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帝国争乱?・その十

「殿下。いろいろ勝手な行動をして申し訳ありません」


「気にしなくていいよ。味方に犠牲はないし、急な協力でお互い苦労したのは分かってる。というかあの邪竜を倒したの君達だよね?」


「はい。全ては空の勇者の力です」


「……気のせいかもしれないけど、全部勇者殿の功績にしてしまえとか思ってない? 煩わしい名誉なんか要らないからって」


「そんなこと考えてません。事実を述べただけです」


 そのままサミラス皇子と軍の将軍と、オレとエルは話をしていたけど、サミラス皇子にこちらの思惑が少し見抜かれたみたいでビックリ。


「ふーん。まあ、そういうことにしておくよ。正直、僕も誰かに帝位と功績譲りたいくらいだけど」


「殿下」


「分かってる。でも誰もが地位や名誉を望む訳じゃないんだよ。将軍」


 なんだろう。ひどく親近感がある皇子だ。見抜かれたのはそれが原因か? 程々の生活に満足するなんて変わった皇子だ。


「失礼します殿下。これを……」


「これ兄さんの物だよね? 何処にあったの?」


「最後に襲いかかって来た、化け物の残骸に混じってました」


 ただこの人はこれからが大変なんだよね。


 さっそくバルバドス艦隊や邪神竜と化け物の調査をしていた兵から報告が上がったみたいだけど、最後の化け物がバルバドス皇子の物を持ってたか。これって……。


「化け物に食われたか、化け物になったか。それとも逃げたか。真相は闇の中ってことかな。公式には兄さんはクーデターを企てて失敗。皇子の地位を剥奪されて、地方で軟禁ってとこか」


「他の者共々行方不明ですが、追っ手を放ちますか?」


「不要だろう。あの人数だ。生きていればすぐに消息が掴める。戦闘が始まる頃には船に居た可能性が高い以上は、恐らく邪竜を呼び出す生け贄にでもされたんだろう」


 サミラス皇子はバルバドス皇子の生死の確認を、あまり重要視してないみたい。


 まあ城から出たことのない皇子が一人で生きていけるとはあまり思えないし、政治的には死んだも同然だからな。


「殿下。差し支えなければ邪竜と最後の化け物の肉片か何か頂けないでしょうか。こちらでも調査したいので」


「ああ。いいよ。何か分かったら教えてね」


「はい。現状では魔族かそれに近い者が、撃墜した船から転移魔法で逃げた形跡は掴んでます。それとあの竜が邪神竜の可能性があります」


「魔族か。兄さん、魔族と何してたんだか。邪神竜の件はとりあえず後で事実を確認しよう。今は帝都に急がないと。勇者殿も居るし大丈夫だと思うけどね」


 オレとしては不気味なバルバドス皇子の生死を、はっきりさせたいけどね。こちらの偵察機の情報でバルバドス皇子が、あの旗艦に乗っていたのは確認してる。まあ、十中八九生きてないだろうけどさ。


 それにしても逃げられたのが痛いね。


 変な時間を与えないで邪神竜と一緒に仕留めれば良かった。


 そもそもリアルで戦闘指揮なんて今までしたことないし。犠牲が出なくて本当良かったよ。


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