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第17回:操練所、解散する

池田屋事件の余波は、龍馬たちの運命を思わぬ方向へ運んだ。池田屋で斬られた志士の中に、あろうことか勝海舟の塾生が混じっていたのである。これが幕府の不信感を買い勝は罷免、海軍操練所の閉鎖が決定した。

「坂本、操練所は終わりだ。皆も、それぞれ故郷へ帰るなり好きにしろ」

勝の非情な宣告に塾生たちは、言葉を失った。中でも最も激しく動揺したのは龍馬である。絶望のあまり膝から崩れ落ちた彼は、這いつくばって勝の足元にしがみついた。

「……そんな、お師匠、待ってつかぁさい! 終わりなんて言わんといてください! わしゃあ、これからどうして食っていけばええんですか……!」

龍馬は情けなく泣きじゃくりながら「仕事がなくなって路頭に迷うのが怖い」という本心をぶちまけた。だが、その必死の形相が周囲の塾生たちの耳には全く別の意味に響いた。

「……坂本さんは、ついに日本の枠組みを超え世界へ羽ばたく覚悟を決めたのか!」

勝までもが「……坂本、おめえの目はもう先を見てるんだな」と勝手に感銘を受ける始末。

懐の中でタマは、鼻をかむ龍馬の袖を避けながら溜息をついた。

「……ただ無職になるのが怖いだけなのにね。一緒にバイトでも探そうか?近所の煮干し屋さんに求人出てたんだけど、どうかな?」

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