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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Light&Shadow 〜

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②.青い剣聖と閃光の魔女

リアーナとレオンハルトが16歳になった頃、レオンハルトは一人前の騎士と認められ騎士団本部から離れ、一人暮らしを始めた。(※一人前と認められると騎士団本部を離れ一人暮らしすることを許される)


そのことを手紙で知ったリアーナはある日 “いつでも来い” と書かれていたメッセージを信じ、手紙に書いてある住所に行ってみることにした。


見つけた家はごく普通の賃貸のような建物だった。


部屋の前へ行き扉を数回叩くと、たまたま非番で家にいたレオンハルトが顔を出した。


急な訪問だったがリアーナは家の中に招かれ、すぐに「よく来たな」と言われレオンハルトに抱き締められた。


リアーナは「会いたかった」と言って抱き締め返すと「俺の方がもっと会いたかった」とレオンハルトは言った。


2人は数年ぶりの再会だった。


その日2人はまるで恋人のように家の中で一日を過ごした。


その夜、ベッドの上に座りながら寄り添っていると「リナ、俺達結婚しよう」とレオンハルトはリアーナにプロポーズをした。


それを聞いたリアーナはそう言われると分かっていたのか、あまり驚かずに頷いた。


「そうだ、レオにいいものあげる」


そう言ってリアーナは目の前のレオンハルトの頭を引き寄せると、自分達のオデコとオデコをくっつけて目を閉じた。


すると互いの身体が黄色く光り魔力で覆われた。


その光が消えるとリアーナは目を開けてオデコを離すと「これで皆んなより魔力が増えたはずよ」と言った。


この世界の人間は多少なりとも皆、魔力を持っていた。


そして騎士を志す者は比較的、魔力量が多かった。


それは自身の魔力で身体強化するためで、魔力の少ない者は体力的についていけなかったのだ。


そんな中レオンハルトは魔力量が少なく身体強化がまともに出来ずにいた。


それでもレオンハルトは体力のある方だったため今までは何とか皆についていっていたが、今後はオーガ討伐にも行かなければいけないため身体強化の維持は必須だった。


そのことをレオンハルトは悩み、リアーナへ向けた手紙にも書いていたのだ。


それを知ったリアーナは自身の有り余る魔力を愛するレオンハルトに分けてあげたいと思っていた。


「こんなことしていいのか?」

「いいの、どうせ私じゃ使い道もないし、レオだけ特別。だから内緒だよ」

「分かった、こんなこと出来るなんて知られたらリナが大変なことになるからな」

「多分ね」

「身体は大丈夫か?ずいぶん俺に寄越したんじゃないか?魔力が減ってリナは何ともないのか?」

「それがね…」


レオンハルトは十分すぎるほどの魔力をもらい魔力量の減ったリアーナの身体に異変が起きないのかと心配になった。


するとリアーナは自身の手の平を出し見つめながら「だいぶ減ったはずなんだけど、もう増えてるの」と答えた。


どうやらリアーナの膨大な魔力は減ってもまたすぐに増えるようだ。


「そんなすぐ回復するのかよ」

「自分でもビックリ、魔力が減ったらまたあげるね」

「分かった」


レオンハルトはそう返すとリアーナを抱き締め「ありがとな、リナ」とお礼を言い、魔力をくれた彼女のためにも自身の功績を挙げなければと思った。


後日、ヴァラム神殿では2人の結婚式が行われた。


決して華やかものではなかったがリアーナとレオンハルトを育ててくれたシスターや神官達が参列し2人の結婚を祝福してくれた。


リアーナは住む場所をレオンハルトの家に移し、2人は仲睦まじく過ごした。


* ✦ * ✦ *


そこから数ヶ月後、レオンハルトはオーガ討伐に赴きリアーナからもらった魔力を自身の剣に纏わせ2体の巨大オーガを1人で倒した。


その褒賞として公爵位と領地を賜った。


巨大なオーガはそれほど国の脅威だったのだ。


それから剣聖の名をもらい、青い炎を剣に纏わせて戦ったことから『青い剣聖』と皆から呼ばれるようになる。


その後に王はレオンハルトを実の息子だと公表した。


王は巨大なオーガを勇敢にも倒したのは自身の息子で、自分は褒美に公爵位まで授けるんだと国民にアピールをしたかったようだ。


そしてリアーナはオーガ討伐で負傷した騎士達の治療にあたり、何千という騎士を治療したとして『聖女』として正式に認められた。


すると神官は負けじとリアーナの魔力の高さから『閃光の魔女』という名を彼女につけた。


リアーナはそれを聞き苦笑いしたが、レオンハルトを含め神殿のシスター達は皆ピッタリだと言った。


レオンハルトとリアーナは世間的には有名になったが、今までの生活に特に変わりはなかった。


なぜなら褒賞として譲られた領地はへんぴな場所にあり、王都からも遠く特にこれといった特徴がなかったからだ。


山深い場所のため人も住んでいなく税も取れなかったのだ。


王は始めからレオンハルトのことなど、どうでもよかった。


巨大なオーガを倒した者にそんな土地と形だけの爵位を授けた王は評判を落としたが、本人はこのことを知らなかった。


そう王は自身のことだけを考える人だった。



________________



2年後(18歳)、神殿と騎士団の本部はさほど遠くない距離に位置していたためレオンハルトはリアーナをいつも送り迎えしていた。


夕方いつも通りに2人は神殿を出るとそのまま市場に向かい、晩ご飯の食材を買うことにした。


買い物を終え家へ帰り食事を取りなら、レオンハルトがあることをリアーナに話した。


隣国『エパイオス王国』の森には巨大なオーガがいたが、そのオーガの行方が数ヶ月ほど前から分からなくなっていた。


人を襲う凶暴な性格のオーガが突如姿を消し、国民や近隣諸国の混乱を避けるため隣国では密かに行方を探っていた。


その後どうやらロヴァリエ王国へ向かったという情報を得て、『ミハイル』という隣国の『剣士』が王都に来ていた。


実はロヴァリエ王国の王都の何処かには数年前から罪人同士を戦わせる違法な『賭博闘技場』があるとの噂があり、そこに今回行方が分からなくなった巨大なオーガがいるとの情報を得て調べるためにミハイルは来ていたのだ。


だが他国のことを調べるにはその国の協力者が必要だった。


闘技場を運営するためには多額の資金が不可欠。


となると貴族が関わっている可能性が極めて高い。


下手に協力を仰げば、後ろ盾となっている貴族に自身が消されてしまうかもしれない。


そこでミハイルは巨大なオーガを2体倒し、青い剣聖と呼ばれる騎士レオンハルトに協力を依頼した。


レオンハルトは突然自身を訪ねてきたミハイルの話を聞き、内容が内容なだけに信用していいものか判断しかねた。


「だから私にその人を見てほしいのね」


レオンハルトは今日の出来事をリアーナに話し、ミハイルという男は信用に値する人物かどうか見てほしいと頼んだ。


聖女であるリアーナには物事を見極める力があったからだ。

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