着包採寸
翌日の早朝五時。ルーチェが教室に駆け入ると、早速リーナが私の元へとやって来た。
「おはようございます、ルーチェさん」
「おはよう。リーナは朝早いですね」
「今日採寸だよね?」
「もちろん、ルーチェの着ぐるみ、白猫だもんね」
「暴露しないの!」
「暴露でも何でもないじゃない。先生に昨日読まれていたしね」
「それはそうだけど」
ルーチェは頭を掻いた。
『ブロンズクラスC、リーナ・アルフェウスさん。アンケート用紙を持ってこちらへどうぞ』
リーナが採寸係に呼ばれた。急いでアンケート用紙を持って隣の保健室へ行った。
「行ってらっしゃい」
そうリーナを送るルーチェ。その目はかなり輝いていた。『自分専用の着ぐるみ』という言葉が、頭の片隅を過ぎった。全く『自分専用の』というのは人聞きが良すぎる言葉だ。本当に、この学科に入学良かったのだろうか。正直疑問を抱く。
すると、
『ブロンズクラスC、ルーチェ・アンゼルゼンさん。アンケート用紙を持ってこちらへどうぞ』
と呼ばれた。しかしながらルーチェはそのままに静かに座っていた。
エドワードはルーチェの肩をぽんぽんと叩いた。
「ルーチェさん?」
「あああ、はいっ」
ルーチェは我に返った。
ルーチェは保健室に向かい、そのまま二時間を超える採寸を受けたという。