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報告

「そんなわけでそつなく終わった感じでした」


ここは家の近所のファミレス。

現在、僕はとある人物から連絡があってこの前のデートについて説明を求められている状況である。


「うーん、刺激になったかどうかはともかく良かったんじゃない?奏でも楽しそうにしてたみたいだし」


まぁとある人物って咲さんなんだけどね。デートの話を積極的に聞きたがる人なんて他にいないよね。


「何か久しぶりに気持ちを話せた気がしますよ。今回は強引にきっかけを作って貰ってありがとうございます」


「何か引っ掛かる言い方よねぇ。とりあえず派手に失敗してなくてホッとしたわ」


人の事どう思ってるんだろうかこの人は…

そもそもデートの報告を相手の母親にしてるこの状況が端からみると意味が分からな過ぎる。

だけどこの人無しでは今回の件は行き着かなかった所は素直に感謝しなくては。


「ともかくありがとうございました。感謝してるのは本当ですよ」


「私も奏のためだからね。別にお礼を言われることはしてないわ。それで今後はどうしていくつもりなの?」


「そうですね。学級委員で参加しないといけない業務とか試験勉強とかイベントは多々あるので声はかけるつもりですよ。今回みたいな報告会みたいなのはこれで最後のつもりです」


その言葉を聞いてツボに入ったのか咲さんは笑いながらこちらに返事をしてきた。


「確かに毎回報告会は困っちゃうわね。今回で最後なのが助かるわ。自発的に動いてくれるようになったみたいだし、お節介焼くのもやめにするよ」


「案外すんなり引きますね。正直もっと言われるものだと思ってましたよ」


咲さんの顔はさっきまでの顔とは一転して真面目な顔になった。


「そんなの顔見れば分かるわよ。真剣な顔して話してるんだから茶化すのは野暮だわ」


やっぱりかなわないな。大事な所できちんと話をしてくれるのは変わってない。


話はここで終わり咲さんと別れ、もう一人にデートの結果を報告するために移動することにした。











「お、お疲れ様」


「うん、お疲れ様。ごめんね部活終わりに呼び出しちゃって」


「あぁ、それは構わないよ。俺も正直気にはなってたし」


そう、もう一人とは悟の事だ。悟の方からは特段連絡が欲しいとかそういうやり取りは無かったんだけど、今回のためにめちゃくちゃ助けてくれたのに報告無しはあり得ないって事で僕が連絡したんだ。


「だよね。上手く行ったと思ってるよ。途中気まずくなったりしたけど良い雰囲気の時もあったし、伝えるべきことはきちんと伝えられたから本当に良かったと思ってる」


「そっか!それならいいんだ。後悔する結果にだけはなって欲しくなかったからな」


悟は爽やかに笑いながらこちらを労ってくれた。自分だって大変だったはずなのにその事は一切口に出さないんだから本当に頭が上がらないなぁ。


「悟には急に無理なお願いして悪かった。いつも本当にありがとう!」


「いやいや気にしなくていいよ。部活以外の競技に本気で取り組むのも面白かったし、小さい校内の大会とはいえ優勝出来たのは嬉しかったしさ」


「そうやって言って貰えるとこっちも救われるよ。ありがとう。ん?何か他に聞きたい事でも?」


ふと悟の表情を見た時、何か言いたそうな顔をしているが、話すか迷ってるみたいな顔をしていたのでこちらから問いかけてみた。


「んー、いやこれは聞くのは野暮かなと思ったんだけど」


「何でも聞いてよ。これだけお世話になっといて隠し事は無しだ」


「そっか、じゃ聞くけど結局二人の関係性はどういう状況になってるんだ?」


「関係性?」


「そうそう。さっき伝えるべきことはきちんと伝えられたって言ってたけど、最終的に付き合う事になったんかなって」


「あーー、そう言うことか!ごめん、結局そこまで話はいかなかったんだ」


悟の問いかけに自分が思わせぶりな事だけ言って結論を伝えてなかった事に気づいた。そりゃあんな言い方して上手くいったなんて言ったらそういうリアクションになるよ


「そうだったのか、深い意味は無かったんだけど前から知ってる二人だし、片方は人気もあるから噂話が出た時の 対応を…おっとこの話は余計だったな。すまん!」


「ううん、事実だから。万が一今回ので上手くいってたとしてもまた周りから色々言われるのは目に見えてたからね。気にしなくていいよ」


こちらが申し訳なくなるほど頭を下げる悟を慌ててフォローする。奏との格差は事実だからね。ただ…


「だけど今まで見たいに奏はすごいからって距離を置くつもりはないんだ」


その言葉が意外だったのかこちらの顔を思わず見てくる。そんな顔を見返しながら言葉を続ける


「確かに僕には才能は無いかもしれない。だけど努力すれば何かしら成果は出せることを今回ので改めて認識したんだ。だから決して距離を置かず、努力を続けてトライするつもりだよ。それで周りからも認めさせて見せるさ」


その言葉を聞いて悟はニヤッと笑った。


「変わったな。そんな面白い事一人でやらないで手伝わせてくれよ」


「悟…ありがとう!」


こんなワクワクする気持ちになるのはいつぶりだろう。

周りはなかなか変わらないと思う、だけど全てを知って助けてくれる友人が一人いるだけでこんなに救われるなんて。改めての感謝の気持ちを込めた握手に悟は強く握り返してくれたんだ。





読んで頂いてありがとうございます

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