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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Light&Shadow 〜

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③.陰と陽

翌日、身体のことで相談があると言ってレオンハルトとがミハイルという隣国の剣士を連れて神殿へとやってきた。


念のため情報漏洩を防ぐ目的で神殿には事実を伏せた。


どうやらレオンハルトはミハイルに聖女の意見を聞きに行くと言って神殿へ連れてきたようだ。


(ミハイルは赤い髪に小豆色の瞳、魔法属性は見た目に反し水)


3人で個室の部屋へと入り丸テーブルに着くと、早速オーガを誰にも見つからずに森から連れ出す方法があるのかと言う話題になった。


「それは隠蔽の魔法を使ったのかもしれないわ」


そうリアーナが話すと、レオンハルトもミハイルも聞いたことがないという表情になった。


「見せた方が早いわね」


リアーナは2人の様子から知らないのだと判断し、自分自身に隠蔽の魔法をかけ姿を消して見せた。


リアーナはレオンハルトと離れている間に、様々な魔術を勉強していたのだ。(※攻撃魔法以外)


* ✦ * ✦ *


ミハイルはレオンハルトに巨大オーガの話を持ちかけると、すぐに聖女に会うと言われたことから彼を疑っていた。


自身の国の聖女は僅かな治癒能力しかないにも関わらず、自分を聖女だと吹聴し自分勝手に振る舞っていたからだ。


その言動からミハイルは聖女にいいイメージを抱いていなかった。


だがレオンハルトの紹介で目の前に現れた聖女は、優しく微笑みながらも真剣に話し合いに参加し、気付けば彼はリアーナの魅力に引き込まれていた。


「ただこの隠蔽の魔法は魔力の消費が激しいの。隣国から巨大なオーガを運ぶには1人2人の魔力じゃ足りないと思う」


隠れていた姿を現したリアーナは考える素振りをしながらそう話した。


「それは回復ポーションだけで補えるか?」

「う~ん、それだけじゃ難しいかもしれないわ」

「なら魔力の譲渡があったのかもな」

「そう考えていいと思うわ」


ミハイルは2人の話を聞き「魔力を譲渡出来るのか?」と尋ね、「魔法の知識があれば誰でも出来るわ、ただ属性の相性はあるけれどね」とリアーナは答えた。


自身を信用して話をしているリアーナとレオンハルトの2人に、ミハイルは自身が疑っていたことが申し訳なくなった。


話し合いは手始めに大量の回復ポーションを買った者がいないかを探るということになり皆が椅子から立ち上がると、ミハイルが2人を疑っていたと謝罪。


そして自分は隣国ではカラッド侯爵家の子息で、剣を極めていくうちに『水の剣士』と呼ばれるようになっていたと自身のことを話した。


するとリアーナとレオンハルトは顔を見合わせ、実は自分達もミハイルのことを疑っていたのだと告白。


互いの疑いが晴れた所で、3人は今後気兼ねなく話すことにした。


「お前も俺を疑ってたのかよ」

「それはこっちのセリフだ。いきなり巨大オーガが消えただとか言われたら普通疑うだろ」


少し怒った口調で話をするレオンハルトとミハイルを目の前で見たリアーナは、あることを思った。


「何だか2人って似てるわね。まるで陰と陽みたい」


そう笑いながら話したリアーナにレオンハルトは言った。


「それ似てねぇだろ」

「あぁ似てないな、陰と陽は全然違う」

「そうだ全く違う。お前、魔法属性なに?」

「俺は水だ。お前は?」

「俺は火だ。ほらリナ、俺とこいつは全然違うだろ?」

「そうだリア、俺とこいつは全くの別人だ」

「そう?話し方も似てると思うけどな」


レオンハルトとミハイルのオーラはどこか似た雰囲気で、それはまるで陰と陽のようだった。(レオンハルトが陰でミハイルが陽)


その後、レオンハルトとミハイルはしばらく行動を共にし賭博闘技場の調査にあたった。


その際にレオンハルトとリアーナが結婚していることをミハイルは知る。


「何でお前までついてくるんだ」


ある日の夕刻、レオンハルトは神殿にリアーナを迎えに行こうとすると、何故かミハイルも後ろからついてきていた。


「一目リアの顔を見るだけだから気にするな」

「リナはお前なんかに興味ないからな」


レオンハルトはミハイルがリアーナを気に入っていることに気付き、牽制していた。


「それは分からないだろ」

「いいや、分かるね」


そう話しながら神殿へと向かうと、レオンハルトの姿を見た神官の1人が彼のそばへと駆け寄った。


「レオン、リアーナがいないの。何処に行ったか知らない?」


それはリアーナとレオンハルトが子供の頃からの顔馴染みの神官の女性だった。


リアーナは聖女のため神殿にいる時は必ず誰かがそばに付いていた。


そして今レオンハルトが来るまでの間、神官と2人で入り口付近に立ち待っていたのだが、その神官が少しだけそばを離れた間にリアーナがいなくなったようだ。


それを聞いたレオンハルトは「知らない」と答え、周囲を探し歩いた。


ミハイルも一緒にリアーナを捜索しながら、レオンハルトに声を掛けた。


「確かリアは攻撃魔法が出来ないって言ってたよな?万が一誰かに連れ去られてたら、抵抗も出来ないじゃないか⋯」と焦った感じで語った。


それを聞いたレオンハルトは「なに言ってる、俺よりあいつの方が強いぞ。お前もまだまだだな」とミハイルに話した。


そう話したレオンハルトに、ミハイルは何のことだか分からないというような表情をした瞬間、近くで爆発音が鳴りそれと同時に空へと向かって1本の『光の柱』が一瞬だけ現れた。


「あそこにリナがいる。向かうぞ」

「今の爆発にリアが巻き込まれたのか?」


レオンハルトは光の柱が現れた方向へと急ぎながら、そばにいるミハイルに言った。


「お前、リナのことが好きなんじゃないのか?なのに聖女の他になんて呼ばれてるのか知らないのか?」

「他にって、何だこれ?!」


先ほど爆発した現場に着いたミハイルの目の前には、家が一軒吹き飛び壁が一部だけ残っているだけの建物があった。


その中で立ち尽くすリアーナと、黒ずくめの男が怯えながら腰を抜かしていた。


✦ * ✦ * ✦


少し巻き戻し、リアーナが神殿の外に出ると見知らぬ黒ずくめ男に連れ去られ、近くの空き家へと連れてこられた。


どうやら賭博闘技場の調査をしていることが何処からか関係者にバレ、リアーナが誘拐されたようだ。


そして少し脅しこれ以上嗅ぎ回るなと伝え、すぐに解放すつもりのようだった。


リアーナは「これ以上、闘技場のことを探るな、これを剣聖にも伝えろ」と言われながら、レオンハルトに言われていたことを思い出していた。


『いいかリナ、いざと言う時は攻撃魔法を使え。だがお前のは威力が強すぎるから周りに人の気配がないかを確認してからだ。分かったな?』


「分かってるわよ」と呟くと、目を閉じ周囲に人の気配がないことを確認した。


「何をブツブツ言ってる」


と黒ずくめの男はリアーナに話しかけると、リアーナは目を開け片手を天井に向けて言った。


「悪いけど、あなたはここまでよ」

「は?」


するとリアーナの手から黄色い光の筋が現れ、その光は真っ直ぐ天井を突き抜けたと思ったら屋根と壁のほとんどを消し去った。


男は何が起きたのか分からず呆気にとられその場に尻もちをついた。


リアーナは上にかざしていた手を男の方に向けると、微笑みながら「今の魔法くらいたい?」と聞き、男は震えが止まらなくなった。


リアーナの攻撃魔法は相変わらずコントロールがうまく出来ずに爆発してしまったようだ。


ミハイルは崩壊した家の中にいたリアーナが無事なことに安堵したが、あの爆発と誘拐したと思われる犯人の怯え方から何があったんだと思った。


その後、リアーナを誘拐した男を捕らえその者の証言から闘技場に関わっていた貴族が芋づる式にあぶり出され、賭博闘技場は無事に解体された。


残された巨大オーガは簡単には倒せないため、処分方法が決まるまでとりあえず闘技場の牢にそのまま放置しておくことになった。


そして国民の不安を煽らないよう、王都に巨大なオーガがいることは伏せられたままだった。

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