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リアーナとレオンハルト  作者: 藤崎七奈
〜 Passion 〜

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11/20

④.城に行こう

後日レオンハルトは王妃である母の下を訪れた。


部屋に通され向かい合って椅子に座るとレオンハルトはすぐに「リナに何をしたのか教えてください」と言った。


「何を言うかと思えば、母を悪者扱いですか?そんなに怒って、怖い怖い」

「しらばっくれても無駄です。アナタの護衛がリナの家から来るのを俺はこの目で見ました」


レオンハルトはここ数日、あのリアーナの家の方から来た男が何処の所属の騎士なのかを調べていた。


そして王妃の護衛騎士であることを突き止め、母に話を聞きに来ていたのだ。


「リアちゃんの家に出入りしているとは聞いてたけど、彼女から何も聞いてないのね。そんなんだから愛想つかされるのよ。全く」


レオンハルトは痛いところを突かれ言い淀むと王妃は彼に言い放った。


「いい?女っていうのはね、話を聞いてほしい生き物なの。たくさん話をさせて時々相槌を打つの。でもね途中で話を切ったり曖昧な態度を―――――――――」


王妃は永遠と話を続け、レオンハルトはとりあえず聞いていたがあまりにも長いため痺れを切らし話を遮った。


「分かりましたから、俺の話も聞いてください」

「まぁ、ひどい。そんなんだからリアちゃんに嫌われるのよ。うちの男共は揃いも揃って―――」


すると王妃がまたブツブツと話そうとしたため、今度こそリアーナの話を聞かせてくれとレオンハルトは王妃に頼んだ。


「仕方ないわね」と言いながら王妃はこれまでの経緯をレオンハルトに話した。


「本人が望んだのよ、何にも縛られず自由に暮らしたいって。だから私は騎士にリアちゃんの様子を定期的に見守らせてたの。女が1人山に住んで寂しいに決まってるじゃない、話し相手も必要だと思って。ついでに家の中の様子を見て暮らしぶりから今何が必要かを探らせて、それを用意させたりね」


「ありがとうございます…」レオンハルトは話を聞き王妃にお礼を言った。


「やっと分かった?こうやって話しをしなければ分からなかったこともあったでしょ?それはね、リアちゃんも同じなのよ」


そして最後に王妃はあることを告げた。


「それから最近、城下で変な噂が流れてるそうよ」

「変な噂?」


見知らぬ怪しげな男が若い娘の居場所を街で聞き回っていると、城下で噂になっていた。


それを王妃は「リアちゃんのことかもしれないから注意してあげなさい」とレオンハルトに伝えた。


レオンハルトが王妃の部屋を出ると、部屋の陰に隠れ2人の話を聞いていた騎士が座っている王妃の後に近付いた。


「怒ってるでしょ?私が全部話しちゃったから」

「いえ、滅相もございません」


そばに来た騎士の歩く足音から王妃はそう判断していた。


「そうかしら?あなた健気で可愛いリアちゃんに、惚れてたものね」


王妃の護衛の騎士は、リアーナを見守る内に優しく前向きな彼女に惹かれていた。王妃はそれを見抜いていたのだ。


「あの子がリアちゃんを幸せにしてあげられないのなら、そろそろアナタにって思ってたのよ。だけどその必要はなさそうね」


と王妃は言ったが後ろにいる騎士は何も答えなかった。


『リアちゃんはアナタを愛してるわ、だから連れ戻しなさい。きっと彼女もそれを望んでるはずよ』


そう心の中で思いながら王妃は目の前の誰もいなくなった席を見て微笑んだ。


* ✦ * ✦ *


そこから数日後、リアーナは城下へと買い物に来ていた。


すると顔なじみの女亭主から「あんた、しばらく街へ来ない方がいい。あんたを探してる変な男がいるよ」と言われた。


なんだか気味が悪いことを言われしまったと店を出て歩きながらリアーナは思い、ふと気になり周りをキョロキョロと見渡した。


『って、そんな都合よく、いるはずないわよね』


と考え、別の店へ行こうかと思ったが何故か変な視線を感じた。


まさかと思い早足で街の中を歩くと付いてくるような気配がし、なんだかとても怖くなってきたリアーナはそのまま早足に街を突き抜けた。


✦ * ✦ * ✦


ある日、別の街からやってきたゴロツキの男がいた。


城下に来て早々に綺麗で若い女を少し遠くから目撃。


すぐに追いかけたがその女を見失ってしまった。


そこで城下街の人々に聞き込みをし、どうやら度々街へ来る女だということが分かった。


そのためしばらく街に滞在しあの女が現れるのを待つことにした。


『あんな上玉そう簡単に諦められるかよ。とりあえず適当に遊んで、そのあと売るか』


男は綺麗なリアーナをものにしようと企んでいた。


その後にリアーナを見つけた男は跡をつけ、何処で捕まえようか悩んだ。


『何処まで追いかけてくるの?このままじゃ家につい付いてきちゃう。さっき街でまけばよかった』


とリアーナは自分に付いて来る気配に怯え後悔していた。


そう思いながら山道を走っていると、足がもつれ思わず転んでしまった。


すぐに立ち上がろうとしたが転んだ時に捻ったのか足首に痛みが走った。


「何だ?追いかけっこはもう終わりか?」


すると起き上がれないリアーナに男が追いつき、しゃがみながら顔を近付けてきた。


男はヘラヘラと気味の悪い笑顔をしていた。


リアーナはジリジリと近付いてくる男にどうしようかと悩んでいた。


すると転んだ拍子に持っていた袋から、先程街から買ってきた野菜が手元に転がっていることに気付いた。


男が至近距離まで近付いてくるのを待ち、近くにあったカボチャを片手で持つと思いっきり目の前の男の頭めがけてぶつけた。


「いってぇ〜!!」と男は叫びながら血が流れた頭を手で押さえ、リアーナはその隙に痛い足を引きずりながら家の中へと入り2階の寝室のクローゼットを開けた。


そしてその奥の扉を開け中へと入ると内側から鍵をかけた。


ここは誰にも知られていない秘密の空間だった。


すると男はリアーナの家の中へと入ると、扉という扉を開け彼女を探しまくった。


「許さねぇ!」だとか「出てこい!」だとか騒ぎながら男はリアーナの隠れる2階の寝室にも来たが結局リアーナは見つけられなかった。


何処にもいないことに気付くと家の中に入るふりをし、女は既に山を下りたんだと思い「くそぉ!」と叫びながら男は家を飛び出していった。


だがリアーナは恐怖からその場から動くことが出来なかった。


* ✦ * ✦ *


レオンハルトは王妃と会話をしてからすぐに城下で噂される怪しい男について自ら調べ、その男が寝泊まりしている場所を突き止めると配下に捕らえるよう命じた。


もしかしたらリアーナも噂を聞き怖がっているかもしれないと思い、心配ないと伝えようと彼女の家へと馬を走らせた。


すると途中の山道で野菜が散乱し、よく見るとその中には血がついる物があることに気付いた。


レオンハルトは嫌な胸騒ぎを覚え、急ぎリアーナの家へと向かうと入口のドアが開きっぱなしになっていた。


いつもは閉まっているドアが開いていたことでレオンハルトは更に不安になった。


乗ってきた馬を繋ぎ、恐る恐る入口から家の中を覗くと辺り一面ゴチャゴチャに物が散らばっていた。


その頃リアーナは、まだ寝室のクローゼットの奥から出られずにいた。


すると「リナ!どこかにいるんだろ?隠れてるのか?もう大丈夫だから出てこい!」というレオンハルトの声と自分を探しているような物音がリアーナの耳に入ってきた。


その声を聞きリアーナは締めていた鍵を開け、クローゼットから出ると1階にいたレオンハルトの所へと向かった。


物音に気付いたレオンハルトが現れたリアーナに気付くと、彼女は片足を引きずっていたためとりあえず椅子に座らせ何があったのか事情を聞きながら、レオンハルトはリアーナの履いていた靴と靴下を脱がせた。


リアーナの左足首は赤く腫れ上がっていた。


「城に行こう、俺じゃあ見方が分からない。な?」


レオンハルトはリアーナに城へ行き適切な治療を受けさせようとした。


しかしリアーナは頑なにその場を動こうとしなかった。


「この足で何が出来る?また襲われたら、その時はどうすんだ?」

「…だけど、城には戻らないって決めてたの」


そう言って自らは動こうとしないリアーナを連れて行こうとレオンハルトは抱きかかえようとした。


するとリアーナはそれに気付き「やめて!」と言って嫌がりレオンハルトの胸を叩いた。


レオンハルトは構わずリアーナを持ち上げようとしたがあまりにも嫌がるため「すまない、リナ…」と申し訳なさそうに呟くとリアーナの首の後ろを叩き彼女を眠らせた。


その後リアーナを抱きかかえ、そのまま馬に乗りレオンハルトは城へと向かった。

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