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サルベージ・その三

「音速魚雷命中! しかしスピードは落ちましたが、依然としてこちらに迫ってます」


「やっぱ火力不足か?」


「ダメージを与えられたのならば問題ないかと」


「シューティングスター及び駆逐艦。音速魚雷発射しました!」


 流石にファンタジーの竜だけに通常の魚雷では倒しきれなかったか。


 でもダメージがあるなら、数を撃てばいいだけなんだよね。


 ジョニーさんも一発ずつ発射して試していたみたいだけど、当たるならば問題ないと判断したようで駆逐艦と合わせて十本以上の魚雷を撃った。


 レーダーに映る海竜に十本以上の魚雷が一気に迫っていく。


「魚雷命中しました! こちらに迫っていた海竜二体進行を停止」


 うん。ここで妙なフラグを立てるような台詞は言わないよ?


 ジョニーさんなら言ってるかもしれないけど。


「今のうちに船を引き揚げちゃおう」


「了解しました。海竜は如何しましょう? 生体反応は消えましたが」


「倒したのなら回収するか。一体は船と一緒に工作艦で回収して宇宙に持っていって、もう一体はこの輸送機で回収して」


 やっぱり数は力だね。


 実は超音速の核弾頭魚雷も持ってきてたんだけど、使わずに済んで良かった。


 ゲームだと通常は核兵器は条約で使えない設定なんだけと、この惑星に核兵器を禁止する条約なんてないしね。


 一応純粋水爆なんで、環境への影響は少ないタイプらしいけどさ。


「やったわ!」


「おお! あれが海竜か!」


  機内は海竜を倒したことでお祭り騒ぎになってる。


 海面に浮上して来た海竜を牽引ビームで回収すると、みんな大騒ぎだ。


 海竜自体はいわゆる西洋竜に近い姿をしていて、かなりの巨体みたい。


 十メートルは軽く超えるサイズだね。


「あー! 私の船! あんなにボロボロになって……」


 そんな海竜の回収が終わる頃になると、死神さんの船が海面に浮上してくる。


 見た目は映画やアニメに出てくる海賊船そのものだね。


 宇宙船なのに帆船の形をしていて、帆には大きなドクロが描かれてるよ。


 リアルに海賊が居るこの世界じゃ使えないデザインだけど。


 船体には大きな穴が空いていて、多分あれがゲームでジョニーさんが特攻した跡だろう。


「司令。新たな海竜がまた接近してます」


「作戦終了。現海域を離脱しよう」


「了解しました」


 なんとか死神さんの船のサルベージが終わった。


 死神さんの船と海竜を一体回収した工作艦と駆逐艦は、そのまま宇宙に上げて海竜は宇宙要塞で調査させよう。


 今までもジョニーさんが倒した竜とか調査したみたいだし、何か役に立つかもしれないしね。


「ジョニーさん。海竜一体要ります?」


「要らねえよ。あんなもんどうすんだよ」


「じゃあ、マルク君に宿代の代わりにあげていいですか?」


「あー、そうだな。こいつにも世話になったし、それでいいな」


「ジョニーさん? アレックスさん? 海竜一体幾らするか分かってます!? 宿代どころか帝都に大きな屋敷が買えますよ!」


 もう一体の海竜は輸送機の中に入りそうもないので、ぶら下げたまま帝都に向かってるけど、ジョニーさんと相談して了解を得られたしマルク君にあげることにしよう。


「口止め料込みということであげるよ。出来れば今日見たことは、他では話さないで欲しいからね」


「商人は信用第一ですから話しませんよ。それに傷付いてますが、あのサイズの海竜なんて帝都に持ち込めばどうなるか」


「ジョニーさんが倒したんだし大丈夫でしょ。最近も竜を倒したみたいだしさ」


「ですが……」


 マルク君は興味本意で今日付いてきたみたいで、まさかの流れに戸惑っちゃったよ。


 でもうちに海竜が二体もあってもね。


 宇宙に上げた一体だって調査に少し使う以外は、使い道あんまりないしさ。


 いろいろ知られたから、口止め料代わりにマルク君にあげちゃおう。



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