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第三話 地下帝国の鳥頭

 ここは地下帝国。

 山の中腹にある階段から五十メートルほど下ると一気に大きな空間になる。広さは約二キロ四方、天井の高さは二十メートルはある。

 その入り口には数人の人影。


「は~、広いな~。これを鳥頭どもは作れたのか」


 一人目はランスロット。


「にゃはは。モグラだから地面を掘るのは得意なんだにゃー」


 二人目はガブリエル。


「なぜ私がついてこなくてはいけなかったんだ?」


 三人目はルシフェル。

 この三人で交渉、及び決裂したときの戦闘、奴隷になっている人間の救出を行う。


「さてと、指令部はどこかな~?」


「一番奥の高い建物にゃー。バカと煙と鳥は高いところが好きだけど、モグラも高いところが好きみたいだにゃー」


「だから私が連れてこられた理由をだな……」


 三者三様、言いたいことを言っている。


「あーもー、ルシちゃんうるさいにゃー!」


「だから連れてこられた理由を!」


「わかったわかった。ルシフェルをつれてきた理由は、戦闘要員及び救出の補助だ。後は魔法による各種補助だ」


「なるほど、わかった。任せてくれ」


「さてと。さっさと脅は……、もとい奴れ……、もとい停戦交渉と行きますか」


「にゃはは。ルシちゃんもモグラを騙して不利な条件を飲ませまくるキャバ嬢になるにゃ!」


「ゴミだな」


 もう定型文化しているルシフェルの突っ込み。


ーーーーーーーーーー


「ここが指令部にゃ。お邪魔しまーすにゃ」


 ガブリエルの足がドアをしなるように蹴り破る。


「お邪魔しまーす」


 ランスロットがそばにいた門番二人をのして中に投げ込む。


「ゴミだな」


 ルシフェルはそう突っ込みながらも結界で逃げ道を無くしている。


「さてと。カモメに水兵さんがいるけど、モグラには陸軍将校さんがいるのかな~?」


「にゃはは。奴等の頭じゃ守れる陣地も守れなくなるにゃ」


 ちゃっちゃと二人で指令部を制圧及び掃除しながら軽口を叩き合う。

 ルシフェルは後ろで逃げようとしていた一人を絞めている。


 三分後。

 指令部の制圧は完了。

 三人の目の前には亀甲縛りされたドワーフ(女)の司令官。


「なにするのよ!ほどきなさい!」


「ひっひっひ。この停戦に合意しないとおっそろしいことになっちゃうぞ~」


 手をわきわきさせながらにじりよるランスロット。


「にゃっふっふ。さっさと判を押さないと、おっそろしいことになっちゃうにゃー」


「ゴミだな」


 二人のヤバい目をした奴等+後ろの怖い女の目に怯えきった司令官は泣く泣く判を押す。


ーーーーーーーーーー


「うわーん!怖かったよー!びえーん!」


 二人は既に奴隷の解放に向かっている。

 指令部にはドワーフの司令官とルシフェルだけが残っていた。


「すまないな。悪いやつらじゃ無いんだが、ドワーフのやることにすごく怒っていたんだ。ランスロットはドワーフに国を壊されているし、ガブリエルは仲良かった天使がドワーフの攻撃の余波で死んでしまったんだよ」


 優しく縄をほどきながらルシフェルが話を聞かせる。


「ところでお前の名前は何て言うんだ?」


「ぐすっ、私の名前は、ひっく、アーリヤ・ベルシュタインです。ぐすっ」


「そうか。私の名前はルシフェルと言うんだ。停戦したからこれからは敵ではない。よろしく頼むぞ」


「はい、ルシフェルお姉さま!」


「お姉さま!?」


 実は、本人に自覚はないがルシフェルは変な人に好かれる傾向があった。ランスロットとかガブリエルとかほかの大天使とか。


「まあいいや。それで、とりあえず契約書類を読んでくれ」


「わかりました!」


 1.現在捕らえられている人間の捕虜の解放。

 2.それによる資源不足を解消するための方法として、人間の希望者が金銭の対価の代わりにそれを行う。

 3.議会の中に相談役である人間を推薦する。

 4.恒久的な友好関係を結び、関税をかけない。

 5.現在までに死亡した捕虜の賠償として、遺族に金品を支払う。

 6.住民の家屋の中に、天使と人間は検閲の場合のみ無断で立ち入ることが出来る。

 7.税金は金額を人間が指定し、滞納者は人間の法によって裁かれる。

 8.ドワーフ政府の収入の30%を毎月人間に納入する。


「何ですの、これは!」


 このあとも9、10と続き、その数は50を越える。


「いや、ランスロットによるとドワーフは最初の方しか読まないから不利な条件を飲ませやすいといっていたぞ」


「正直言って三つ目までしか読んでいませんでしたわ……」


「大丈夫なのかドワーフ?」


 大丈夫じゃないからモグラとか鳥頭と呼ばれているんです。


 まあ良いですわ~、と呑気に言っているアーリヤを見ながらこの地下帝国は私がどうにかしよう、と決意するルシフェルであったとさ。

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