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29回目の失恋



「ごめんなさい。私、好きな人いるの」

残酷にもそう言い放った彼女の顔をぼんやりと見つめながら、俺は硬直したままつっ立っていた。



……男、笹本拓也16歳、フられましたっ!!


心の中で誰ともいえぬ何かに敬礼する。

数えて29回目の告白、そして29回目の失恋。


空はカンカンに晴れていて、雨を降らして悲しいムードを演出したり、花を散らして慰めのムードを演出してくれたりはしない。

こんな時だけ神様ってのは嫌味だ。


「えっと……じゃぁ、もう行くね。」


彫像みたいにフリーズしたままの俺を解凍することなく、彼女は去って行ってしまった。

追いかける根性もなく、そこら辺がつまんない男だなぁと自分の事を鼻で笑ってみたり。


16歳の俺は勉強もスポーツもソコソコこなせるし、顔も悪くないと思う。

大体の事はなんでも出来るけど、致命的な欠点が一つだけある。


そう、何を隠そう俺は、モテない。


小学4年生の時に大して甘酸っぱくもない初恋を経験してから早6年。


小学生の時に5回、中学生の時には23回。

中3の時に至っては女の子にマトモに相手すらしてもらえなかった。

何せ2ヶ月に一回以上のペースで告ってた訳だからネタだと思われてしまわれても文句は言えない。


「ちょっと冗談やめてよ〜」


これで終わり。


恋愛脳はプレイボーイと言えなくもないけど何せ俺はモテない。


モテないプレイボーイ。

笑えないね。


高1になっても4月の時点で一度フられるという始末。


もう一度自分を鼻で笑ってから俺は校舎と反対側の方向に歩き出した。






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