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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Sapphire 〜

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15/23

①.仮面王女

今回は『青色』がテーマになっています。


それではどうぞ(◕ᴗ◕✿)

愛するレオンハルトと共にいられる、ただそれだけでリアーナはとても幸せだった。


どんな些細なことでも日常の一つ一つ全てに幸せだと感じることが出来た。


きっとこれこそが『真実の愛』なのだとリアーナは最後の瞬間にそう思いゆっくりと瞼を閉じた。


* ✦ * ✦ *


リアーナと一緒にいるのは当たり前できっとこれが自分の『運命』なんだと思い、この先も共に歩んでいけるとレオンハルトの中で確信に変わっていた。


いつだって2人は結ばれる、次も共に生きることが出来ると信じながらレオンハルトはその瞳を閉じた。



________________



互いに惹かれ合い愛し合う2つの魂は、今回もまた別々の国に別れてしまった。


リアーナが生を受けたのは『ルビニ王国』、その国の第一王女だった。


だが王妃であるリアーナの母は出産後すぐに亡くなり、彼女が物心ついた頃には新しい王妃とその連れ子である兄アランがいた。(アランは4つ年上)


王であるリアーナの父は娘にあまり関心がなく、自身と血の繋がらないアランだけを可愛がった。


それは王妃がリアーナの素行が悪い(悪戯をする、行儀が悪い)と嘘をつき王から遠ざけていたからだった。


リアーナが6歳の時、父は王位を兄に譲ることを決めアランは王太子となった。


するとそれと同時に王が倒れ意識が朦朧となり床に伏せるようになった。


リアーナは何故かベッドに横たわる父を見るなり、毒に侵されもう長くはないだろうと悟った。


そしてリアーナが思った通り数日後に王である父が息を引き取った。


国王の葬儀後、10歳である義理の兄アランが即位。


だがアランはまだ幼くそんな彼に代わり、実権は『王太后』となった継母が握っていた。


リアーナは1番近くで一部始終を見ていたことから、父に毒を盛ったのは継母ではないかと疑った。


それからリアーナは書庫に籠もり毒について調べた。


自分も毒を盛られる可能性があると思ったからだ。


そしてあの時なぜ横たわる父を見ただけで毒に侵されていると思ったのか、そして万が一毒を含んでしまったらどう対処したらいいのかなどをリアーナは調べまくった。


王太后はそんな書庫に籠もり本を読み漁るリアーナを、とうとう頭がおかしくなかったと思い相手にしていなかった。


✦ * ✦ * ✦


そんなある日、リアーナは書庫の窓を開けその近くの椅子に座り本を読んでいた。


すると窓の外を蝶々が飛んでいったことに気付いた。


どこに飛んで行ったのかと思い、窓から外を覗くと蝶々はすぐそばの壁に止まっていた。


その綺麗な黄色い蝶を取ろうと身を乗り出し手を伸ばした瞬間、リアーナは窓の下へと落ちてしまった。


幸い命に別状はなく骨折もしていなかったが、手足に複数の傷跡が残ってしまった。


それを見た継母の王太后は「王女は窓から落ち大怪我をした際、身体中に傷跡が出来てしまい本人はそれを気にして部屋から出て来なくなった」という噂を流した。


そしてその噂通りリアーナを部屋の中に閉じ込め、どうしても出なければならない時は顔全体を覆う仮面を被るようにと言いつけた。


その命令を守らないと王太后はヒステリーを起こし、暴れてリアーナの部屋の中を滅茶苦茶にするため彼女は従うしかなかった。(※書庫だけは立ち入りが許された)


(ちなみに兄のアランはいつも素知らぬ顔で見て見ぬふり)


そのためリアーナは学校にも通わせてもらえず日中は仮面を被って書庫で本を読み、そして夜は部屋を抜け出し王宮の訓練場で1人密かに剣の訓練をした。


思いっきり身体を動かしたかったのと、いつの日か役に立つ時が来るかもしれないと思ったからだ。


* ✦ * ✦ *


そうして時が経ち、リアーナは『17歳』になった。


書庫で1人勉強をし、沢山の本を読んだリアーナは学校へ通わなくとも人並みの知識と常識を身に付けていた。


そしてどうやら自分には毒を祓うことが出来る『浄化魔法』が備わっていることを知った。


そのため王である父が毒を含んだことが分かったんだと気付いた。


時々自分の食事に盛られている毒を使って、こっそり祓う訓練をし浄化魔法の使い方を覚えた。


それから小さい頃に出来た手足の傷跡は跡形もなく消え去ったが、変わらず仮面は被るように言われていた。


綺麗に成長していく義娘のリアーナが継母である王太后は許せなかったのだ。


だが王女であるリアーナが公的な場に出席しなければいけない時もあり、その際は必ず毎回仮面をつけさせた。


するといつの間にか身体の傷だけでなく顔も醜い『仮面王女』だとの噂が世間の間で流れていた。


そんなある夜『いつまでこんな生活が続くんだろう』と思いながらリアーナは部屋の窓から見える星々を眺めていた。


その時とても綺麗な一筋の光が夜空を流れた。


『なんて綺麗な流れ星なの!いいことありそう!』


だと興奮した次の瞬間、リアーナは妙な気配を感じとった。


何かが王宮の中へ侵入したような感覚を覚えのだ。


リアーナは急いでベッドの脇に隠し持っていた短刀を取り出し、仮面をつけると部屋を抜け出した。


奇妙な気配を辿りながら薄暗い王宮の廊下を歩んでいると、じっと息を潜め陰に隠れている人物を発見した。


リアーナは気付いていないふりをしながら潜んでいた者の横を通り過ぎた時、持っていた短刀を構えその者の首に刃を向けようとした。


だが向こうもそれに気付いたのか素早く剣を構え、2つの剣は音を立てて重なりあった。


しかしすぐにリアーナは相手に押され数歩後ろへと下がった。


『押し負けられちゃった。て、えっ?』


すると突然、相手は持っていた剣を床に落とし胸を抑えて苦しみ出した。


リアーナは何が起こったのか分からずにいると、あの妙な気配が不気味さを増して濃くなり『これって呪い?確か文献には呪いをかけられると術者に逆らえないって書いてあったわよね?』と思った。


リアーナは呪いによって苦しむその姿を見て、王宮へ侵入してきた何者か分からない目の前の人物が何故だか自分と重なって見え気の毒に思えた。


そう思ったリアーナは持っていた短刀を服の中にしまい仮面を外すと近くの花瓶台に置いた。


「それ呪いでしょ?私が解いてあげる」


そう言ってリアーナは何者か分からない人物の片手を両手で取り目を閉じた。


『やっぱり文献通り呪いも浄化できそう。だけどずいぶん強い呪いね、力が抜けちゃいそう』


そう心の中で思った途端リアーナの身体の力が抜け倒れそうになった。


すると彼女に呪いを解かれ正気に戻った人物が、倒れそうになるリアーナを慌てて支えた。


リアーナは閉じていた目を開き目の前の人物と近くで目を合わせた。


相手は落ち着いた濃い青色の綺麗な瞳をした、同い年くらいの青年だった。


「ごめんなさい、思ってたより呪いが強くて力が抜けたみたい。呪いは無事に解けたから安心して」


そう言ってリアーナは自分の足で床に立った時、後ろから誰かが歩いてくる足音が聞こえリアーナはすぐにそばの窓を開け、目の前の人物に早くここから逃げるようにと言った。


目の前の人物はリアーナに何か言いたそうな顔をしたが、その後すぐに床に落ちた剣を拾い窓から外へと出ると夜の闇に姿を消した。


それを見守るとリアーナは窓を閉め、外していた仮面を被ると後ろから来た近衛兵に声をかけられた。


「こちらで何をしているのですか?」

「眠れなくて歩いていただけよ」


とリアーナは答え部屋に戻った。


しかし翌日、昨夜部屋を出ていたことを近衛兵から聞いた王太后に責められ、リアーナは書庫はもちろん部屋から出ることをしばらく禁じられた。


✦ * ✦ * ✦


それから1ヶ月後、リアーナは王宮で行われた王太后主催の舞踏会に参加していた。


1人仮面を被ったリアーナを見た招待客はヒソヒソと噂話をし、誰も彼女に近付こうとしなかった。


リアーナは何もすることのない舞踏会に参加し、話す相手もいなく退屈だった。


早く部屋に戻りたいなと考えていると、少し遠くから自分を見つめる視線と目があった。


その男性はリアーナと目が合うと目線を合わせたまま奥へと姿を隠し、会場を出て行った。


何処かで見たことがあるような顔だなと思い、その人物が気になったリアーナは後を追うようにこっそりと会場を抜け出した。


『あれ?こっちに来たと思ったんだけどな』


リアーナは舞踏会会場の横にある庭園へと向かい、そこであの消えた人物はどこかと思い辺りをキョロキョロと見渡し会場からは見えない死角に来た時、急に後に何者かの気配を感じ振り返るとそこには1人の青年が立っていた。


「やっぱりアナタだったのね。どうしてここに?呪いは解けたんだから遠くへ行けばよかったのに」と声を掛けた。


「それよりお前は何でそんなもん顔につけてる?」と目の前の青年は聞いてきた。


それを聞いたリアーナは「私の話は無視なの?」と言って被っていた仮面を外した。


「お前があの噂の仮面王女だったとはな」

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