表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 秘めた想い 〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/78

③.嘘か真か

2日後、レオンハルトの父がリアーナの状況を聞き様子を見に領地から王都の屋敷へと来ていた。


どうやらリアーナのかけられた術は領民と仲違いしたレオンハルトの父を恨み、次期領主である息子のレオンハルトを狙った領民の犯行だったことが分かり、その経緯の説明と謝罪を彼の父からリアーナは受けた。


何かを失うという術も数ヶ月で自然と消えると、捕まえた犯人が供述したと隣にいるレオンハルトが説明した。


リアーナは謝罪を受け入れ、そして彼の父からもこのまま屋敷にいて構わないと言われ、当分はこのままレオンハルトの家にいることになった。


とその時、レオンハルトの父の胸に何かがあることにリアーナは気付き、“胸のあたりに何か入れてますか?” と紙に書いて、目の前のレオンハルトの父に見せた。


それを見たレオンハルトの父は「もしかして、これのことかい?」と言いながら内ポケットから手の平サイズの石を取り出し、リアーナに手渡した。


それはクリソベリル(金緑石)という黄緑色の石だった。


「まさにその石で領民と揉めたんだ」


どうやらレオンハルトの家の領地には数千キロに及ぶ巨大な山脈があり、数年前そこから鉱物が発見され期待をして採掘していたが思いのほか採れなかったそうだ。


さらにその山脈は1年のほとんどが雪で覆われ採掘作業がなかなか進まなく、領民からの不満の声が絶えないらしい。


「その石が出たからキャッツアイ(猫目石)も近々出るだろうが、それは貴重な物だから王室に献上するつもりだ。となると我が家に残るのはその石だけだろう。量もあまり見込めそうにないし領民には負担をかけるばかりだ」


と少し落胆してレオンハルトの父は話してくれた。


それを聞いたリアーナは渡された黄緑色の石をしばらくじっと見つめたあとに、レオンハルトの父に石を返しペンを手に取った。


“この石の出た所をもう少し深く掘ってみてください。時間はかかるかもしれませんが、きっとたくさん出てきますよ”


と書き、そのメモをレオンハルトの父に見せた。彼の父はそのメモ見ると驚いた表情をした。


そばでそのメモ見たレオンハルトが「何でそう思うんだ?」とリアーナに聞くと “その子の後ろに赤と緑に光る綺麗な石がたくさん見えるの” と続けて書いた。


その紙を見たレオンハルトの父は「赤と緑に光る綺麗な石…」と呟いた。


そんな父にレオンハルトが「何かあるのか?」と尋ねた。


「前に妻が赤と緑に光る綺麗な石の夢を見たと言ったことがあってな」

「母さんが?」

「そうだ、あの山の奥で光ったと話した」

「リナと同じかよ」

「あぁ、偶然にしては出来すぎている」


その後、リアーナのいる部屋をあとにした父にレオンハルトが「話がしたい」と声をかけ、2人は父の書斎に入った。

 

レオンハルトはジャエル侯爵家からリアーナがされたことを話し「どうやらジャエル卿はリナの悪い噂を流させ、息子と婚約破棄させようとしてるらしい。だから望み通りにしてやろうと思ってる」


そして無事に婚約を解消したあと、自分とリアーナの婚約を認めて欲しいと父に願った。

 

「お前の好きにしたらいい、私もお前には彼女しかいないと思ってる。必要なら私の名前を使って構わない」


と言い残し、翌日レオンハルトの父は領地へと帰っていった。


* ✦ * ✦ *


レオンハルトはリアーナが退屈しないよう時々部屋に行き話し相手になっていた。


と言ってもレオンハルトが会いたくてしかなかったのだ。


他愛ない会話をしたあとレオンハルトはリアーナに、エドガーをどう思ってるのかと聞いた。


リアーナは気心の知れたレオンハルトになら本音を言っても構わないだろうと思い “いい人だとは思う” と紙に書いた。


「好きではないのか?」と続けてレオンハルトが聞くと “正直、恋愛感情はないけど、家のためだから” と書いた。


するとレオンハルトは「分かった、リナ」と言い改めて目を合わせると、ジャエル卿がリアーナの悪い噂を流し息子と婚約を解消させようとしてると伝えた。


だがリアーナはそれを聞いても驚かなかった。


ジャエル家の使用人達の何とも言えないあの態度を見れば、家の主である侯爵がリアーナをよく思ってないからだと安易に想像出来たからだ。


そしてレオンハルトも何の反応も示さなかったリアーナの様子から、そうなんだろうと予測出来るほどジャエル侯爵家で良いとは言えない扱いを受けたのだろうと思った。


「リナも望んでなさそうだし、お前の親と話して婚約破棄出来るように進めるからな」


とレオンハルトの口からそう言われ、リアーナは始めて驚いた顔をした。


そんなリアーナの手を取りレオンハルトは目を見つめて言った。


「それが片付いたら俺と婚約しよう、俺はリナと一緒になりたい」


それを聞いたリアーナは目をキョロキョロと動かし動揺している様子だ。


「家のことは気にすんな、それは親父が何とかするってさ。だから俺とのこと真剣に考え欲しい」


そう伝えるとレオンハルトは部屋出て行った。


レオンハルトとリアーナは互いに照れた表情が隠せなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ