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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Le Lien 〜

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⑥.何度でも

放課後、家へ帰ったリアーナは仕事が休みで家にいた父に外泊の許可を取りレオンハルトの所へと向かった。


以前と同じように従者のジェイクに案内され彼の部屋へと入ると、リアーナは中にいたレオンハルトにすぐに抱き締められた。


そんな抱き合う2人を目撃したジェイクは微笑みながらすぐに隣の部屋へと身を隠した。


親の愛情をほぼ知らずに育ったレオンハルトを1番そばで見てきたジェイクは、リアーナという存在が出来たことに心の底から喜びそして安堵していた。


(※ジェイクは15歳のとき当時5歳だったレオンハルトに仕えた。その時のレオンハルトはリアーナに出会う前の幼い5歳の子供で、既に人生を悲観するような目に光のない子供だった。その数週間後に彼はリアーナに会い、どんどん瞳が輝いていった)


リアーナは自分を見たとたんに強く抱き締めてきたレオンハルトに「待ってたの?」と聞き「あぁ、待ってた」と彼は答えながら抱き締めていた手を緩め、リアーナと目を合わせた。


「さっき学校で別れたばかりでしょ」とリアーナが微笑みなが話すと「リナと少しも離れたくない」と言ってレオンハルトはまた抱き締めた。


するとリアーナが「明日まで一緒だよ」と言い、レオンハルトはそれを聞くとまた彼女と目を合わせた。


「泊まっていいって言われたのか?」

「うん、いいって。自分のことは自分で考えなさいって」


リアーナの父は基本、彼女のしたいことを好きにさせてあげる人だった。


だからといって放任主義ということではなく駄目なことは叱り、困ったことがあれば助けてくれる良い父だった。


今回の泊まりの件は心配もあったが皇太子のレオンハルトがリアーナを真剣に愛してくれていると分かっていたため反対しなかったのだ。


「お前のために爵命受けるくらいだから、てっきり許さないかと思った」

「私は半々だったかな」


そう2人は話しながら奥の大きなソファーに隣同士で座った。


そのままくっついて時々キスをしながらお喋りをし、夕食を部屋のテーブルに向かい合って座り一緒に食べた。


その後、部屋の奥に設置されているバスルームにリアーナは入りバスローブを羽織って部屋へと戻ると、隣の部屋でシャワーを浴びたレオンハルトが既にバスローブを着て部屋の中で待っていた。


リアーナがバスルームから出て来たことに気付いたレオンハルトは、窓際に置かれていた椅子から立ち上がると自身に近付いてきた彼女を見て言った。


「俺のだから少しデカいな」バスローブは背の高いレオンハルトに合わせて作られていたため、リアーナには少し大きった。


『だがそれがいい』とレオンハルト心の中で思った。


するとレオンハルトはリアーナの頬に片手で触れながら彼女の目を見つめて「嫌だったら、やめるか?」と尋ねた。


レオンハルトは自分が少し先走りすぎたかもしれないと考えリアーナはまだ嫌だったかもしれないと、彼女がバスルームから出て来るまでの間にそう考えていた。


その言葉を聞いたリアーナは「レオならいいよ」と答えると、目の前のレオンハルトに抱き着いた。


「私、レオの噂を聞いても信じてなかった」

「俺の噂?」


リアーナは抱き着いていた身体を離すとレオンハルトと目を合わせた。


隣国である帝国の皇太子は無慈悲で有名な皇帝の血を引き、とても冷酷で残虐的な性格だとの噂があった。


だがリアーナはそれは別人と誰かを間違えて言っている、もしくはレオンハルトが皇太子ではないかもしれないと思っていたと正直に話した。


「それは父さんがその方が無駄な争い事に巻き込まれないつって、勝手に俺のイメージを世間にそう流した」

「そうだったんだ。私はきっと別の人のことを言ってるんだろうなと思ってた。だって昔のレオも手紙の中のレオも、どっちも優しかったから。だからそんなレオにならいい」

「お前は俺を煽りたいのか?」


真っ直ぐな瞳で可愛いことを言う彼女に、レオンハルトは照れながら言った。


「愛してる、誰よりもリナだけを愛してる」

「私も誰よりもレオだけを愛してる」


そう答えたリアーナをレオンハルトは抱き寄せながら深く口付けた。


✦ * ✦ * ✦


翌日ベッドの上で目を覚ましたリアーナは、隣にいるレオンハルトの方を見ると先に起きていたのか目が合うと「おはよう」と声を掛けられた。


リアーナも「おはよう」と返すとそばにいた彼女を抱き寄せながらレオンハルトが聞いてきた。


「身体は辛くないか?」

「昨日の夜は違和感あったけど、寝たらだいぶ治った」

「ならよかった、だが昨日今日で無理はさせられないよな」

「無理って?」

「こっちの問題だから気にすんな」


リアーナは何のことだか分からなかったが、レオンハルトが自分の体調を気にかけてくれていることは分かった。


その日は学校が休みで、2人はレオンハルトの部屋でまったりと過ごしていた。


ソファーに隣同士で座っているとレオンハルトがリアーナの左手を取りその手を撫でながら呟いた。


「籍だけ入れるか」


2人の住む国の成人は16歳からで既に互いに16歳になっていたため、レオンハルトは形だけでもリアーナともっと繋がっていたいと思い、先に入籍をすませ学校を卒業してから式を挙げないかと彼女に提案した。


そんなどこか必死な様子で話すレオンハルトにリアーナは彼の頬に手を伸ばし目を合わせた。


「私はどこにも行かないよ、ずっとレオのそばにいるから安心して」


そう言われたレオンハルトは自分が急かすように話していたことに気付いた。


「そうだよな。今までリナと離れてたから少し焦った」


そう話すとレオンハルトはリアーナの膝に頭を置き、彼女の顔が見えるように自身の顔を上に向けた。


リアーナはそんなレオンハルトの頭を優しく撫でながら話し掛けた。


「籍、入れてもいいよ」

「本当か?!」

「うん、本当」


籍を入れてもいいと言ったリアーナに驚きながらもレオンハルトは喜び、彼女のお腹に顔を埋めて抱き締めた。


「これで俺のだ」そう呟いて甘えるように抱き着いてきた彼の頭をリアーナは再び撫でるとレオンハルトは顔を離し、彼女に顔を近付けると2人はキスをした。


* ✦ * ✦ *


それからしばらく経ち、リアーナの父は公爵位を賜り『リュカモス』という姓になった。


そして、リアーナとレオンハルトもそれぞれの国の手続きを済ませ2人は無事に入籍することが叶った。


ヴラール王国で婚姻が認められた日、リアーナとレオンハルトは王城のレオンハルトの部屋にいた。


その日は2人だけで小さな祝賀会をし、夜は同じベッドで眠りについた。


翌日の朝、リアーナが目を覚ますと左手に違和感を覚え布団から手だけを出すと、薬指には見知らぬ指輪がはめられていた。


リアーナは驚き指輪を近付けてよく見てみると、指輪には花の模様が入っていた。


すると隣にいるレオンハルトがリアーナを抱き寄せ「気に入ったか?」と声をかけた。


「これ、もしかして結婚指輪?」とリアーナが聞くと「そうだ、俺のは葉っぱだ」と言い、レオンハルトも左手を出した。


「コスモスだ!」

「よく分かったな」


リアーナの方にはコスモスの花の模様が、レオンハルトの方にはコスモスの茎と葉の模様が入り、2つの指輪を重ねるとコスモスの花が現れた。


それにはリアーナとレオンハルト、2人で一つという意味が込められていた。


✦ * ✦ * ✦


数ヶ月後、リアーナとレオンハルトは見に行こうと約束していたコスモス畑へと行き、その綺麗に咲くコスモス達を眺めながら今度は『何度でも、ここへ一緒に見に来よう』と再び約束を交わした。

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