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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Light&Shadow 〜

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55/78

①.神殿孤児院

王都にある『ヴァラム神殿』には孤児院があり、そこでリアーナとレオンハルトは出会った。


リアーナは『クレルラン侯爵家』の息女として生まれた。(金髪にマゼンタ色の瞳、魔法は光属性)


だが先に生まれた兄と二卵性双生児だったため不吉だという根拠のない迷信から忌み嫌われ、生まれてすぐに家族から離され神殿孤児院へ預けられた。


レオンハルトは『ロヴァリエ王国』の国王と城で働くメイドの間に生まれた子供で、出産後すぐに母が亡くなったが国王は争いの火種になりかねない彼の存在を認めなかったため、行き場をなくし神殿孤児院に預けられた。(縹色の髪に藍色の瞳、魔法は火属性)


2人は互いに出生を隠したい親達によって捨てられた子供だった。


2人の出生は特殊なため伏せられていたがリアーナとレオンハルトだけには自身の出生の秘密を神官が伝えていた。(リアーナとレオンハルトの表向きの素性は戦争孤児)


リアーナとレオンハルトは物心ついた頃から神殿孤児院で共に過ごし、とても仲が良かった。


子供達を育てていたのは数人のシスターだったが、リアーナとレオンハルトはたくさんいる中の1人だったためシスターはあまり構ってくれなかった。


それゆえ2人はいつも行動を共にし寂しさを埋め合い絆が強く深まったのかもしれない。


神官から聞いた自身の出生のことも2人は隠さずに話していた。


互いがかけがえのない存在だと気付き、大人になっても一緒にいようと結婚の約束をする。


(ちなみに2人は親の籍には入っていなく、戸籍上は神殿孤児院の子となっている)


神殿孤児院では子供達の将来を考え学業をしっかり教えていた。


5歳の時、初めて行った魔法の授業でリアーナは的に目掛けて自身の光魔法を放ったが、当てるどころか大爆発を起こしてしまった。


幸い屋外だったため怪我人はいなかったが、リアーナの魔力は膨大でコントロールがとても難かしいことが判明。


そこで神殿は魔導師を呼び、直々にリアーナに指導を受けさせたがうまくいかなかった。


どうやらリアーナの魔力が多すぎることと、発育が未熟な子供ゆえ土台となる身体とのバランスが安定しないのだろうと魔導師は言った。


それを聞いたレオンハルトは大好きなリアーナに危険なことをさせたくないと思い「攻撃魔法は危ないから封印しろ」と言った。


リアーナはそれを聞き入れ、かわりに皆の役に立てるよう治癒能力の訓練をするようになった。



________________



神が天から降臨し人々に祝福を授けるとされる『降誕祭の日』、街はその日お祝いムードに包まれあちこちからキャロル(祝いの歌)が聞こえていた。


その人々の歌声が溢れる中で生まれたため『キャロル』と名付けられたアイファ子爵家の子女は、両親から将来を期待されて育った。(クリーム色の髪にモスグリーンの瞳)


キャロルは神が祝福した子供だと両親は信じていた。


「あなたは降誕祭の日に生まれた特別な子、きっと将来は凄い人になるわ。今から楽しみね」とキャロルは両親から常に言われて育った。


そしてキャロルもそんな両親の言葉を真に受け、自分は凄い人間なんだと信じて疑わなかった。


5歳になり神殿へ連れてこられたキャロルは、そこで治癒能力があることが分かり聖女なのではとなり、神殿孤児院で生活をすることになった。


先に神殿孤児院にいたキャロルよりも2つ年上のリアーナにも治癒能力があり、2人は共に聖女候補となった。


キャロルは何としてでも自分の方が先に聖女として認められようとしたが、様々な面でリアーナの方が優れていた。


貴族でもない平民のリアーナが自分よりも先に何でも出来てしまうことから、キャロルは嫌味を込めて彼女のことを『お姉様』と呼ぶようになった。


そんなリアーナは同じ戦争孤児であるレオンハルトという男の子と仲が良く、2人は常に一緒に行動していた。


キャロルはそれが次第に羨ましくなり、レオンハルトを自分に振り向かせようと積極的に話しかけたが彼は見向きもせず、リアーナといるときだけレオンハルトはお喋りになると気付く。


そこでリアーナが自分の陰口を言っていたと言ってみたり、ワザとレオンハルトの目の前で転びリアーナがしたように見せたりして、自分に興味を持たせようとした。


だがレオンハルトは一切相手にせず逆にキャロルは不信感を抱かれた。


キャロルは思い通りにいかない現実に直面しもっと治癒能力があればと自分自身を憎んだが、これも全てリアーナという存在がいたからだと思い直した。


そこでリアーナがすぐに治療してしまうことを逆手に取り、彼女の治癒能力は大した事ないと周囲に言いふらすようになったが、皆は相手にしていなかった。


一方リアーナは何かと自分に突っかかってくるキャロルが、少し苦手だった。


本当の姉妹でもないのに「お姉様」と呼ぶが、かと言って自分を慕っているわけでもなくむしろ嫌っているように思えたからだ。


時には「平民のお姉様が聖女になれるわけがない」などと嫌味を言われたりもした。


そんなリアーナをまるで陥れようとするかのようなキャロルの言動にレオンハルトは気付き、彼女を傷付けようとするキャロルから自分が出来る範囲で守っていた。


キャロルはいつしか自身に見向きもしないレオンハルトの前でも、本性を隠さずさらけ出すようになっていた。


「そういうのはリナより治癒が出来てから言え、まぁお前の方が能力高かったとしてもその性格じゃ聖女は無理だろうな」


レオンハルトはリアーナとキャロルの治癒能力の高さの違いから、その人物の性格や資質が関係しているのではないかと思っていた。


そしてそのレオンハルトの勘は実は当たっていた。


「なんですって?!」


レオンハルトに馬鹿にされたキャロルはそう声を荒げた。


「人が来たぞ?その歪んだ顔見られていいのか?」


レオンハルトは廊下の先から歩いてきたシスターを見ながら、自身の発言で怒った様子の目の前のキャロルに言った。


するとキャロルは近付いてきたシスターに笑顔で挨拶をし、足早にその場から立ち去った。


そんな状態がしばらく続いたあと、何とキャロルに他国の有力貴族の子息との縁談話が舞い込んだ。


そして花嫁修業が必要だとされ、キャロルは隣国『エパイオス王国』へあっという間に渡っていった。(キャロル10歳)


どうやらキャロルの親が隣国と繋がりのある親戚を頼り「我が娘こそ本物の聖女だ」と言って貴族との縁組みを狙い、かなり強引に売り込んだようだ。


レオンハルトはリアーナを脅かす存在がいなくなったことから、自身の夢であった騎士を目指し訓練を受けるため神殿孤児院を離れ騎士団へ入団。


リアーナとレオンハルトは離れ離れになったが、頻繁に手紙のやり取りを行った。

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