①.何があっても、そばから離れない
ある田舎の町に住む少女『リアーナ・レイレット』と、少年『レオンハルト・ブライアス』は家が隣同士で幼馴染として育った。
今日はリアーナの両親が家にいなく、2人で留守番をしながら仲良く遊んでいた。(年齢は共に5歳)
夕暮れ時になりレオンハルトがそろそろ隣の家へ帰ろうかと思っていると、徐々に辺りが暗くなり雨脚が強くなった。
すると音とともに空に稲妻が走り、リアーナは怖くなって近くにいたレオンハルトに抱き着いた。
この雷の中レオンハルトが帰ってしまい、家に一人残されるのが怖かったのだ。
「離れないで、一人にしないで」と言ってリアーナは泣きつき、レオンハルトはそんなリアーナをなだめながら「絶対に何があっても、俺はリナのそばから離れない。だから安心しろ」と言って抱き寄せた。
その頃ある所では、新たな魔王が今まさに誕生しようとしていた。
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あれから5年が経ち、2人は10歳になっていた。
この世界には魔法が存在しリアーナはとても珍しい光属性、レオンハルトは火属性だった。
2人は家の近くの広場で毎日のようにリアーナは魔法を、レオンハルトは剣の訓練をしていた。
「あぁ、ダメだ。もう動けねぇ」そう言ってレオンハルトは地ベタに仰向けになった。
それを見たリアーナは「もう疲れちゃったの?」と話しかけながらレオンハルトの近くに座った。
それを聞いたレオンハルトはふてくされたように「なんでお前は疲れないんだよ」と言った。
「私は魔法で回復出来るもん」
「お前だけ、いつもずりーぞ」
「そんなこと言われても…」
そう返しながらリアーナは少し困った顔をした。
リアーナは魔力が膨大にあり、意識せずとも魔力で体力が回復出来た。
しかしレオンハルトは魔力をほとんど持っていなく、訓練で疲れても体力を回復することが出来なかった。
自身の発言で困った顔をしたリアーナを見たレオンハルトは身体を起こした。
「リナに怪我がねーならそれでいい」
「ありがと、レオも怪我してない?私が治そうか?」
「まだ大丈夫だ。それにしてもリナの魔法、なんで怪我まで治せるんだ?」
「さぁ?何でだろう」
リアーナの光魔法は何故か治癒まで出来たが、その理由が2人はよく分からなかった。
今世界には魔王が生まれたとされ、その魔王を討伐するため優秀な人材が王都に集められ精鋭部隊を作っていた。
2人もその精鋭部隊に入るため日々訓練をしていたのだ。
するとリアーナは首から下げていたペンダントを外し、隣にいるレオンハルトに見せた。
「これ昨日お父さんにもらったの。持ってると幸運を招くんだって」
それはラピスラズリという、まるで光り輝く夜空を写したような青い石だった。(形は六角柱)
「これに私の魔力を注いで…」とブツブツ言いながらリアーナは目を閉じた。
「何してんだ?」レオンハルトは目の前のリアーナの行動が理解できず不思議に思った。
するとリアーナはすぐに目を開け「あげる」と言って持っていたペンダントをレオンハルトの前に差し出した。
「これに私の魔力を注いだから、減ればまた増えると思う。これレオにあげる」
それを聞いたレオンハルトは「持ってると幸運を招くんだろ?なら俺はいらない。お前が持ってろ」と答え断った。
ですがリアーナは「いいから」と言って、レオンハルトの首にかけた。
「前に私のそばから離れないって言ってたでしょ?」
「だから一緒にいれば2人で幸運になれるって?」
「そうそう、だからレオが持ってて。これで魔力も補えるし一石二鳥でしょ?」
「たくっ、お前には負ける。だがリナの魔力は減らないのか?」
「全然大丈夫、なぜか使ってもまた増えるんだよね」
「そうか。分かった、ありがとう。ずっと着けとく」
レオンハルトはリアーナの魔力が込められたペンダントをもらい凄く嬉しかった。
そこでさっそく自身の剣を持ち魔法を込めてみると、なんと青い炎が剣全体を覆った。
今まで赤い小さな炎しか出せなかったレオンハルトの火魔法は、リアーナの魔力を使ったことで青い炎へと変化したのだ。
2人は驚き、そしてこのことは2人だけの秘密にしようとレオンハルトが言った。
「どうして秘密なの?」
「これは俺の勘だが、恐らく面倒なことになる」
「面倒なこと?」
「そうだ、特にリナがな」
「私が?」
「あぁ、だから黙ってよう。な?」
「分かった、レオがそう言うなら誰にも言わない」
レオンハルトは幼い頃からリアーナと過ごし彼女の魔法がこの世界では珍しい光属性であり治癒まで出来ること、それから何より魔力がとても膨大でしかも減ってもすぐに補われる、これはとても特殊なことではないかと気付いていた。
そして今日、新たにリアーナの魔力を自身に纏わせることも出来ると分かり、改めて彼女を守るためこのことは誰にも話さず秘密にしようとレオンハルトは決めていた。
その後も2人で訓練を続け、レオンハルトはリアーナのおかげで格段に魔力が上がったが、それにおごらず剣の腕を上げようとひたすら努力していた。(※疲れたら魔力を身体全体に覆い回復させることも覚えた)
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12歳になった2人は、魔法と剣の知識や実力を高めようと王都にある『魔法学園』の入学試験を受けることにした。
そこを無事に卒業すれば、夢である精鋭部隊にも入りやすかったからだ。
後日試験の行われる魔法学園へとやってきたリアーナとレオンハルトは、集まった貴族の子弟ばかりの受験者の中でかなり浮いていた。
(※魔力は比較的、庶民より貴族の者の方が多く有していた)
まずは建物の中で筆記試験が行われ、その後外に出ると魔法能力試験が行われた。
分厚い石の的に20m先から得意な魔法を放つことになったが、受験者の皆は自身の魔法を石に当てるのが精一杯だった。
「あれぐらいの石なら壊せるよな」
「そうだね、それとも凄く硬いのかな?」
「どうだろな」
などと2人がコソコソと話しているとレオンハルトの番が訪れた。
「粉々にしちゃって」とリアーナが言うと「あぁ」と答えレオンハルトは前へと歩んだ。
まずは大きな水晶に手をかざし属性魔法・それから魔力量を測られた。
レオンハルトは火属性だと言われ魔力量はごく僅かだと告げられると、それを聞いていた周囲の受験者らは薄ら笑いを浮かべていた。
するとレオンハルトが「あの的、壊していいんですよね?」と近くにいた試験官に聞くと「えぇ、ですがアナタには無理だと思いますが?」と言って、試験官もレオンハルトにたいし馬鹿にしたような態度だ。
レオンハルトは指定された場所に立ち『ここで目立って皆んなを黙らせてやる』と意気込み、腰に刺していた剣を抜き的の方に刃先を向けた。
そして剣に青い炎を纏わせ「青だと?!」と試験官と受験者の皆が驚いた瞬間、的をめがけ青い炎が放たれ石は粉々に砕けた。
「わざわざ剣に炎を纏わせたのは目立つため?」とリアーナは戻ってきたレオンハルトに聞くと「そうだ、リナに負けらんねーからな」と彼は答えた。
レオンハルトが壊した石を試験官が片付け終わると、次はリアーナの番になり「皆んなを驚かせてこい」と言ってレオンハルトはリアーナの背中を押した。
リアーナは大きな水晶に手をかざすと珍しい光属性だと言われたが、魔力量が多く測定不能となり「本当なのか?」と言って周囲はざわつきリアーナに疑いの目を向けた。
だがリアーナは気にせず的に光魔法を放つと、的の石は粉々になり跡形もなく消え去った後キラキラと黄色い光が舞った。
リアーナはこれで試験は終わったと思いレオンハルトのそばへ戻ろうとした時、どこか焦った様子の試験官が彼女の所へと急いでやって来た。
「君、まさかとは思うが、治癒が出来たりはしないよね?」
「出来ますが、それが何か?」
とリアーナが答えると、試験官は更に焦った様子で「それは今ここで出来ますか?」と聞いた。
「出来ます。ですが何を治療すれば?」とリアーナが答えると「それなら問題ない」と言って試験官はポケットからカッターナイフを取り出し、自身の腕を傷付けた。
すると思いのほか深く切ってしまったのか傷口から血が垂れそうになりリアーナは急いで両手をかざし、あっという間に治癒を施し元の綺麗な状態に戻した。
試験終了後、その場に残されたリアーナとレオンハルトは試験官から説明を受けた。
「よく分かっていないようだから説明するが、今日2人が見せてくれた魔法は上位魔法だ」
通常火属性魔法は赤い炎の色を変えるか又は激しく燃える炎になるのが火属性の上位となる『炎火魔法』、一方光属性の上位魔法は治癒とされその名は『神聖魔法』だと試験官は言った。
そして上位魔法は、それだけで精鋭部隊に入れるほどの実力だと。
余談
いつの間にか収益化出来るようになってたから登録はしたけど、果たしてどのくらい得られるのかな?
まぁ最初からそんなの期待してないから、今後も書きたいの書いていきま〜す(。・ω・。)ノ




