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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Diamond 〜

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31/78

④.薔薇の花

日曜日、リアーナはレオンハルトが用意してくれていたドレスに身を包みお洒落をして聖騎士団本部の演武場へと向かった。


レオンハルトは今日の剣術大会で観客を迎える準備があるため、先に家を出ていた。


「席は必ず1番前に座れ」というレオンハルトの指示に従いリアーナは1番前の客席に着いた。


『見やすいから1番前の席に座れって言ったのかな?もう少し後ろの方が全体を見渡せる気もするけれど、まぁいいか。確か今日は団長さん以外が出場するのよね』


などと思っていると、誰もいなかったはずの隣の席から気配を感じ慌てて隣を見ると、そこには綺麗な顔立ちの10代半ばくらいと思われる少年が腰掛けていた。


目元が鋭い彼の顔にリアーナは見覚えがあった。


「貴方もしかしてシオンさん?」


すると隣に座っている少年は「そうだよ、リアーナさん」と返した。


ここに来る途中リアーナの姿を見つけた彼は、互いに連れがいなかっためリアーナの後を追ってきたと話した。


すると何故ここにいるのだろうというような不思議な顔をしたリアーナにシオンは、今日は貴族達も招待さているんだと話した。


「やっぱり貴族だったんですね。所でよく私に気付きましたね?」

「姿が変わっても分かる、リアーナさんはいつも綺麗だから」


と花屋で働いていた飾らい姿と違っても、今のドレスを着こなすお洒落なリアーナもどちらも綺麗だといってシオンは褒めた。


それを聞き「若いのに褒めるのが上手ね」と言ってリアーナは微笑んだ。


そのまま2人で時折話をしながら開始された剣術大会を見ていた時、リアーナはあることに気付いた。


『この人どことなく雰囲気がレオに似てる。それからパレジオンに近いオーラを感じる。だから話しやすいのかな』


隣に座るシオンを見ながらリアーナは心の中でそう思った。


すると微笑みながらシオンが言った「僕達、そろそろ呼び捨てにしない?」


そう言われたリアーナは承諾し、今後は互いに気兼ねなく会話をすることにした。


剣術大会は聖騎士同士が戦うためとても見応えがあり、観客達もかなり盛り上がっていた。


そんな中レオンハルトは順調に勝ち残り、試合は決勝戦のみとなった。


『強いだろうとは思ってたけれど、まさかここまで残るなんて』


リアーナは決勝まで勝ち進んだレオンハルトにとても驚いていた。


そしてレオンハルトは優勝候補だった副団長を破り見事に勝利した。


レオンハルトは表彰式で団長から赤い薔薇の花束(5本束にしたもの)を渡され、上位3名と共にそれぞれ馬に跨り演武場をぐるりと一周回った。


実はこの演出のあとに優勝者はもらった花束を客席に招いていた家族または恋人に渡し、日頃の感謝を示すことになっていた。


一方で早々にレオンハルトに敗れた男『スコット』という聖騎士は苦々しく馬に乗るレオンハルトを見ていた。


『副団長は手加減しただけだ、お前なんかが勝てる相手じゃない。親とは不仲で音信不通、恋人とはいたようだが既に別れているのはとっくに調べがついている。だからさっさとこっちに戻ってこい。勝ったのに花を渡す相手もいないのかと笑われるだろうがな』と思いあざ笑っていた。


だがレオンハルトは客席にいた1人の綺麗な女性の前で馬を止めると、薔薇の花束を差し出した。


「リナ、受け取ってくれ」


そう言われたリアーナは急なことに驚いたが、レオンハルトから差し出された綺麗な赤い薔薇の花束を受け取り「ありがとう」と言って微笑んだ。


レオンハルトがその場から離れると「ひょっとして知らずにここに座ってたの?」とシオンが聞いてきた。


優勝者が受け取った花束を客席に招いた家族か恋人に渡すんだと説明をされ、リアーナはただ前の席に座れとしか聞いていなかったとシオンに話した。


それを聞いたシオンは「勝つ自信があったんだね、まぁ僕は彼が勝つと思ってたけど」と言い、「もしかしてレオをよく知ってるの?」とリアーナは聞いたが「さぁね」と言ってシオンは言葉を濁した。


その後リアーナはシオンと共に演武場から騎士団本部の出入り口の方へと移動し、その場は聖騎士達が家族と合流し皆和気あいあいと賑わっていた。


その中で薔薇の花束を持つリアーナは皆の注目を集めていた。


その時レオンハルトが現れリアーナの隣にいたシオンを睨み「お前はいったい何者だ、なぜ彼女のそばにいる」と言った。


「こんなに人が大勢いる所にリアーナ1人でいたら危ないじゃないか、だから僕が一緒にいたんだ。それとも誰かに声をかけられてほしかったの?」とシオンは言い返した。


するとそれを聞いたレオンハルトは苦笑いを浮かべ「感謝する」とシオンに伝えると、リアーナを誘導しながら聖騎士団本部をあとにした。


家へと着くとリアーナは先ほどの少年は以前花屋の常連だった客だとレオンハルトに説明した。


「ずいぶん仲良くなったんだな」と彼は拗ねたように返した。


「悪い子には思えないから許してあげて」

「俺も悪いやつだとは思ってない、だが正体を隠してリナに近付いてんのが気に食わない」


と話し、どうやらレオンハルトはシオンの正体に心当たりがあるようだ。


「シオンの正体?どこの貴族か分かったの?」

「それは本人に聞けば言うんじゃないか?リナを気に入ってるからな」


と答えたレオンハルトにリアーナはよく分からないというような表情をした。


そんなリアーナをレオンハルトは抱き寄せ「リナには誰も近付いてほしくない」と言った。


するとリアーナはレオンハルトの頬に手を伸ばし声をかけた。


「大丈夫よ。レオは聖騎士の剣術大会で優勝してその強さを皆んなの前で分からせた。私はその優勝者だけに渡させれる薔薇の花束を贈られて皆んなから恋人だと思われた。だからそんな強い人の恋人に誰も近付かないわよ」

「それもそうだな」

「おめでとう、レオが1番誰よりも格好良かったよ」


そう言ってリアーナはレオンハルトを褒めて励まし背伸びをしてキスをした。


「お前には負ける」レオンハルトはそう返し、互いのオデコをくっつけた。


✦ * ✦ * ✦


その頃「剣術大会で必ず優勝するから」と伝え家族達を聖騎士団本部に招いていたスコットは、その家族に負けたことを笑われながら馬鹿にされていた。


「何が必ず優勝するよ、あっけなく負けてたじゃない」

「勝つと思ったから1番前の席に座ったのに、早く負けちゃって恥ずかしかったわ」

「もう呼ばないでくれる?恥かきたくないから」

「次は今日の優勝した人みたいに恋人を呼びなさいよ」

「でもアンタに恋人なんていなかったわね」

「聖騎士なのに弱いから恋人も出来ないんじゃない?」


その言葉をそばで聞き、スコットは黙ったまま唇を噛み締めた。

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