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つれづれな詩たち

銀の糸

作者: 風蘭

留まって澱んだ水たまりを覗き込む

いつか祈ることすら愚かしいと断じた

荒れ果てたままの心に澱んだ時を

光の届かぬ底にわだかまる

深みの昏さに見る


この痛みも苦しみも

光さえ与えられぬ曇天に似て

晴れ間さえ知らず

ぬかるんだ道に足を取られて

進み得ず立ち尽くす


曇天から銀の糸が降る

僅かな光吸い寄せて

儚く煌めいて弾ける

留まったままの淀みを押し流すまで

曇天から銀の糸が降る

深みの昏さを僅かばかり照らす

その光に目を閉じる


願えば叶うなど 信じれば与えられるなど

いつかどこかで耳にした世迷言

濁り切った苦い水を飲み干しても

折れも穢れもしない心が欲しいと

泣き叫んで荒れ狂う感情を御す

生きることは穏やかさとはかけ離れて

鮮烈で 奇妙で 愚かしくて


曇天から銀の糸が降る

僅かな光吸い寄せて

儚く煌めいて弾ける

怒りと憎しみに爛れた心を潤すまで

曇天から銀の糸が降る

炎の爪痕を僅かばかり癒す

その光を抱き留める


僅かな水を集めて流れる川のように

いずれ大河になるために

その一滴を握り締める

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