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プロローグ
「私と君はこれから先もずっと一緒よ」
その言葉に僕が頷くと彼女は満面の笑みで返してくれた。あの頃の僕たちはとても仲が良くてケンカなど一度もしたことが無く、二人でいるのが当たり前だった。
そして僕はこの約束を守ろうと一生懸命努力した、いつまでも彼女の隣にいられるように。
しかし、一度の過ちが、僕の意地が全てを壊してしまった
その時から彼女は僕に本心を打ち明けてくれなくなった
二人で帰ることも無くなり、彼女の隣にいる機会も前よりずっと減ってしまった
しかし僕は
所詮子供の頃の約束だったと、いずれ離れていく運命だったと、都合の良い言い訳を自分に言い聞かせて過ちを犯してしまった日から何も変わろうとしていない。
その日を境に、大切な約束をして嬉しかったあの日の記憶は遠い過去の悲しい記憶に変わってしまった。
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