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閑話・ジョニー。賞金首になる

「へへへ。空の勇者様もここじゃ形無しだな。自慢の船も呼べねえだろ」


 穴の中に籠るのも飽きたんで、気の向くまま風の向くまま旅に戻ったんだが、妙な連中に狙われるようになっちまったぜ。


 ある町で知らねえ女に助けを求められたんで付いて行ってみりゃあ、がらの悪い連中の団体だったってお決まりのパターンだな。


 スラムにある地下室で十人くらいは相手が居るだろうか。


 女は部屋に入るなり、連中の頭目らしき野郎の元に走って行きやがった。


 まあ初めから罠なのは分かっていたがな。


 女には助けを求める悲壮さも必死さもなかったしよ。


「誰に幾らで頼まれた?」


「てめえが知ることじゃねえよ! 丸腰で油断してるバカの癖によう」


 どうでもいいが相変わらず臭せえな。


 なんでこうがらの悪い連中は臭えんだ?


「もういい。しゃべるな。臭せえから」


「野郎……。やっちまえ!」


 バカはそっちだっつうの。


 たいして広くもねえ地下室に、十人も居りゃあ満足に戦えねえだろうが。


 レーザーガンで魔法使いを先に始末したら、接近して来た奴等をレーザーサーベルで斬り捨てていく。


「けっ剣が!」


「腕があああ!」


 バカめ。敵の武器も知らねえ癖に、ナマクラで受けようとするからそうなるんだ。


 ドラゴンすら斬り裂いたレーザーサーベルなめんなよ!


「バカな……」


「助けて! 私は脅されてただけなの!」


 地下室に居やがった十人のうち、残りは頭目とオレを騙した女だ。


 この世界に来て殺れる時に殺らねえと後悔するのを学んだ。


 オレは構わねえよ。


 でもクズは弱いやつを食い物にするんだ。


 オレの仏心が真っ当に生きる奴の幸せを奪うのだけは、しちゃいけねって思うようになった。


「アハハ。バカな……おと……こ」


 騙した女はこちらに走ってきて、抱きつくように助けを求めたが、女が小さなナイフを隠してるの気付かねえと思ったのかね?


 悪いがパイロットスーツにちゃちな刃物は通らねえんだよ。


 せめてもの情けだ。急所を一撃で終わらせてやった。


「さて。最後にもう一度聞く。誰に頼まれた?」


「やっ、闇ギルドだ! 町外れにある酒場が闇ギルドの根城だ! あとは知らねえ! 誰かがあんたに金貨百枚の賞金を掛けたんだよ!」


「闇ギルド?」


「嘘じゃねえ! ちょっとでけえ町には何処にでもある犯罪ギルドだ! それなりに他の町の闇ギルドと繋がってるらしいから、依頼人が何処のどいつかは知らねえ!」


「そうか」


「助けてくれ!」


「お前。今までその台詞言った奴の願い、聞いたことあるのか?」


「くっそおお! 死ね!」


 バカが。


 しかし闇ギルドか。


 オルボアか? いや決め付けるのは早いな。


 まあ相手が誰であれ、相手が嫌がるのはオレが旅をすることだろう。


 ならオレは旅を続けるだけだ。



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