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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Le Lien 〜

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24/45

④.離れていても

その後パーティーは順調に進み、レオンハルトは知り合いを見つけ「少し挨拶してくる」と言ってリアーナのそばを離れた。


リアーナはその間、少し外の空気を吸おうと思い会場をあとにした。


すると女性といるにも関わらずリアーナのことばかり見ていたダグラスは、リアーナが1人で会場を出ていく後ろ姿を見ていた。


『俺に付いて来いってことだよな?』と何か勘違いし、あとを追うようにダグラスも会場をあとにした。


もうダグラスの目の中に連れの女性ミレーヌの姿は一切なかった。


リアーナはすぐ横のちょっとした庭園の中に佇んでいた。


それをダグラスは見つけると影に隠れながら辺りに人がいないのを確認し、ニヤついて一歩前へと踏み出そうとしたその時、誰かの手が肩に置かれ耳元で囁かれた。


「お前はあの方に相応しくない、身の程をわきまえろ」


そう低い声で呟かれ思わず身体を震わせながらダグラスは囁いてきた人物が誰か確認をした。


するとそれは先程までレオンハルトのそばにいた従者の男性だった。


「はっ、誰かと思えば、驚かせやがって」としどろもどろになりながらダグラスは強がり後ろへ数歩下がった。


するとまた音もなく従者のジェイクは距離を詰め「あれほどの恥を皆の前でかきながら、まだリアーナ様にこだわるのか?惜しくなったのは分かるが、お前では不釣り合いだ。こちらはお前が今までしてきた事を全て調べている。既に国王にも報告済みだ。今後なにもお咎めがないと思うなよ」


と従者の放った言葉に動揺が隠せなくなったダグラスは顔色を変え、会場の出入り口へと急いで向かった。


『綺麗な花には虫が寄ってくる、ならその虫を追い払うのが私の役目だ』とジェイクは思い、身を隠しながらそのままリアーナを見守った。


その後すぐに会場へと戻ったリアーナはレオンハルトと合流し、国王へ帰りの挨拶をしに行くと「幸せになりなさい」と国王からリアーナは声を掛けられた。


その後レオンハルトと馬車に乗り込むや否や、リアーナは早速隣に座ったレオンハルトに聞いた。


「どうしてここにいるの?」

「最初に聞くのがそれかよ」

「だって手紙には来るとも何も書いてなかったじゃない」


するとレオンハルトはリアーナの手を取り「俺との婚約は嫌じゃないのか?」と尋ねた。


「嫌なわけないじゃない」と何処か照れた様子でリアーナは答えた。


「よかった、やっぱ俺が皇太子だって気付いてたんだな」

「薄々ね」

「ここに来たのはリナをあの男から守ろうと思ったからだ。婚約の話も嘘じゃない。本当に6年前、俺はリナと婚約しようとした。国王があの時だけ俺に話合わせたわけじゃないからな」

「しようとしたじゃなくて、正確にはしてたでしょ?」

「まぁな、信じてくれるのか?」

「信じるよ、レオの言葉なら信じられる」


そう話した目の前の可愛いリアーナにレオンハルトはキスをしたくなったが、まだ早いと思い直し手を繋いだまま正面を向いた。


「明日、王城に来い」

「王城に?」

「王城の中に部屋借りてる、そこで今までの話しよう」

「分かった、私もいっぱい話したいことある」


するとリアーナの家に着いてしまう前に言わなければと思い、レオンハルトはもう一度リアーナと目を合わせ照れくさそうに口を開いた。


「今日はリナが1番綺麗だった」

「ありがとう、レオも1番カッコ良かったよ」

「ありがと」

「このドレス、レオが贈ってくれたんでしょ?ありがとう。凄く気に入ったよ」

「なら良かった」


とリアーナがお礼を言いレオンハルトが返事を返すと、あっという間に彼女の家の前に着き2人は『もう別れるのか』と互いに心の中で思った。


レオンハルトはエスコートしながらリアーナを馬車から降ろすとその手にキスをし、「また明日な」と言って馬車に乗り去っていった。


その後に帰宅した父とリアーナは今日のことについて話し合った。


リアーナの亡くなった父が帝国の皇族から持ちかけられた婚約を結び、そのあとに保留になったのは宰相の自分はもちろん知っていたが、その後なにも帝国から音沙汰がないことから婚約はそのまま自然消滅したと聞いた。


だから伯爵家との婚約もスムーズだったのだと。


しかし今回前に結んだリアーナとの婚約を継続したいと皇太子から要請がきたため、国としては喜ばしいとし皇太子との婚約を優先させた。


何よりダグラス本人が婚約を嫌がり女遊びをしていると国王の耳にも入っていたからだと父は話した。


リアーナは次に爵位を受けるのは本当かと聞いた。


「父様はそういうのに興味がないと仰っていましたよね?」

「そうだ、あんなもので自分の価値を決められたくはないからな」

「では今回はなぜ?」

「お前のためだ」


帝国に嫁ぐ娘の家が平民では格好がつないからだと父は言った。


ですが本音は亡くなった母のように帝国で惨めな思いをさせたくないという親心からでした。


「元々、爵位をやると陛下から言われていたし、今回それを受けると言ったら前にタンエルから譲られた公爵があるだろと周りがうるさく言うから、ならそれでいいと簡単に決まっただけで凄いものではない」と軽い口調で父は話した。


それを聞いたリアーナは『それは公爵に相応しいと周りから認められてるってことよね?とても凄いことでは?』と思った。


* ✦ * ✦ *


翌日、今日は休日だったがリアーナの父も登城するというので一緒の馬車で王城へと向かった。


昨日よりも嬉しさが溢れ出ている目の前のリアーナに父はすぐに気付き、娘の成長を感じつつ寂しくも思った。


王城に着くと父はすぐに別の所へと向かい、リアーナはレオンハルトの従者だという男性に案内され一室へと入った。


「早かったな」と言い、中にいたレオンハルトはリアーナに近付くと手を繋ぎソファーの方へ誘導した。


「ちょっと早すぎた?父様がお城に行くって言うから一緒に来たんだけど」

「全然いい、リナならいつ来てもいい。むしろ早く会えて嬉しい」

「私も早く会いたくて来ちゃった」


そんな可愛いことを言ったリアーナをレオンハルトは抱き締めて「ずっとリナに会いたかった」と言い、リアーナもレオンハルトを抱きしめ返し「私もずっとレオに会いたかったよ」と話した。


2人はこの6年間、手紙のやり取りはしていたものの実際には会えずにいたことを思い出し、そして互いに離れていてもずっと会いたいと思っていたんだと気付いた。


その後ソファーに隣同士に座るとレオンハルトは急に皇太子妃になると言われて驚いたのではないかとリアーナに聞いた。


「それは驚いたよ。だけど私はレオといられる方が嬉しい。ただ皇太子妃が私に務まるかは分からないけれど」

「そうか、リナならそのへんの問題はないって聞いてるから大丈夫だ」


リアーナの身辺調査をレオンハルトの従者は詳しく調べていた。


もちろん学校での成績や態度なども含めてだ。


それからリアーナの父からも娘は優秀だから帝国に連れて行っても何も問題ないとレオンハルトは聞いていた。


そのことをレオンハルトは話し、断りもなくいろいろ調べたのは従者のジェイクだと教えた。


「俺はリナがどんな女でも結婚するつもりだったが、あいつがそれではダメだとか何とかほざいて勝手に調べやがった。俺はその報告書も読んでないけどな」と言い、少し離れて2人の様子を見ていたジェイクをレオンハルトは睨んだ。


するとリアーナと目が合ったジェイクは会釈をすると、近くのドアを開けお辞儀をしながら隣の部屋へと入っていった。


「じゃあ私は合格ってこと?」

「そうらしい、つっても俺もまさか自分が皇太子になるとは思わなかったけどな」

「そうなの?」


レオンハルトの父親(現皇帝)が数年間の骨肉の争いに勝利し帝国は平穏を取り戻した。


そういう皇族間のゴタゴタに巻き込まれたくはないが、自分が帝位を継がないと更に面倒なことになるんだとレオンハルトは話した。


レオンハルトは部屋に2人きりになったことからリアーナの手を取り目を見つめた。


「絶対に何があっても俺の全てをかけて必ずリナを守るって誓う、だから俺と結婚してくれないか?」とプロポーズし、「はい、よろしくお願いします」とリアーナは答えた。


するとレオンハルトは「やった!」と言って喜び目の前のリアーナを抱き寄せた。


「もう離れたいつっても離さないからな」

「離れないよ、レオと離れたくない」


レオンハルトは抱き寄せていた手を緩めるとリアーナの頬に触れながら「お前は可愛いことしか言わないのか?」と聞いた。


「思ったことしか言ってないよ」とリアーナが答えると2人は近くで目を見つめ合っていたことに気付き、レオンハルトはそのままリアーナの唇にキスをした。


「好きだ、リナがずっと好きだった」その言葉を聞いたリアーナは照れたように「本当は私もレオが好きだったよ」と話した。


「知ってる」

「えっ、知ってたの?」

「子供の時、俺と離れるの嫌であんなに泣いてたら、そりゃ気付くだろ」

「それもそうだね」


2人は微笑み合うと、もう一度キスをした。


するとリアーナは「何回も恥ずかしい」と言いレオンハルトの方へ寄りかかった。


そんなリアーナのオデコにレオンハルトはキスをした。


2人はそのあともたくさん話をし昼食を挟み『来年は一緒にあのコスモスを見に行こう』と約束をした。


それからレオンハルトは明日帝国へ帰国するつもりだとリアーナに伝えた。


レオンハルトも向こうの学校に通っているため、いつまでもこの国にいるわけにはいかなかったのだ。


そのため少しでもリアーナと一緒にいたいと思いレオンハルトは自身の馬車で彼女を家へ送ると言い、夕方一緒の馬車に乗り込み隣同士に座ると彼はすぐにリアーナの腰に手を回し抱き寄せた。


「レオ、キスしてから距離近くなった」

「嫌なのか?」

「嫌じゃないけど、まだ慣れないよ」


そんな恥ずかしがるリアーナがレオンハルトはますます可愛く思えた。


彼女の家の前に着くと馬車を降りたレオンハルトは人目もはばからずリアーナを抱き締めた。


リアーナも今日でまたしばらく会えなくなると思い拒まずに抱き締め返した。


その後2人は別れの挨拶をし、1人で馬車に乗り込んだレオンハルトはやっとリアーナの婚約者としてそばにいられるようになったのに、またこのまま離れるのは嫌だと思った。


『ジェイクの話じゃアイツ昨日リナに近付こうとしたらしいし、学校でまたリナに近付くかもしれない』


そう考えダグラスとリアーナをこれ以上、近付けさせたくないと思いレオンハルトは無意識に拳を握り締めていた。

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