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第20回:長崎の商売人
無職のまま京都で食い詰めた龍馬は、タマに煮干しの質が落ちたと尻を叩かれ一発逆転を狙って長崎へと流れ着いた。最新の銃を手に入れるべく武器商人を訪ねたが相手は、海千山千の商人。龍馬に中身がボロボロの旧式銃を嘘の言葉で高値で売りつけようとしていた。
「坂本さん、これこそが異国の最新鋭。この値段は破格ですよ」
商人の甘い言葉を聞きながら龍馬は、懐のタマに煮干しをあげようとして袋ごと床にぶちまけてしまった。
「ああ、いかんいかん!」
慌てて机の下へ潜り込み煮干しを拾おうとした龍馬が勢いよく立ち上がった瞬間、その背中が重厚な商人机を真っ向から跳ね上げた。
ガシャーン!という轟音と共に、机上の最新式銃?が床に叩きつけられた。すると衝撃で銃身の塗装が剥がれ、中から商人が隠していた密輸金貨がバラバラと飛び出したのである。
「ひええっ! 密輸がバレる!」
商人は、龍馬がわざと銃を壊して不正を暴いたと勘違いして腰を抜かした。
「坂本さん、見逃してくれ! 代わりに本物の最新銃を二十挺、タダで差し上げます!」
懐のタマが、金貨を眺めて呟く。
「……わざと中身をバラすなんて、エグい交渉術だね。まあ、この男がそんな切れ者だったら苦労しないんだけどね」




