表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/214

帝都でのジョニー

「なんだ、てめえ。邪魔する気か!」


 帝都は活気に溢れて人々の顔も明るいが、そんな帝都をマルクという好青年に案内されるまま歩いていたら、目の前で若い女の人を囲むようなゴロツキ達が居た。


 若い女の人はどっかの商会かなんかで働いてる人のようで荷物を運んでいたらしいが、ゴロツキにぶつかってしまい因縁をつけられているらしい。


「ちょっとぶつかったくらいで、ガタガタさわぐんじゃねえよ」


 周りでは遠巻きに見てるだけの人々が居る中、颯爽と割り込んだのはジョニーさんだ。


 本当手慣れてらっしゃる。


 ジョニーさんは怯える若い女の前に行くと、優しく手を差し伸べると立ち上がらせてるよ


「……てめえ。死にてえのか?」


「死なんて言葉、気安く使うなっつうの。今時チンピラくらいだぜ。そんな陳腐な言葉使うの」


「ぶっ殺す!!」


 しかも若い女の荷物まで拾ってやると、ゴロツキどもを見下すように挑発してるし。


 あ~あ。単純なゴロツキがジョニーさんの挑発に、片手剣で斬りかかっちゃった。


 ジョニーさん一見すると丸腰で、武器らしい武器持ってないからな。


 でもまあ、あの程度のゴロツキに武器は要るはずもない。


 ゴロツキの片手剣を左手の親指と人差し指で挟むように受け止めると、ゴロツキを殴り飛ばしていた。


「こんなオモチャ使うの十年はええよ」


 しかも受け止めた片手剣を、親指と人差し指でポッキリと折っちゃうし。


 ジョニーさんったらいつの間にか、世紀末の覇者にでもなろうとしてるんだろうか。


 明らかに前より戦い慣れてる。


「てめえ。こんなことしてただで済むと……」


「あいつバカだな。あの男って空の勇者だろ?」


「マジか!? あいつが!」


「ああ。サウスタウンが火竜に襲われた時に、助けてくれた人だよ。オレ直接見たんだぜ」


「火竜だと!?」


 ゴロツキどもは次々にジョニーさんに殴られ尻餅をつきながら睨むが、周りを囲んでいた群衆がジョニーさんに気付いたらしい。


 というかジョニーさん。


 遺跡を出た後にも、また勇者してたんだね。


 どうりで町の外でも気付かれた訳だ。


「さてと、お前らどうしてくれようか。逃がすとまたろくでもねえことするだろ?」


「勇者だと……馬鹿な。丸腰じゃねえか」


「武器はあるぜ。お前らごときに使うまでもなかったが。試してやろうか?」


 もう完全にジョニーさんの独壇場だ。


  うちのお嬢様達と村のみんなは、ジョニーさんの勇者らしい姿に感激しながら見てるし。


 結局ゴロツキどもは騒ぎを聞き付けた衛兵に連行されて行ったけど、助けられた女の人は少し熱っぽい表情でジョニーさんにお礼を言ってる。


 お礼に是非、家に来てくださいとか言われてるし。


 これは惚れられたね。


 しかもよく見ると周りを囲んでいた群衆の中の女性達も熱い視線をジョニーさんに向けてる。


 うーん、ジョニーさん。


 異世界をエンジョイしてるね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ