは、神の祝福を得た者のこと。世界を越えて選ばれし者。ある者は勇者となり、ある者は王となり、またある者は学者や商人になりました。私は元々ダークエルフ族の巫女なのです。強き光を持つ者が見えるのです」


 えーと。ミレーユ様のお母さん。心が読めるの?心が読めるならそう言うことは、エルに匹敵するような大きな胸に仕舞っておいて。オレを勇者様の召し使いにでも、しといて欲しいんだが。


「バルバドス殿下の船から、逃げ出した者が一人居ます。何処に行ったか分かります?」


「かの者はすでに、この世界には居ません。己が生まれた世界に戻ったようです」


 でも凄いな。人間センサーみたいな人だ。仕組みを解析させて欲しいけど無理だろうね。王様の側室みたいだし。


「かの者は悪魔ベリアル。魔族の中では穏和な者です。バルバドス皇子が亡くなった以上、害はないでしょう」


「兄さんは亡くなったのか」


 逃げられたのはやはり魔族か。そしてバルバドス皇子は亡くなったと。最後の化け物が多分バルバドス皇子なんだろうね。


 魔族は気になるけど、この世界に居ないならどうしようもない。


 さて報告も終わったし、騒ぎになる前にミレーユ様とお別れして皇宮を出ようか。


 そろそろロボとブランカの散歩の時間だしね。



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― 新着の感想 ―
[一言] お母さんの方が優秀だな さっさと科学やアンドロイドのみを信じるといった見栄を張らず教えをこえよ
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