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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 鵯上戸 〜

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③.玄孫

翌朝、レオンハルトの思った通りナビアが捕らえられていた。


昨夜レオンハルトは部屋を出たあと、外に待機していた数人の部下の騎士に「この屋敷から出ようとしている者がいたら捕まえておけ」と命令していた。


「さすがにリナの身体につけた傷を俺に見られれば、自分がどうなるかくらい分かってたようだな、母上」


レオンハルトの前に連れてこられたナビアは、後ろ手に縛られ青ざめた表情でうなだれながら、そう告げた彼の恐ろしいくらいの冷たい視線に目を逸らしていた。


「あんたさえ帰ってこなければ全部私のものだったのに…!」

「俺の死を望んでいたのか?」

「そうよ!あの女も離縁状にサインしないし、何でこうなったのよ…」

「そんなことでリナを傷付けたのか?」


目を合わせていないのに、背筋が凍るほど冷めきったレオンハルトの言葉にナビアは何も言えなくなった。


どうやらナビアは離縁状にサインさせたあとリアーナを始末しようとしていたらしい。


翌日からリアーナはしばらく部屋から出ることを禁じられた。


そしてその間にレオンハルトはこの屋敷で起きていたことを全て調べ、ナビアは遠い領地へ追放し使用人達も全て入れ替えることになった。


どうやらレオンハルトは戦地から何度か自身の近況を書いた手紙をリアーナに送っていたようだ。


だがその全てをナビアは執事に燃やすよう命令していた。


それゆえ誰も内容を読むことが出来ず、レオンハルトが帰ってくることを屋敷の人間は誰も知らなかったのだ。


新しい使用人の素性を調べてから雇用することになりその間人手不足となり、レオンハルトはリアーナの世話を焼きたがった。


レオンハルトはナビアからの自分への愛情を感じることはなかった。


いつも何処か冷たい壁のようなものがあると思い極力近付かなかった。


だがその後、父が亡くなるとナビアは公爵家を懸命に支えレオンハルトは少しだけナビアを見直した。


そのためナビアの居場所である公爵家だけは任せられると思い、自分は夢だった騎士の道へ進みやがて剣聖と呼ばれるまでになった。


結婚相手のリアーナとも仲良くまではいかずとも、ナビアになら預けても何も問題ないだろうと考えていた。


しかし蓋を開けてみればナビアは他人に興味がなく、自分のことしか考えていない狡猾な人間だった。


「どうして傷を見るたび悲しそうな顔をするの?」


レオンハルトはリアーナの身体にある傷に薬を塗るたび、申し訳ないような顔をするためリアーナは困っていた。


「これからは俺がお前を守る。だから傷が治っても離れないでくれ、頼む」


リアーナの傷に薬をつけたあとレオンハルトはそう不安気に頼んだ。


レオンハルトはリアーナがこの家から去るのではないかと、毎日不安でたまらなかったのだ。


「レオと一緒にいたいから離れないよ」とリアーナは言いながらレオンハルトの手を取った。


「だからこれからも私のそばにいて。もうレオと離れたくないの、お願い」そう話したリアーナに「それは俺の台詞だ。この先も決してリナのそばから離れない」2人はそう言い合い、この先も離れないと約束を交わしキスをした。


* ✦ * ✦ *


後日、使用人が全て屋敷を出るとリアーナはレオンハルトを連れ使用人部屋へと向い、自身の使っていた部屋のベッドの下の狭い隙間に手を入れ、奥からダイヤモンドのネックレスの入った箱を取り出した。


「良かった、ちゃんとあった」


それを見たレオンハルトは、もしかしたらこの家に来た時からリアーナはナビアへの違和感を感じていたのかもしれないと思った。


「そんなもん、いくらでも用意してやるのに」

「ダメよ、私はこれがいいの」


愛するレオンハルトが自分のために選んでくれたネックレスを、リアーナは大事にしたかった。


その日の夕食は料理の作り方を覚えたリアーナが作り、レオンハルトは美味しいと言ってとても喜んだ。



________________



そこから数年後、いつしか2人は戦争の英雄で国の剣聖であるレオンハルト、義母からのイジメを受けながらも離縁せず夫を待ち続けた聖母のような妻リアーナ。


2人は悪い親を追い出し傾きかけていた公爵家を立て直したとされ、国民達から人気を得ていた。


そしてレオンハルトは何と王太子として選ばれ、王城でリアーナと共々お披露目のパーティーが開かれていた。


現王(60代後半)には嫡男がいたが早くにその子が亡くなってしまい、その後は跡継ぎが出来なかった。


王には兄弟がいないくそのため親の代に遡ることになった。


レオンハルトの曾祖母が先代の王の長女として生まれ、そのあとに出来た長男が王となっていたのだ。


そして実はもう1人次男がいた。


その次男のひ孫『アドルフ』は容姿端麗で学校での成績も良く次期王太子候補として皆から期待されていた。(ブラート公爵家の子息)


だがレオンハルトが剣聖として名を馳せ、国民から人気が出たことから王はレオンハルトを王太子に選んだのだ。


アドルフは先代王の玄孫同士であるレオンハルトと、年が同じだったこともありライバル視していた。


剣聖として優れた才能を持つそんなレオンハルトの婚約者リアーナとは高等部が一緒だったが話したことはなかった。


彼はリアーナがどんな女性か気になり密かに遠くから時折見ていた。


そして綺麗で聡明なリアーナに憧れを抱いたが、彼女がアドルフを見ることは一度もなかった。

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